株主総会に関する英語表現~英文契約の基本的な表現 第61回~

      2020/01/30

合弁契約(いわゆるジョイントベンチャー契約)や企業買収後の株主間契約において、株主総会関係について定めた条文をチェックしなければならないことがあります。

 

それ以外にも、実際に合弁会社の株主総会を管理する、例えば企業の企画部門の方々は、合弁会社の株主総会に関わる際に、やはり株主総会絡みの英単語に触れることがあるでしょう。

 

今回は、そのような場合に頻繁に登場する英単語を集めてご紹介します。

 

株主総会

これは、a shareholders meetingやa meeting of shareholdersなどという表現がお馴染みです。

 

これに加えて、a general meeting of shareholdersというものもよく使われますが、上記と同じ意味です。

 

ここで、このgeneralとは何でしょうか?通常、私達がよく見るgeneralの意味は、「一般的な」とか、「通常の」といったものです。ということは、ここも、「一般的な」という意味でしょうか?例えば、「一般的な事項について協議する場」という意味で?

 

そうではありません。ここでのgeneralは、「最高位の」という意味です。英語で言えば、highest in rankです。例えば、general managerやgeneral counsel という役職を見たことがある人もいるでしょう。これは、「最高位のmanager」=統括部長、「最高位のcounsel」=法務部長、という意味です。

 

そしてa general meeting of shareholdersで株主総会です。株主総会は、会社の最高レベルの意思決定機関だからです。

 

ちなみに、年1回、決まった時期に開催される株主総会は「定時株主総会」と呼ばれ、これはan annual general meeting of shareholdersといい、一方、ある決議すべき重要事項が突発的に発生したときに、臨時に開催する株主総会は「臨時株主総会」と呼ばれ、これはa special general meeting of shareholdersといいます。

 

発行済株式

発行済株式は、会社から発行された株式です。これは、issued sharesです。これと一緒に使われる表現として、outstanding sharesというものもあります。訳を見ると、どちらも「発行済株式」とされていることが多いです。しかし、両者には違いがあります。

 

outstanding sharesは、全ての発行済株式から、自社株式(treasury stock)を除いたものです。そして、全ての発行済株式が、issued sharesです。自社株式とは、会社が発行した株式を自分で保有しているものです。となると、次のような関係が成り立ちます。

 

issued sharesoutstanding sharestreasury stock

 

更に、自社株式が0の場合も当然ありますので、次のようにもいえます。

issued sharesoutstanding shares

(※自社株式がなければ、issued sharesoutstanding sharesとなります。通常、2社で合弁会社を設立するようなケースでは、自社株式はないことがほとんどでしょうから、issued shares=outstanding sharesとなっていることが多いでしょう)

 

ここで、自社株式には、株主総会で投票する権利、つまり、「議決権がない」とされていることが通常です。というのも、自社株式に議決権があるとなれば、本来は株主総会では株主の意思を反映させる場なのに、自社株式を持つまさにその会社自身が自分で重要事項を決めていくことになってしまい、これは株主にとって望ましいことではないからです。

 

ということで、issued sharesは、自社株式(議決権なし)も含まれた全株式を指し、一方、outstanding sharesには自社株式は含まれていない、ということになります。

 

全会一致の

これは、何かを決める際に、全員の賛成がないと決議できない、という意味です。unanimousと書きます。これに対して、単純な過半数は、majoritysimple majorityです。

 

なお、unanimousは発音に注意が必要です。カタカナで書くなら、アンアニマスではありません。ユナニマスです。

 

定足数

これは、会議を開催するために必要な人数または議決権の数という意味です。quorumと書きます。a quorum for a general meeting of shareholdersで「株主総会の定足数」となります。例えば、総議決権の過半数が定足数とされます。

 

議決権

これは、voting rightや単にvoteといいます。affirmative voteで「賛成投票」(議決権として賛成票を投じること)となります。また、one vote for each shareで「1株につき1議決権」となります。

 

決議

ある事項について取り決めることをいいます。resolutionと書きます。

a resolution at a general meeting of shareholdersで「株主総会決議」です。

 

 

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。

 

目次
第1回 義務 第10回 ~に関する 第19回 知らせる
第2回 権利 第11回 ~の場合 第20回 責任
第3回 禁止 第12回 ~の範囲で、~である限り 第21回 違反する
第4回 ~に定められている、~に記載されている 第13回 契約を締結する  

第22回 償還する

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足) 第14回 契約締結日と契約発効日 第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)
第6回 ~に従って 第15回 事前の文書による合意 第24回 故意・重過失
第7回 ~に関わらず 第16回 ~を含むが、これに限らない 第25回 救済
第8回 ~でない限り、~を除いて 第17回 費用の負担 第26回 差止
第9回 provide 第18回 努力する義務 第27回 otherwise

 

 

第28回 契約の終了

第38回 権利を侵害する 第48回 遅延利息
 

第29回 何かを相手に渡す、与える

第39回 保証する 第49回 重大な違反
 

第30回 due

第40回 品質を保証する 第50回 ex-が付く表現
第31回 瑕疵が発見された場合の対応 第41回 補償・品質保証 第51回 添付資料
第32回 ~を被る 第42回 排他的な 第52回 連帯責任
第33回 ~を履行する 第43回 第53回 ~を代理して
第34回 果たす、満たす、達成する 第44回 第54回 下記の・上記の
第35回 累積責任 第45回 瑕疵がない、仕様書に合致している 第55回 強制執行力
第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害を表す表現 第46回 証明責任 第56回 in no event
第37回 補償・免責 第47回 indemnifyとliableの違い 第57回 for the avoidance of
 
第58回 無効な
第59回 whereについて
第60回 in which event, in which case
第61回 株主総会関係
第62回 取締役・取締役会関係

 

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