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英文契約の基本的な表現 第41回 補償・保証債務の負担・品質の保証の表現のまとめ

      2018/11/23

今回は、第37回「補償」、第39回「保証債務を負うこと」、第40回「品質の保証」で扱った「ほしょう」関係の表現のまとめをします。

 

いちいち「まとめ」なんてしなくても、それぞれの解説を読むからいい!

 

・・・という方もいるかもしれませんが、もしかしたら、読みが同じの「ほしょう」に関して混乱してしまっている方もいるかもしれないので、一応まとめておきたいと思います。

 

1. 「ほしょう」の種類

 

これまで、「ほしょう」として以下の3種類の表現をご紹介しました。

 

(1)   補償:第三者が被った損害を一方当事者が賠償した分を他方当事者が負担すること→indemnity(名)

動詞はindemnify

 

この表現は、indemnity/hold harmless条項と呼ばれる条文で使われます。

 

そしてこのindemnity/hold harmless条項は、第三者の生命・身体・財産への侵害や、第三者の知的財産権の侵害が生じた場合に定められる条文です。

 

(2)   保証債務を負うこと→guarantee(名)

動詞もguarantee

 

この表現は、融資契約の際の主たる債務者の返済債務についての保証契約や、子会社が何らかの債務を保証すること、つまり親会社保証(parent guarantee)において使われます。

 

(3)   品質の保証:warranty(名)

動詞はwarrant

 

 

2. indemnity/hold harmless条項の一般的な形

 

この条項は一文が長くて読むのが面倒な条文ですが、以下のような形を概ね取っているので、まずはこれを覚えると読みやすくなるでしょう。

 

[主語]+[indemnify and hold harmless]+[補償される当事者(ここに、補償される当事者の役員や従業員、子会社等が列挙される場合もあります)]+[from and against]+[補償される事項]+[arising out of]+[損害を生じさせた原因となる事由]

 

例文:

The Seller shall indemnify and hold harmless the Purchaser from and against all damages, claims, losses, expenses, including without limitation, reasonable attorney’s fees, made against the Purchaser in respect of the death, human bodily injury or damage to any property arising out of the Seller’s performance of the obligation hereunder and due to the Seller’s negligence.

訳:売主は本契約に基づく売主の義務の履行から生じた生命、身体、その他の財産への侵害で、かつ、売主の過失に基づくものに関して買主に対して課せられた、合理的な弁護士費用を含むがこれに限らない全ての損害賠償額、損害賠償請求支払額、損失額、諸費用について、買主を補償し、免責する

 

 

3. warrantyの種類

 

warrantyには、「明示の保証」と「黙示の保証」があります。

 

明示の保証:express warranty

黙示の保証:implied warranty

 

さらに黙示の保証には、「特定目的適合性の黙示の保証」と「商品性の黙示の保証」があります。

 

特定目的適合性の黙示の保証:implied warranty of fitness for a particular purpose

商品性の黙示の保証:implied warranty of merchantability

 

契約書の保証条項では、売主・請負人は、明示の保証と黙示の保証をしないこと、代わりに契約書に定められている事項についてしか保証しない旨を明記するのが一般的です。そしてそれは、目立つように全て大文字で記載されます。これをdisclaim条項と呼びます。

 

 

4. その他

 

・第三者の知的財産権を侵害する条文の中で使われる「知的財産権の侵害」という場合の「侵害」はinfringementという表現です。この動詞はinfringeです(詳しくは第38回「権利を侵害する」をご参照)。

 

・保証期間は、warranty periodと表現するのが一般的です。

 

guaranteeは、最近では、「保証債務を負う場合」に限らず、「品質の保証」の場合にも使われることもあるようです(例えばENAAではそのように使われております)。

 

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目次

第1回 義務

第2回 権利

第3回 禁止

第4回 ~に定められている、~に記載されている

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足)

第6回 ~に従って

第7回 ~に関わらず

第8回 ~でない限り、~を除いて

第9回 provide

第10回 ~に関する

第11回 ~の場合

第12回 ~の範囲で、~である限り

第13回 契約を締結する

第14回 契約締結日と契約発効日

第15回 事前の文書による合意

第16回 ~を含むが、これに限らない

第17回 費用の負担

第18回 努力する義務

第19回 知らせる

第20回 責任

第21回 違反する

第22回 償還する

第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)

第24回 故意・重過失

第25回 救済

第26回 差止

第27回 otherwise

第28回 契約の終了

第29回 何かを相手に渡す、与える

第30回 due

英文契約書の基本的な表現 第31回 英文契約書における「瑕疵(defect)」が発見された場合の救済方法の表現

英文契約の基本的な表現 第32回 「~を被る」という表現

英文契約書の基本的な表現 第33回 「~を履行する」

英文契約の基本的な表現 第34回 果たす、満たす、達成する

英文契約の基本的な表現 第35回 累積責任

英文契約の基本的な表現 第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害についての表現

英文契約の基本的な表現 第37回 補償する・免責する

英文契約の基本的な表現 第38回 権利を侵害する

英文契約の基本的な表現 第39回 保証する (guarantee)

英文契約の基本的な表現 第40回 品質を保証する(warranty)

英文契約の基本的な表現 第41回 補償・保証債務の負担・品質の保証の表現のまとめ

英文契約の基本的な表現 第42回 「排他的な」という表現 その1

第43回 「排他的な」を表す表現 その2 他社と組まない

第44回 「排他的な」を表す表現 その3 唯一の責任・救済

英文契約の基本的な表現 第45回 売買・請負契約の保証に関する条文における「瑕疵がない」「仕様書に合致している」という表現

英文契約の基本的な表現 第46回 証明責任

 

 

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