英文契約の基本的な表現 第25回 救済

      2017/06/21

第25回です!

 

今回は、「救済」という意味の表現をご紹介します。

 

契約は、当事者間の権利義務を中心に記載しております。特に、義務を中心に記載しております。

 

その義務に違反したときに、その相手方当事者が得られるもの、それが「救済」と呼ばれるものです。

 

この救済には、具体的にいかなるものがあるでしょうか。

 

一つは、損害賠償請求権です。

 

つまり、義務違反によって被った損害額分を補填するように請求する権利です。

 

次に、契約解除権です。

 

これ以上契約を継続していても、契約を締結した目的を果たせない場合に、違反した当事者の相手方に与えられる権利です。

 

この二つが代表的ですが、例えば、売買契約や請負契約において、ある製品に欠陥があった場合には、その欠陥を無償で修理・交換させることも救済の一つです。

 

また、これは非常に稀なケースですが、義務違反の行為を差し止めることを求める差し止め請求権も救済の一つです。

 

これは、秘密保持契約において、秘密情報を契約に違反して第三者に開示してしまう恐れがある場合や、実際に第三者に開示してしまった場合に認められることがあるものです。

 

このように、契約違反の場合には、

損害賠償請求権

解除権

瑕疵修補請求権

差止請求権

 

といったものが通常、義務違反をされた当事者には与えられます。

 

これらを一まとめにして言い表す表現が、「救済」です。

 

では、この「救済」は、英語ではどのように言うのか。

 

remedyです。

 

実は、このremedyという言葉自体は、英文契約書の中でそんなに頻繁に出てくるものではありません。

 

では、なぜ今回ご紹介させていただいたのかと言いますと、契約書をチェックするときは、常に、義務違反をした場合のremedyは何か?を意識していただきたいということをお伝えしたかったためです。

 

契約書は、当事者の義務を定めるものです。

 

その義務は、当然、果たされるべきものですが、残念ながら、守られない場合もあります。

 

そのような義務違反が生じた場合に、自社はいかなるremedyを得られるのか。また逆に、自社が義務違反をした場合に、いかなるremedyが相手方に与えられるのか。それを十分に認識した上で、契約を締結していただきたいと思います。

 

そうしないと、実際に義務違反が生じた場合に、「え?うちのremedyってこれだけ?」とか、「は?いくらうちに落ち度があると言っても、こんなremedyが相手に与えられるの?知らなかった!(些細な契約違反で契約を解除されてしまうとか)」といったことになってしまいかねません。

 

相手の義務違反の場合に、自社にとって必要十分なremedyが契約上・法律上与えられているのか?自社の義務違反の場合に、あまりにも不当なremedyが相手方当事者に与えられることになっていないか?これは、自社がいかなる義務を負うのか、相手方はいかなる義務を課されているのかを確認することと同じくらい、契約書のチェックの際には注意していただきたい点です。

お知らせ

無料メルマガ・ブログ活用目的にあったサイトマップ配信を開始しました!

右のサイドバーの中にある無料メルマガ申込をしていただいた方には、英文契約やその他の最新記事がブログにアップされたときにメールでお知らせ致します。

なお、無料メルマガにご登録いただいた方の中で、「全くの初歩から英文契約書を読めるようになるためにこのブログを使って勉強したい!活用したい!」と思っていただけている方には、ご参考として、このブログをどのように読み進めていくのを効率的かをまとめたものを無料で送付させていただきますので、サイドバーの無料メルマガ登録フォームの中の「ブログの活用目的」の欄に、「初歩から英文契約を学ぶため」と記載して申請してください。

それ以外の目的でこのブログを活用しようとされている方にも、その活用目的を教えていただければ、その目的に合ったブログ内の記事の読み進め方をまとめて無料で送付させていただきますので、同じく、サイドバーの無料メルマガ登録フォームの中の「ブログの活用目的」の欄に、その目的をご記入ください。

 

 

第1回 義務

第2回 権利

第3回 禁止

第4回 ~に定められている、~に記載されている

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足)

第6回 ~に従って

第7回 ~に関わらず

第8回 ~でない限り、~を除いて

第9回 provide

第10回 ~に関する

第11回 ~の場合

第12回 ~の範囲で、~である限り

第13回 契約を締結する

第14回 契約締結日と契約発効日

第15回 事前の文書による合意

第16回 ~を含むが、これに限らない

第17回 費用の負担

第18回 努力する義務

第19回 知らせる

第20回 責任

第21回 違反する

第22回 償還する

第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)

第24回 故意・重過失

第25回 救済

第26回 差止

第27回 otherwise

第28回 契約の終了

第29回 何かを相手に渡す、与える

第30回 due

 

英文契約書の基本的な表現 第31回 英文契約書における「瑕疵(defect)」が発見された場合の救済方法の表現

英文契約の基本的な表現 第32回 「~を被る」という表現

英文契約書の基本的な表現 第33回 「~を履行する」

英文契約の基本的な表現 第34回 果たす、満たす、達成する

英文契約の基本的な表現 第35回 累積責任

英文契約の基本的な表現 第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害についての表現

英文契約の基本的な表現 第37回 補償する・免責する

英文契約の基本的な表現 第38回 権利を侵害する

英文契約の基本的な表現 第39回 保証する (guarantee)

英文契約の基本的な表現 第40回 品質を保証する(warranty)

英文契約の基本的な表現 第41回 補償・保証債務の負担・品質の保証の表現のまとめ

英文契約の基本的な表現 第42回 「排他的な」という表現 その1

第43回 「排他的な」を表す表現 その2 他社と組まない

第44回 「排他的な」を表す表現 その3 唯一の責任・救済

英文契約の基本的な表現 第45回 売買・請負契約の保証に関する条文における「瑕疵がない」「仕様書に合致している」という表現

英文契約の基本的な表現 第46回 証明責任

 

 - 英文契約の基本的な表現の習得