英文契約の基本的な表現 第59回~whereについて~

      2022/05/23

今回は、「where」についてご紹介したいと思います。

 

「whereなんて、今更解説不要でしょ。中学一年生のときに習う単語じゃん!」

 

そう思われた方も多いかと思います。

 

私も、まさか、自分が「where」の意味がわからないで困ることが起きるなんて、英文契約書を読むようになるまで思いませんでした。

 

whereは、当然、疑問詞の一つ、つまり、5W1Hなどで使われる「どこで?」「どこに?」「どこへ?」といった意味だと思っていました。

 

つまり、Where are you going? 「どこに行くの?」

 

とか、

 

Where are you from? 「どちらのご出身ですか?」

 

といったものです。

 

または、関係副詞としてのwhereもありますね。例えば、

 

This is the house where I lived for ten years. 「これは私が10年間住んでいた家です」といったものです。

 

この例文では、the houseを「先行詞」なんて言いますよね(10年以上ぶりに「先行詞」なんて言葉を思い出しました)。

 

では、次の例文におけるwhereはどういう意味でしょうか?

 

Except where otherwise specifically provided elsewhere in the Contract, the Contractor shall submit to the Owner a notice of a claim for an extension of the Time for Completion.

 

これは、疑問詞でしょうか?それとも、関係副詞でしょうか?

 

どちらにしても意味が通りませんよね?

 

上記の下線部分は、「契約書のどこかに別途明記されている場合を除いて」という意味になります。

 

つまり、ここでの「where」は、「~の場合には」という意味で、品詞は「接続詞」です。

 

と、一応、「品詞」を書きましたが、私としては、正直、品詞がどれなのかはどうでもよいと思っています。

 

重要なのは、「~の場合に(は)」といった意味の場合がある、ということです。

 

また例文を見てみましょう。

 

The Contractor shall execute the basic and detailed design and the engineering work in compliance with the provisions of the Contract, or where not so specified, in accordance with good engineering practice.

 

上記の下線部分は挿入句となっており、意味は、「契約書に記載されていない場合には」という意味になります。つまり、「コントラクターは、契約書の条文に従って設計をしなければならず、もしも契約書にそのような条文が定められていない場合には、good engineering practiceに従って設計をしなければならない」という意味になります。

 

ここの意味は分かりにくいかもしれないのでもう少し解説すると、契約書に、コントラクターが設計を行う際の「基準・指針」のようなものが定められている場合にはそれに従って設計をすることが求められるが、もしもそのような「基準・指針」が契約書に定められていない場合には、good engineering practiceに従って設計することが求められている、という意味です。

 

上記の例文は、whereに「~の場合には」という意味があることを知っていないと、意味がよく分からないことになりますよね。

 

私の経験では、この「~の場合には」という意味でのwhereは、そう頻繁に英文契約書に登場するわけではないように思いますが、疑問詞や関係副詞としてのwhereととらえると意味がよく分からない場面では、「「~の場合には」という意味ではないか?」と疑ってみると、読めるようになることが多いと思います。

英文契約の基本的な表現

Shall

 

~に定められている

 

「~に定められている」の補足

 

Notwithstanding

 

~を除いて、~でない限り

 

~に従って

 

~に関する

 

~の場合

 

Whereについて

 

~の範囲で

 

例示列挙の方法

 

事前の文書による同意と承認

 

契約締結日と発効日

 

LDとpenaltyの違い

 

Gross negligenceと結果の重大性

 

間接損害(indirect damage)と逸失利益(loss of profit)の違い

 

知らせる

 

Liquidated damages

 

Otherwise

 

~を被る

 

~を履行する

 

累積責任

 

~を補償する、免責する

 

Indemnifyとbe liableの違い

 

~を保証する(guarantee)

 

遅延利息

 

Warranty

 

排他的な

 

to one’s knowledge/to the knowledge of

 

Material adverse effect

 

Covenants

 

Representations and warranties

 

Notwithstandingと責任制限条項

 

Indemnifyとdefend

 

取締役・取締役会関係の単語

 

株主総会関係の単語

 

添付資料

 

連帯責任

 

下記の、上記の

 

一般条項(Notice)

 

一般条項(Term)

EPC契約のポイント(『英文EPC契約の実務』で解説している事項の一部です)

 

スコープオブワーク

 

EPC契約の契約金額の定め方と追加費用の扱い

 

コストプラスフィーの注意点

 

ボンドについて

 

前払金返還保証ボンド

 

履行保証ボンド

 

契約不適合責任ボンド

 

リテンションボンド

 

仕様変更

 

プラントの検収条件と効果

 

納期遅延①

納期遅延②

納期遅延③

納期遅延④

納期遅延LDの決め方(発電所建設の一例)

 

Time is of the Essenceとは?

 

性能未達LD

 

EPC契約における保険

 

責任制限①

責任制限②

 

対価をとりっぱぐれるリスクへの対処法

 

プロジェクトファイナンス

 

コンソーシアム契約

 

Delay Analysis関係

必要な立証の程度(balance of probabilities)

 

フロート

 

同時遅延

 

仕事関係

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メンター(教育係)に初めてなる人へ②

 

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Subject toとポツダム宣言の受諾

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