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本郷塾で学ぶ英文契約

コストオーバーランの原因と対策

2023/08/02
 
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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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日系企業も海外企業も、時々、コストオーバーランに陥ります。

 

これは、今に始まったことではありません。

 

ずっと昔からコストオーバーランは起こっています。

 

例えば、オーストラリアにあるオペラハウス

 

これは世界遺産の中でも最も新しい建造物として有名です。オペラハウスにより、シドニーは有名になりました。

 

このオペラハウスも、建設開始時に想定していた金額の10倍以上の金額にまで費用が増えてしまったコストオーバーランだったのです。ちなみに、納期も当初の想定から10年以上も遅れてようやく完成しました。

 

最近では、東芝の子会社であったウェスチングハウスのコストオーバーランが注目を集めました。これにより、東芝は1兆円近い損失を被り、主力事業を売却しなければならない事態となりました。

 

では、このような世間を驚かせるような巨額損失の原因とは何なのでしょうか?

 

ケースバイケース。

 

確かにそうです。どの事例も全く同じではありません。

 

ただ、ある傾向があります。

 

それは、「初めての案件」であったことです。

 

ここでいう初めてとは、世界で初めてという意味ではなく、その企業にとって初めてったということです。それまで経験がない案件だったのです。

 

実際、ウェスチングハウスのコストオーバーランについて、東芝はホームページで次のように述べていました。

 

初めての案件で、ベンチマークがなかったことが原因である

 

また、ある日系の重工企業の社長も、自社が被ったコストオーバーランについて、次のように述べています。

 

本件は、初めての案件であった

 

そうです。「初めての案件」というのは、要注意なのです。

 

もっとも、なぜ、初めての案件は危ないのか。具体的に初めての要素がどのように影響したのか、という点はあまり知られていません。

 

この点について、『英文EPC契約の実務』では、その3において、実際にあった3つの事例を用い、「初めて」の案件で企業がどのような失敗に陥ったのかを解説しています。

 

また、「初めての案件」であるということの他に、コストオーバーランに陥らせる要素としては、「想定外の外部的事象」というものがあります。想定していなかったことが突発的に起こってしまったために、工程が乱される、ということです。

 

これについても、『英文EPC契約の実務』の中で、4章や章と章との間のコラムにおいて、日系企業や海外の企業が陥った事例を紹介しています。

 

ちなみに、「初めての案件」への対策は、契約文言というよりも、極めて実務的なものが必要となります。

 

一方、「想定外の外部的事象」への対策は、実務的な対策も重要ですが、契約上の手当も重要です。特に、外部的事象が生じた場合の契約上の定めの「運用」が大切になります。単に契約締結時に適切な条文を定めるだけでは足りないのです。その定められた条文をいかに使うか、が重要となります。

 

こういった点について、拙著『英文EPC契約の実務』では、プラント・インフラ・その他の建設業界に入ったばかりの人やまだ実務経験が浅い若手の方々にも理解できるように、丁寧に解説しております。

※ちなみに、このホームページにもコストオーバーランについていくつか記事を掲載しておりますが、『英文EPC契約の実務』に掲載されているのは、それらと異なる事例の検討です。

 

ぜひ、読んでみてください。

オペラハウスのコストオーバーランの原因

アレバ社のコストオーバーランの原因

EPC契約のポイントの目次

Scope of Work ボンドのon demand性を緩和する方法 プラントの検収条件と効果
サイトに関する情報 コントラクターによる仕事の開始時期(納期の起算点)は? 危険の移転時期とその例外
オーナーの義務 仕事の遂行 債務不履行
契約金額の定め方と追加費用の扱い 設計(design)の条文について① 納期延長の場合のコントラクターの責任① 納期延長になる場合
追加費用の負担について 設計(design)の条文について② 納期延長の場合のコントラクターの責任② LD/リキダメ
ボンドについて 仕様変更① 仕様変更とは? 納期延長の場合のコントラクターの責任③ 納期LDの上限
入札保証ボンド 仕様変更② クレーム手続きと仕様書に書かれていない事項 納期延長の場合のコントラクターの責任④ sole and exclusive remedy
前払金返還保証ボンド 仕様変更③ 納期延長と追加費用の金額が合意に至らない場合の扱い 納期延長の場合のコントラクターの責任⑤ 中間マイルストーンLD
履行保証ボンド プラントの試験① 性能未達の場合のコントラクターの責任① 性能保証と性能確認試験
瑕疵担保保証ボンド プラントの試験② 性能未達の場合のコントラクターの責任② 最低性能保証・性能LD
責任制限条項① Limitation of Liability/LOL 不可抗力の扱い③ Force Majeureの効果を得るための手続き 私がEPC契約で真っ先に確認する点③
責任制限条項② 適用される場合と適用されない場合 不可抗力の扱い④ Force Majeureが長期間継続した場合 LOIの何がリスクなのか?
瑕疵担保責任① 総論 法令変更について LOIへの対処法(対外的)
瑕疵担保責任② オーナーの通知義務とコントラクターのアクセス権 契約解除① なぜ解除の理由によって解除の効果が異なるのか? LOIへの対処法(社内的)
瑕疵担保責任③ 保証期間の延長 契約解除② オーナーの義務違反に基づくコントラクターによる契約解除 EPC契約における支払い条件
瑕疵担保責任④ Disclaim(免責)条項 契約解除③ オーナーの自己都合解除
作業中断権① 中断権の存在意義 契約解除④ コントラクターの債務不履行に基づくオーナーによる契約解除
作業中断権② 中断権行使の効果 契約解除⑤ 不可抗力事由が長期間継続した場合
不可抗力の扱い① Force Majeureとは何か? 私がEPC契約で真っ先に確認する点①
不可抗力の扱い② Force Majeureの効果 私がEPC契約で真っ先に確認する点②

英文EPC契約の実務』は、お陰様で出版から4度の増刷となっております。

この本は、

・重要事項についての英語の例文が多数掲載!

・難解な英文には、どこが主語でどこが動詞なのかなどがわかるように構造図がある!

・もちろん、解説もこのブログの記事よりも詳しい!

・EPCコントラクターが最も避けたい「コストオーバーランの原因と対策」について、日系企業が落ちいた事例を用いて解説!

・英文契約書の基本的な表現と型も併せて身につけることができる!

ぜひ、以下でEPC契約をマスターしましょう!

 

【私が勉強した原書(英語)の解説書】

残念ながら、EPC/建設契約についての日本語のよい解説書は出版されておりません。本当に勉強しようと思ったら、原書に頼るしかないのが現状です。

原書で勉強するのは大変だと思われるかもしれませんが、契約に関する知識だけでなく、英語の勉強にもなりますし、また、留学しなくても、英米法系の契約の考え方も自然と身につくという利点がありますので、取り組んでみる価値はあると思います。

EPC/建設契約の解説書 EPC/建設契約の解説書 納期延長・追加費用などのクレームレターの書き方
法学部出身ではない人に向けて、なるべく難解な単語を使わずに解説しようとしている本で、わかりやすいです。原書を初めて読む人はこの本からなら入りやすいと思います。 比較的高度な内容です。契約の専門家向けだと思います。使われている英単語も、左のものより難解なものが多いです。しかし、その分、内容は左の本よりも充実しています。左の本を読みこなした後で取り組んでみてはいかがでしょうか。 具体例(オーナーが仕様変更を求めるケース)を用いて、どのようにレターを書くべきか、どのような点に注意するべきかを学ぶことができます。実際にクレームレターを書くようになる前に、一度目を通しておくと、実務に入りやすくなると思います。
納期延長・追加費用のクレームを行うためのDelay Analysisについて解説書 海外(主に米国と英国)の建設契約に関する紛争案件における裁判例の解説書 英国におけるDelay Analysisに関する指針
クリティカル・パス、フロート、同時遅延の扱いに加え、複数のDelay Analysisの手法について例を用いて解説しています。 実例が200件掲載されています。実務でどのような判断が下されているのかがわかるので、勉強になります。 法律ではありません。英国で指針とされているものの解説です。この指針の内容は、様々な解説書で引用されていますので、一定の影響力をこの業界に及ぼしていると思われます。
Society of Construction Law Delay and Disruption Protocol

2nd edition February 2017

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