英文契約書における契約締結日と契約発効日

      2022/05/23

 

makeやenter intoが、「契約を締結する」という意味になるということは、「英文契約書においてmake, enter into, conclude, executeとはどんな意味?」で説明しました。

 

では、「契約締結日」と「契約発効日」の違いはご存知でしょうか?

 

「え、どちらも同じじゃないの?」

 

こう思われた方もいらっしゃいますよね。

 

実は、この二つは異なる概念なのです。


まず、「契約締結日」とは、「契約が締結された日」のことです。

 

ここで、「契約が締結された日」とは、「契約の当事者間の意思の合致がなされた日」を意味します。それは契約書に両当事者の署名がなされた時点です。片方の当事者だけが署名した日ではなく、両方の当事者の署名がそろった時に、両当事者の意思が合致したことになります。

 

この契約締結日を英語では、次のように書きます。

 

“the date of this agreement”

 

日本語に直訳すると、「本契約の日」となりますが、これが、「契約締結日」を意味します。

 

では、「契約発効日」とは何でしょうか。


これは、「契約が発効する日」、つまり、「契約に定められている内容が効力を持つ日」です。

 

これは、「契約書に定められている内容に従って当事者が権利を行使でき、または義務を履行しなければならなくなる日」を意味します。

 

この点、契約が締結された場合、契約発効日についての特段の定めがない場合には、契約締結日から契約は発効します。つまり、契約締結日=契約発効日となります。

 

しかし、契約書の中に、契約の発効に関する次のような条文が定められている場合があります。

 

「この契約書は、○年○月○日に発効するものとする。」

 

このような定めがある場合には、契約書に両当事者による署名がなされたのがこれとは別の日であっても、契約発効日は上記の○年○月○日となります。




ちなみに、この契約発効日は、契約締結日よりも後にすることも、前にすることもできます。

 

なお、契約発効日を締結日よりも遡らせる場合の英文は、次のように書くことができます。これは実務で使う場面が割とあると思いますので、覚えておくと便利でしょう。

 

This Agreement shall become effective retroactively as of [month date, year] and continue for a period of two (2) year.

訳:この契約は、[○年△月□日]に遡って有効となり、そして2年間有効とする。

 


さらに、契約書の一部分の発効を契約締結日とは異なるようにする、ということもできます。

 

例えば、以下のような条文です。

 

「この契約書の第○条および第△条は、○年○月○日から効力を有するものとする。」

 

といった感じです。

 

こう定めておくと、この契約書中の第○条と第△条以外の条文は、契約締結日から効力を持ちます。しかし、第○条と第△条は○年○月○日から効力を有することになります。

 

そして、契約が発効するのを、「ある特定の日付」とする方法以外にも、「ある条件が満たされた場合」とする方法もあります。例えば、以下のような条文が考えられます。

 

「この契約は、以下の条件が満たされた場合に限り、発効するものとする。

(1)   甲が○○すること

(2)   乙が△△すること」

 

このように定められている場合には、(1)および(2)の両方が満たされた場合に初めてこの契約書は効力を持つことになります。

 

なお、英語では次のように書くことができます。

 

The Parties agree it is a condition precedent to the effectiveness of this Contract that the following conditions are satisfied:

(1) AAA;and

(2) BBB.

訳:本契約の当事者は、以下の条件が満たされることがこの契約が有効となる停止条件であることに合意する。以下の条件とは、(1)AAA、および(2)BBBである。

 

 

なお、「契約発効日」は、英語では次のように書きます。

 

“the effective date of this agreement”

 

契約締結日(the date of this agreement)と契約発効日(the effective date of this agreement)とでは、”effective”という文言の有無が違いとなります。

 

ちなみに、契約書の冒頭の以下の記載中の日付は、「契約締結日」を意味します。

 

This Agreement is made and entered into the 25th day of July, 2016 by and between Company A, a corporation duly organized and existing under the laws of Japan, having its principal place of business at [住所] and Company B, a corporation duly organized and existing under the laws of India, having its principal place of business at [住所].

 

これは、冒頭に書いてある日付は契約締結日になる、ということではなく、日付の記載の前に、”make and entered into”という「契約締結」を意味する文言があるので、この文書が、「この契約は、2016年7月25日にカンパニーAおよびカンパニーBとの間で締結される」という意味になるためです。

 

以上から、契約締結日と契約発効日の違いを理解していただけたかと思いますが、契約書をチェックする際には、契約締結日=契約発効日なのか、そうでない場合、契約が発効するのはいつから、そしてどのような条件が満たされた場合なのか、と意識して読むようにし、契約締結後になってから、実はまだ契約は発効していなくて、思ったような義務の履行を相手にしてもらえなくて困る、といったことにならないようにしていただければと思います。

英文契約の基本的な表現

Shall

 

~に定められている

 

「~に定められている」の補足

 

Notwithstanding

 

~を除いて、~でない限り

 

~に従って

 

~に関する

 

~の場合

 

Whereについて

 

~の範囲で

 

例示列挙の方法

 

事前の文書による同意と承認

 

契約締結日と発効日

 

LDとpenaltyの違い

 

Gross negligenceと結果の重大性

 

間接損害(indirect damage)と逸失利益(loss of profit)の違い

 

知らせる

 

Liquidated damages

 

Otherwise

 

~を被る

 

~を履行する

 

累積責任

 

~を補償する、免責する

 

Indemnifyとbe liableの違い

 

~を保証する(guarantee)

 

遅延利息

 

Warranty

 

排他的な

 

to one’s knowledge/to the knowledge of

 

Material adverse effect

 

Covenants

 

Representations and warranties

 

Notwithstandingと責任制限条項

 

Indemnifyとdefend

 

取締役・取締役会関係の単語

 

株主総会関係の単語

 

添付資料

 

連帯責任

 

下記の、上記の

 

一般条項(Notice)

 

一般条項(Term)

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