英文契約書で「~に定められている」「~に記載されている」とは?~補足~

      2022/05/23

 

今回は、前回の「第4回 「~に定められている、「~に記載されている」という表現」の補足をしたいと思います。

 

…written in~

 

「こんなに色々な表現を使うことが許されるなら、「~に書かれた」という意味になりそうな…written in~でもよいのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし、契約書中で「~に定められた系」として…written in~という表現が使用されているのを私はこれまでに一度も見たことがありません。それはなぜか?

 

実は …written in~は、「~に書かれた」という意味にはならないようなのです。といいますのも、ここで使用される“in”は、書く「方法」や「手段」を表すinとして使用されるもののようです。

 

つまり、…written in Englishであれば、「英語で書かれた…」という意味になり、…written in inkであれば、「インクで書かれた…」という意味になります。

 

したがって、「~に定められた系」の表現として、…written in~は使われないようです(「written in は「~に書かれた」という意味には絶対になりません!」と断言できなくて申し訳ありません)。

 

なお、writtenが契約書中に使用される場合としては、以下のようなものがあります。

written agreement 書面による合意

written consent 書面による同意

written notice 書面による通知

 

ご参考①~Oxford現代英英辞典[第9版]における各表現の意味~

 

以下に、「~に定められている」「~に記載されている」という意味を表すときに使う表現について、Oxford現代英英辞典で調べた意味を記載しますので、ご参考ください。

表現 Oxford現代英英辞典[9]での意味
specify to state something, especially by giving an exact measurement, time, exact instructions, etc. ~に定められる系の意味でのspecify provide

stipulateそしてprescribesynonym(同じ意味)と記載されています。

provide to state that something will or must happen
stipulate to state clearly and firmly that something must be done, or how it must be done
prescribe to say what should be done or how something should be done
state to formally write or say something especially in a careful and clear way
set forth to present something or make it know
define to describe or show something accurately
describe to say what something is like
list to write a list of things in a particular order

specify、provide、stipulate、prescribeは他と比較してよりフォーマルな場面で使用されるイメージが伺えますね。

英文契約の基本的な表現

Shall

 

~に定められている

 

「~に定められている」の補足

 

Notwithstanding

 

~を除いて、~でない限り

 

~に従って

 

~に関する

 

~の場合

 

Whereについて

 

~の範囲で

 

例示列挙の方法

 

事前の文書による同意と承認

 

契約締結日と発効日

 

LDとpenaltyの違い

 

Gross negligenceと結果の重大性

 

間接損害(indirect damage)と逸失利益(loss of profit)の違い

 

知らせる

 

Liquidated damages

 

Otherwise

 

~を被る

 

~を履行する

 

累積責任

 

~を補償する、免責する

 

Indemnifyとbe liableの違い

 

~を保証する(guarantee)

 

遅延利息

 

Warranty

 

排他的な

 

to one’s knowledge/to the knowledge of

 

Material adverse effect

 

Covenants

 

Representations and warranties

 

Notwithstandingと責任制限条項

 

Indemnifyとdefend

 

取締役・取締役会関係の単語

 

株主総会関係の単語

 

添付資料

 

連帯責任

 

下記の、上記の

 

一般条項(Notice)

 

一般条項(Term)

EPC契約のポイント(『英文EPC契約の実務』で解説している事項の一部です)

 

スコープオブワーク

 

EPC契約の契約金額の定め方と追加費用の扱い

 

コストプラスフィーの注意点

 

ボンドについて

 

前払金返還保証ボンド

 

履行保証ボンド

 

契約不適合責任ボンド

 

リテンションボンド

 

仕様変更

 

プラントの検収条件と効果

 

納期遅延①

納期遅延②

納期遅延③

納期遅延④

納期遅延LDの決め方(発電所建設の一例)

 

Time is of the Essenceとは?

 

性能未達LD

 

EPC契約における保険

 

責任制限①

責任制限②

 

対価をとりっぱぐれるリスクへの対処法

 

プロジェクトファイナンス

 

コンソーシアム契約

 

Delay Analysis関係

必要な立証の程度(balance of probabilities)

 

フロート

 

同時遅延

 

仕事関係

これから法律・契約について勉強し始める社会人が陥りやすい勘違い

 

英語はある日突然聞き取れるようになるのか?

 

会社は誰のものか?

 

司法試験に落ちた後の人生とは?

 

休日を楽しめない理由とは?

 

ピカソがその絵で伝えようとしたこと

 

メンター(教育係)に初めてなる人へ①

メンター(教育係)に初めてなる人へ②

 

自分の勝因は相手の敗因にある(日露戦争から学ぶ)

 

Subject toとポツダム宣言の受諾

どうして議論がまとまらないのか?

 

歴史の本の紹介

 - 英文契約の基本的な表現の習得