「下記の」「上記の」という表現 英文契約の基本的な表現 第54回

      2022/05/23

今回は、「下記の」と「上記の」という表現をご紹介します!

 

「下記の」という表現が使われる場面

 

英文契約には、「条文」が定められています。

 

その条文は、「~の場合には、・・・となる」という内容であることがよくあります。

 

この「~の場合には」に当たる部分を「条件」、「・・・となる」に当たる部分を「効果」、と呼びます。

 

そして、この条件や効果が、複数あることがあります。

 

その場合、次のような条文の形となることが多いです。

 

下記の事項を満たす場合には、・・・となる。

 

条件1・・・

条件2・・・

条件3・・・」

 

または、

 

「~を満たす場合には、下記の効果が生じる。

 

効果1・・・

効果2・・・

効果3・・・」

 

つまり、箇条書きにするのです。

 

なぜ箇条書きにするかといいますと、ズラズラと複数の条件や効果をただ書き並べるよりも、箇条書きにした方が分かりやすくなるからです。

 

実際に、箇条書きとそうでない場合とを以下で比較してみましょう。

 

箇条書きにしない場合:

「不可抗力、法令変更、請負人の責めに帰さない事由に基づく注文者の仕様変更命令、請負人の責めに帰さない事由に基づく注文者の作業中断要求、または注文者の契約違反のいずれかが生じた場合には、納期は延長される。」

 

箇条書きにした場合:

以下のいずれかの事由に該当する場合には、納期は延長される。

(1)   不可抗力

(2)   法令変更

(3)   請負人の責めに帰さない事由に基づく注文者の仕様変更命令

(4)   請負人の責めに帰さない事由に基づく注文者の作業中断要求

(5)   注文者の契約違反」

 

いかがでしょうか?

 

箇条書きにした方が、すっきりして見やすいですよね?

 

 

「下記の」を表す表現

 

これは、followingという表現がよく使われます。

 

例文

If the Contractor terminates this Contract in accordance with the Article 20 hereunder, the Owner shall pay to the Contractor the following amounts:

(i)              A;

(ii)             B; and

(iii)            C.

 

訳:コントラクターが本契約の第20条に従って本契約を解除した場合、オーナーは、以下の金額をコントラクターに支払わなければならない。

(1)   A

(2)   B

(3)   C

 

 

「上記の」という表現が使われる場面

 

契約書では、前の条文に定められた事項を引用することがよくあります。

 

例えば、次のような感じです。

 

上記の定めに関わらず、コントラクターはオーナーが被った間接的な損害については責任を負わない。」

 

もっとも、この「上記の」というのが、どれを指すのかわかりにくいことが時々あります。

 

つまり、「上記っていうけど、上には色々なことが定められてるじゃん。具体的にはどれ??」という疑問を感じてしまうようなときです。

 

これでは、場合によっては、当事者間で「上記」とはどれを指すのかについて争いに発展する可能性もありますので、契約書を読んでいる際にそのような疑問を感じたら、「上記の」という表現は使わずに、多少冗長になってしまうとしても、「上記の」に当たる部分を再度そこに明確に書くようにするべきです。

 

「上記の」を表す表現

 

これは、複数あります。

 

  • foregoing
  • aforementioned
  • aforesaid
  • abovementioned

 

英文契約書の中で特によく見かけるのは、「foregoing」だと思います。

 

例文:

Notwithstanding the foregoing, the Contractor is not required to be liable for any indirect damages suffered by the Owner.

 

訳:

上記に関わらず、コントラクターはオーナーが被ったいかなる間接的な損害も賠償する責任を負わない。

 

 

今回ご紹介したfollowingやforegoingといった表現は、英文契約書に限らずメールなどでも使える表現ですので、ぜひ覚えて使いこなしていただければと思います。

英文契約の基本的な表現

Shall

 

~に定められている

 

「~に定められている」の補足

 

Notwithstanding

 

~を除いて、~でない限り

 

~に従って

 

~に関する

 

~の場合

 

Whereについて

 

~の範囲で

 

例示列挙の方法

 

事前の文書による同意と承認

 

契約締結日と発効日

 

LDとpenaltyの違い

 

Gross negligenceと結果の重大性

 

間接損害(indirect damage)と逸失利益(loss of profit)の違い

 

知らせる

 

Liquidated damages

 

Otherwise

 

~を被る

 

~を履行する

 

累積責任

 

~を補償する、免責する

 

Indemnifyとbe liableの違い

 

~を保証する(guarantee)

 

遅延利息

 

Warranty

 

排他的な

 

to one’s knowledge/to the knowledge of

 

Material adverse effect

 

Covenants

 

Representations and warranties

 

Notwithstandingと責任制限条項

 

Indemnifyとdefend

 

取締役・取締役会関係の単語

 

株主総会関係の単語

 

添付資料

 

連帯責任

 

下記の、上記の

 

一般条項(Notice)

 

一般条項(Term)

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