実務で必要なスキルを24時間どこにいても学べる!

本郷塾で学ぶ英文契約

英文契約でdueとは?

2023/07/22
 

youtubeで英文契約の頻出英単語の解説を始めました!よろしければ、チャンネル登録をよろしくお願いいたします!

こちらから!

11月26日(火)EPC契約の初心者に向けたオンラインセミナーを開催いたします!

セミナーの概要および申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。

この記事を書いている人 - WRITER -
英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
詳しいプロフィールはこちら

 

第30回です!(遂に30回まできました)

 

今回は、dueについてお話ししたいと思います。

 

dueという単語は、普段はあまり目にしないかもしれませんが、「デュー」という音を聞いて、これまでの業務で何か思い出すものはないでしょうか?

 

 

 

「デュー・デリジェンス」という言葉は聞いたことがないでしょうか?

 

企業買収取引等のM&Aの前に行われる、対象となる企業の資産の調査のことを「デューデリ」とか、DDと言ったりしますが、これは「デュー・デリジェンス」のことです。このデュー・デリジェンスの結果を踏まえて買収価格を決めていくことになります。

 

英語で書くと、due diligenceとなります。

 

ここでのdueの意味は、「正当な」といったところです。

 

おそらく、海外営業の方が目にするdueは、これとは違う意味であることが多いと思います。

 

以下、例文を2つ示します。

 

the Purchaser shall pay the Contractor any sum due under the Contract within the period specified in the Article 5 hereof.

 

訳:購入者は、本契約の第5条に定められた期間内に、本契約のもとで支払期日が到来した金額をコントラクターに支払わなければならない。

 

the due date

 

訳:支払期日

 

ここで使われているdueは、「支払い期日が到来した」という意味になります。

 

そして、この他にも、英文契約書でよく使われる上記2つの意味とは異なるdueがあります。

 

それは、「原因」を表すdueです。

 

以下、例文です。

 

The Purchaser shall reimburse to the Contractor any additional cost incurred by the Contractor due to the Purchaser’s failure to perform its obligation under this Contract.

 

訳:購入者は、本契約に基づく自己の義務の履行を懈怠したことによってコントラクターに生じさせた追加費用をコントラクターに償還しなければならない。

 

 

dueを見たときの注意点

 

一つの単語で3つも意味があるなんて、嫌な単語ですよね。

 

特に、以下のような英文が現れると、一瞬考えなくてはなりません。

 

The Purchaser shall pay the amount due to the Contractor in accordance with the payment schedule.

 

ここでのdueは、おそらく、「支払期日が到来した」という意味だと思われます。最後の方に、「支払スケジュールに従って」という表現があるので、おそらくそうだとわかります。しかし、「due to」とあるために、「due to the Contractor」と捉えて、「コントラクターに原因がある」という意味に一瞬考えてしまうかもしれませんが、英文全体を見ると、これは、「支払期日が到来した金額をコントラクターに支払わなければならない」という意味になると思います。

 

このように、一見、「due toだから、原因という意味か?」と思ってしまう形が、英文契約中に時々出てきます。私はその都度、「ん?どっちだ?」と一瞬迷わせられるので、このdueという単語があまり好きではありません。

 

そのため、私は自分が契約書をドラフトする際には、「原因」を表すためには、due toよりも、because ofを使うようにしています。そうすれば、dueという単語に遭遇したときに、上記のような迷いを持つことが、少なくとも自分のドラフトした契約書においては起きません(「細かいやっちゃな~」と思われそうですが・・・)。

 

この点、due toの方がbecause ofよりもフォーマルな表現であり、契約書には向いているのだろうと思いますが、because ofも英文契約書中で見かけます。

 

なお、due toの場合には、ネガティブな原因を表し、because ofの場合には、ネガティブでもポジティブでも両方表すために使われているようです。

 

 

今日のまとめ

 

dueを見たら、以下の意味のどれなのか、文脈から注意して判断しましょう!

 

  • 正当な

 

  • 支払期日が到来した

 

 

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© 本郷塾で学ぶ英文契約 , 2016 All Rights Reserved.