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本郷塾で学ぶ英文契約

英語の契約書でprovided in/specified in/set forth inとは?

2024/02/14
 

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英文契約基礎から実践講座

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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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英語の契約書を読んでいると、provided inspecified inといった表現がよく出てきますよね。

この表現の意味は、「~に定められている」です。

英語の契約書の中でこの「~に定められている」を意味する表現は、他にもいくつかあります。

それらを併せて押さえておくと、英語の契約書を読む際に、辞書を引く回数を減らすことができるので、以下の例文を読みながらしっかり理解しましょう。

 

1.provided inやspecified inが使われる場面

以下ように、「~に定められている」「~に記載されている」という意味でこれらの表現が用いられます。

 

  • the payment terms provided in Article 5 of this Agreement

(本契約の第5条に定められている支払い条件)

 

  • the criteria specified in the Specifications

(仕様書に記載されている基準)

2.併せて押さえておきたい類義語

provided inやspecified inと同じ意味で使われる表現には、以下のようなものがあります。

  • set forth in

the period set forth in this Contract

(この契約書に定められている期間)

 

  • set out in

payment schedule set out in Appendix 5

(添付資料5に定められている支払スケジュール)

 

  • described in

any test described in this Contract

(この契約に定められている試験)

 

  • prescribed in

the conditions prescribed in Article 6

(第6条に定められている条件)

 

  • stipulated in

interest stipulated in Article 12.3

(第12.3条に定められている利息)

 

  • stated in

all the conditions stated in Article 11

(第11条に定められている全ての条件)

 

このように、表現は色々あるものの、どれも、「~に定められている系」だと覚えておいていただければ、英語の契約書を読む際に役に立つと思います。

 

ちなみに私は、自分で英文を書く場合に、「~に定められている」や「~に記載されている」と表したい場合には、specified inかset forth inを使うと決めています。そのように決めておくと、いざ自分でドラフトするときに、迷わずに済みます。

3.「…written in~」ではダメなのか?

「こんなに色々な表現を使うことが許されるなら、「~に書かれた」という意味になりそうな…written in~でもよいのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし、契約書中で「~に定められた系」として…written in~という表現が使用されているのを私はこれまでに一度も見たことがありません。それはなぜか?

 

実は …written in~は、「~に書かれた」という意味にはならないようなのです。

といいますのも、ここで使用される“in”は、書く「方法」や「手段」を表すinとして使用されるもののようです。

 

つまり、…written in Englishであれば、「英語で書かれた…」という意味になり、…written in inkであれば、「インクで書かれた…」という意味になります。

 

したがって、「~に定められた系」の表現として、…written in~は使われないようです(「written in は「~に書かれた」という意味には絶対になりません!」と断言できなくて申し訳ありません)。

 

なお、writtenが契約書中に使用される場合としては、以下のようなものがあります。

written agreement 書面による合意

written consent 書面による同意

written notice 書面による通知

 

4.ご参考~Oxford現代英英辞典[第9版]における各表現の意味~

以下に、「~に定められている」「~に記載されている」という意味を表すときに使う表現について、Oxford現代英英辞典で調べた意味を記載しますので、ご参考ください。

表現 Oxford現代英英辞典[9]での意味
specify to state something, especially by giving an exact measurement, time, exact instructions, etc. ~に定められる系の意味でのspecify provide

stipulateそしてprescribesynonym(同じ意味)と記載されています。

provide to state that something will or must happen
stipulate to state clearly and firmly that something must be done, or how it must be done
prescribe to say what should be done or how something should be done
state to formally write or say something especially in a careful and clear way
set forth to present something or make it know
define to describe or show something accurately
describe to say what something is like
list to write a list of things in a particular order

specify、provide、stipulate、prescribeは他と比較してよりフォーマルな場面で使用されるイメージが伺えますね。

 

英語の契約書は、以下にあるような「基本的な型」を押さえておくと、今よりもずっと読みやすくなりますので、以下も併せてお読みください。

英文契約を読むなら、まずはこの英文契約の基本的な表現と型を押さえましょう!

英文契約を読む際に、まずこれだけは押さえておくべき!という英文契約の基本的な型を構成する英単語は以下のようなものです。

shall 義務

shall not 禁止

may 権利

if, when, whereなど、「~の場合」を表す表現

unlessやexceptなど、「~でない限り」、「~を除いて」を表す表現

otherwise「別途」を表す表現

notwithstanding ~にかかわらず

regarding, in connection with, in respect ofなど「~に関して」を表す表現

to the extent ~の範囲で

pursuant to, in accordance withなどの「~に従って」を表す表現

provided inやspecified inなど、「~に定められている」を表す表現

however provided that 「ただし」を表す表現

herein/heretoやthereunder/thereofなど

これを覚えれば英文契約をずっと読みやすくなる!英単語レベル2

1.「契約を締結する」

2.契約締結日と発効日の違い

3.「~を履行する」

4.「費用を負担する」

5.例示列挙(非制限列挙)

6.事前の通知と事前の同意

7.「添付資料

8.英文契約でwhereとは?

9.「in which case/event」とは?

10.「契約の終了」

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