英文契約書の基本的な表現 第33回 「~を履行する」

      2022/05/23

「~を履行する」という表現が英文契約書の中で使われる場面

 

契約書は、当事者間の権利義務を定める文書です。

 

特に「義務」を中心に定められています。

 

その義務を行うことを、契約では、「義務を履行する」と言います。

 

よって、「~を履行する」という表現は、具体的には、「義務を履行する」という形で、以下のように使われます。

 

 

「当事者Aは、本契約に従い、自己の義務を履行しなければならない。」

 

「当事者Aが、本契約上の義務を履行するのが遅れた場合には、それによって当事者Bに生じた損害を賠償しなければならない。」

 

「当事者Aが本契約上の義務を履行することができない場合には、当事者Bは本契約を解除することができる。」

 

 

「~を履行する」という表現

 

この「~を履行する」という意味を表すために英文契約で使われる表現は、以下の4が主なものです。

 

  • perform

 

  • execute

 

  • carry out

 

  • conduct

 

なお、上記4つの表現の使い分けは特にありませんが、私がこれまで見てきた英文契約書において最もよく使われていたのは、performだと思います。

 

いくつか例文を見てみましょう。

 

 

The Contractor shall perform its obligation under this Agreement.

 

訳:コントラクターは、本契約に基づく義務を履行しなければならない

 

 

If the Contractor fails to perform the obligation under this Agreement, the Owner is entitled to terminate this Agreement by giving the written notice to the Contractor.

 

訳:もしもコントラクターが本契約に基づく義務を履行しなかった場合には、オーナーはコントラクターに書面の通知を提出することによって本契約を解除することができる。

 

 

ちなみに、「義務を履行する」を、do the obligationと書くことはまずありません。

 

 

また、英文契約書では、抽象的に「義務を履行する」という表現よりも、より具体的な表現で義務を定めるのが一般的です。

 

例えば、売主には、「製品を引き渡す義務」がありますが、このときは、

 

The Seller shall deliver the Product to the Purchaser.

 

と書きます。

 

deliverが義務の具体的な内容なので、この場合にはperformとかexecuteといった表現は使いません。

 

つまり、「~を履行する」という表現は、抽象的に「義務を行う」と書く場面で使われる表現なのです。

 

ちなみに、「権利を行使する」という場合には、上記の4つの表現は使わず、exerciseという表現を使います。

 

The Purchaser is entitled to exercise the right under this Agreement.

訳:買主は、本契約に基づく権利を行使することができる。

 

このように「義務」と「権利」とで異なる表現が使われるのは、「義務」はあることを「遂行する」もの、「やり通す」ものであるのに対し、「権利」は、「使う」もの、「行使する」ものである、という違いがあるからだと思います。

 

整理すると、以下のようになります。

 

義務の場合は、performexecutecarry outconduct

権利の場合は、exercise

英文契約の基本的な表現

Shall

 

~に定められている

 

「~に定められている」の補足

 

Notwithstanding

 

~を除いて、~でない限り

 

~に従って

 

~に関する

 

~の場合

 

Whereについて

 

~の範囲で

 

例示列挙の方法

 

事前の文書による同意と承認

 

契約締結日と発効日

 

LDとpenaltyの違い

 

Gross negligenceと結果の重大性

 

間接損害(indirect damage)と逸失利益(loss of profit)の違い

 

知らせる

 

Liquidated damages

 

Otherwise

 

~を被る

 

~を履行する

 

累積責任

 

~を補償する、免責する

 

Indemnifyとbe liableの違い

 

~を保証する(guarantee)

 

遅延利息

 

Warranty

 

排他的な

 

to one’s knowledge/to the knowledge of

 

Material adverse effect

 

Covenants

 

Representations and warranties

 

Notwithstandingと責任制限条項

 

Indemnifyとdefend

 

取締役・取締役会関係の単語

 

株主総会関係の単語

 

添付資料

 

連帯責任

 

下記の、上記の

 

一般条項(Notice)

 

一般条項(Term)

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リテンションボンド

 

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納期遅延②

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