プラント・インフラ輸出契約の解説書の紹介

 

以前から、このホームページで告知させていただいておりましたプラント・インフラ輸出契約の解説書『英文EPC契約の実務』が、6月9日より、中央経済社さんから出版されました。

※「EPC契約」というタイトルではありますが、内容の大部分は、「プラント用機器供給契約」にも当てはまるものです。よって、例えば、発電用のタービンや発電機といった機器をEPCメーカーに提供する企業の方々のお役にも立つものです。

特に機器供給をされる方々にとっての注意事項は、第6章にまとめて記載しております。

本書の目次

第0章 なぜ、EPC契約は難しいのか?その難しさを本書はどう解決するのか?

第1章 EPC契約の基礎

第2章 英文契約の頻出表現と条文の「型」

第3章 EPC案件における巨額損失事例(コストオーバーラン)の原因と対策

第4章 契約上の手当およびその運用上の注意点(本書のメイン)

1.対価を適切に支払ってもらえるようにするための契約上の手当運用

コントラクターの仕事の特定/オーナーの義務/オーナーからの抽象的な要求/LOI/オーナーの資金調達能力/オーナーが対価を支払わない場合の契約上の手当と運用上の対策

2.不当に過大な責任を負わせられないようにするための契約上の手当運用

納期遅延/性能未達/稼働率/絶対保証/契約不適合責任/第三者への生命・身体・財産への損害/保険/第三者の知的財産権の侵害/契約解除/責任制限/ボンド

3.コントラクターのせいでない理由で納期に遅れる、または追加費用が生じる場合には、納期延長・追加費用をオーナーから得られるようにするための契約上の手当運用

クレームとは/Force Majeure/リスクの負担/仕様変更/法令変更/作業中断/サイト情報/遺跡発見/オーナーによる義務違反

4.その他の重要ポイント

設計/試験/検収の条件と効果/所有権の移転/準拠法/紛争解決方法

第5章 下請との契約上の注意点

第6章 プラント用機器供給契約における注意点

 

このホームページには、EPC契約に関連する記事を多数掲載しておりますが、本書は、それらをパワーアップさせた内容になっております。パワーアップしているのは、具体的には、以下のような点です。

 

英文の条文例とその構造図を多数掲載している。

 

構造図の例

目で見てわかるように、図表を多数掲載している

 


解説はホームページのものよりもより詳しいものとなっている。

ホームページ内では触れていない事項も数多くあります。

 

EPC契約の条文を3つの視点でカテゴリー分けした上で個々の条文を解説している。

本書のメインは第四章です。

ここでは、EPC契約の重要条文について詳しく解説しております。

特に、「EPC契約における成功とは何か?」という観点から、EPC契約をチェックする際に持つべき以下の3つの視点を紹介し、その視点毎に各条文を体系的に解説しております。

コントラクターが目指すべきEPC契約は、

  • 対価を適切に支払ってもらえるように手当てされている契約、
  • 不当に過大な責任を負わせられないように手当てされている契約、そして、
  • コントラクターのせいでない理由で納期に遅れる、または追加費用が生じる場合には、納期延長・追加費用をオーナーから得られるように手当てされている契約です。

 

この3つの視点からEPC契約の条文を整理した上で、個々の条文を解説しておりますので、バラバラに学ぶよりもずっと理解しやすくなります

 

日系企業および海外企業(ウェスチングハウス)で実際に生じた複数の巨額損失事例(コストオーバーラン案件)の原因を探り、対策について検討している。

条文のポイントを学ぶことも重要ですが、実例から教訓を得ることも重要です。特に、組織的な観点からみてどうしたら防げたのか、どのような問題を抱える組織が巨額損失事例に陥りやすいのか、といった点について検討しております。

 

ちなみに、本書のページ数は、全部で441ページです。1冊目の『はじめてでも読みこなせる英文契約書』の450ページよりは若干少ないページ数であるものの、使用している紙質の違いのため、より厚く、そして重くなっております。そのため、書店さんなどで実際に手に取っていただくと、いかにも難しそうな本に見えるかもしれません。特に、法学部出身でない、また、法務部でない方々には、「果たして自分に理解できるのだろうか?」と感じられるかもしれません。

しかし、その点はご心配には及びません。というのも、『はじめてでも読みこなせる英文契約書』と同様に、「法学部でなくても、法務部でなくても理解できる内容」となることを常に心がけて書いたからです(そもそも、本郷塾の目的は、法学部出身でもない、法務部でもない方々に、契約について理解していただくことです)。具体的には・・・

 

基本から丁寧に解説!

第一章にて、「EPC契約とは何か?」や「EPC契約の全体像」、そして、EPC契約を学ぶ上でぜひ最初に抑えておいていただきたい基本的な事項を解説しております。ここから入ることで、正に、今、はじめてプラント業界で働き始めた新人・若手、さらには転職者の方々も、基礎から身につけられるようにしております。

 

英文契約で頻出する表現を解説!

第二章では、『はじめてでも読みこなせる英文契約書』でも触れている、英文契約に頻出する英語表現を解説しております。これまで英文契約書を読んだことが無い方、読んだことはあるけれども、難しい英語が多くて途中で諦めてしまったという方にも、英語の条文の基本的な型から身に着けていただけます。

ただ、delay analysisについての具体的手法(time impact analysisやwindows analysisなど)に関する記述はありません。理由は、それらの知識を実務で必要とされる方はそこまで多くはないだろうということ、そして、まずは契約に関する知識を身に着けていただきたいからです。それらについては、このホームページのこちらから学んでいただくことができます。

 

 

これまで出版した本同様、書店さんでパラパラめくっていただいた上でご購入いただきたいのはやまやまですが、コロナ禍の中ですので、ご無理せず、アマゾンなどの通販でお買い求めいただければと思います。

 

最後に、2017年3月に本郷塾を立ち上げて以来、EPC契約の解説書を出版することは、私の大きな目標でした。これが実現できたのも、日頃から本郷塾のホームページを閲覧していただいている方々および、本郷塾の個別指導や社内研修をご利用いただいた方々のお陰です。この場を借りて、皆様に厚く御礼申し上げます。

本郷塾では、引き続き、プラント業界に限らず、そしてまた、法学部出身・法務部の方々に限らず、海外事業に関わられる幅広いビジネスマンの方々の契約業務に役立つような書籍の出版や研修を実施していきたいと考えております。今後も、本郷塾をよろしくお願いいたします。

 

ちなみに、これまでに出版した2冊の本も、好評発売中です!

 

はじめてでも読みこなせる英文契約書

海外との契約業務に関わることになった新入社員や若手社員の方々。法学部出身でなくても、法務部でなくてもわかると好評で、これまで既に4回の増刷となっております!

歴史が教えてくれる働き方・生き方

歴史上の出来事や人物たちの生き方は、現代を生きる私たちの生き方や働き方にとても参考になる教訓が含まれています。1エピソード5~6ページで合計50個の話を掲載しています。意外な人物の意外な活躍・行動・考え方・・・。これを読めば、明日からの働き方にプラスになるかもしれません。

公開日:
最終更新日:2020/06/24