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本郷塾で学ぶ英文契約

関税を意味するduty、customs、tariffとtaxとの違い

2024/02/21
 

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海外ビジネスに関わっていると、ときどき、「関税」という用語を目にすることがあると思います。

この記事では、次の事項について解説します。

  • 「関税」を英語で表す、duty、customs、そしてtariffについて
  • taxと関税の違いは?
  • そもそも、「関税」とは何

 

「関税」を表す英語

「関税」を意味する表現として、次のようなものがあります。

  • duty
  • customs
  • tariff

 

例文:I had to pay duty on the watch I brought from India.

(私は、インドから持ち帰った時計の関税を支払わなければならなかった。)

 

次に、customsは、関税という意味でも使われますが、関税を徴収する役所である「税関」を意味することもあります。

 

また、tariff、関税という意味で使われますが、「税率」や「税率表」を意味することもあります。

 

そのためか、customsやtariffを用いて「関税」と表すときは、

customs dutyやtariff dutyと記載されることもあります。

 

ちなみに、customという単語があります。税関を意味するcustomsとはsがあるかないかの違いですが、これは、「習慣」とか「風習」という意味なので、注意しましょう。

関税とは?

関税とは、税金の一種です。

ある国が外国からある製品を輸入する場合に、輸入する国の税務署がその製品に課す税金です。

例えば、日本の企業がインドにいる買主に対してある製品を輸出するとします。

その製品をインドに入れる際に、関税をインドの税務署に納めることになります。

ちなみに、関税は、原則として、製品を外国から輸入する者(買主)が支払います。

 

taxとの違いは?

taxは税金という意味ですよね。

関税も税金には違いありませんが、通常、関税を示す際にtaxと表したりはしないようです。

つまり、taxは、下のように、関税以外の税金を指していることが多いです。

  • income tax→所得税
  • witholding income tax→源泉所得税
  • corporate tax→法人税

 

関税が課されることはビジネスでどういう意味をもつのか?

今、日本の企業が日本国内で100万円で販売している製品をアメリカに輸出する際に、アメリカで関税を課される場合を考えてみましょう。

 

この場合、アメリカの買主が製品を入手するために支払う金額はいくらになるでしょうか?

100万円?

いや、そうではないでしょう。

というのも、関税をかけられるからです。

 

今、仮に関税がX円かかるとすると、アメリカの買主は、この関税分と合わせて100万円+X円を負担することになります

つまり、アメリカの買主からしてみれば、100万円+X円で購入するのと同じです。

これにより、何が起こるかといいますと、その製品の競争力が落ちるんですね。

誰でも、なるべく安い金額で買いたいと思っていますが、関税をかけられると、その分だけ、その製品を手に入れるために必要となる金額が高くなるので、アメリカで製品が売れにくくなるのです。

その結果、アメリカ国内で作られ、そして売られている同種の製品の方が、日本の製品よりも売れやすくなるのです。

なぜなら、アメリカ国内で作られ、販売される製品には、関税はかからないので、アメリカの人々はその製品をより安く手に入れられる可能性があるからです。

 

関税をかけることの意味

外国から製品が入ってくる際、関税をかけることで、製品の買主がいる国では、税収が増えます

加えて、外国の安い製品が大量に入ってくることで自国の製品が売れなくなり、ひいては国内にあるその種の産業が深刻な打撃を受けるという事態を防ぐことができます。

海外に会社を設立して、そこで工場を建設して製品を製造・販売する理由

メーカーでは、ある製品を海外で販売したい場合に、製品を日本から輸出する方法ももちろん取られますが、海外に新しい会社を設立し、そこに工場を建設して、そこで製品を製造・販売することもよく行われます。

このようなことをする理由はいくつかありますが、その1つには、日本から外国への製品の販売の際には、買主は関税を納める必要がありますが、外国に工場を立てて、そこで製造・販売する際には、関税がかからないからその分安くなる、というものであることがあります。

こうすることで、関税がかからなくない分、買主にとって軽い負担でその製品を入手してもらうことができるようになる=その製品の競争力が高まるわけです。

目次
第1回 義務 第10回 ~に関する 第19回 知らせる
第2回 権利 第11回 ~の場合 第20回 責任
第3回 禁止 第12回 ~の範囲で、~である限り 第21回 違反する
第4回 ~に定められている、~に記載されている 第13回 契約を締結する  

第22回 償還する

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足) 第14回 契約締結日と契約発効日 第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)
第6回 ~に従って 第15回 事前の文書による合意 第24回 故意・重過失
第7回 ~に関わらず 第16回 ~を含むが、これに限らない 第25回 救済
第8回 ~でない限り、~を除いて 第17回 費用の負担 第26回 差止
第9回 provide 第18回 努力する義務 第27回 otherwise

 

 

第28回 契約の終了

第38回 権利を侵害する 第48回 遅延利息
 

第29回 何かを相手に渡す、与える

第39回 保証する 第49回 重大な違反
 

第30回 due

第40回 品質を保証する 第50回 ex-が付く表現
第31回 瑕疵が発見された場合の対応 第41回 補償・品質保証 第51回 添付資料
第32回 ~を被る 第42回 排他的な 第52回 連帯責任
第33回 ~を履行する 第43回 第53回 ~を代理して
第34回 果たす、満たす、達成する 第44回 第54回 下記の・上記の
第35回 累積責任 第45回 瑕疵がない、仕様書に合致している 第55回 強制執行力
第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害を表す表現 第46回 証明責任 第56回 in no event
第37回 補償・免責 第47回 indemnifyとliableの違い 第57回 for the avoidance of
 
第58回 無効な 第68回 representations and warranties
第59回 whereについて 第69回 material adverse effect
第60回 in which event, in which case 第70回 to the knowledge of
第61回 株主総会関係 第71回 GAAP
第62回 取締役・取締役会関係 第72回 covenants
第63回 indemnifyとdefendの違い
第64回 Notwithstandingと責任制限条項
第65回 M&Aの全体の流れ
第66回 conditions precedent
第67回 adjustment

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。
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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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