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「~を代理して」 英文契約の基本的な表現 第53回

      2018/05/06

今回は、「~を代理して」という表現をご紹介します。

 

代理とは?

 

まず、そもそも、「代理」とは、どういう意味なのでしょうか?

 

もしかすると、次のように答える方がいるかもしれません。

 

「代理」は、「代わりに」という意味。つまり、誰かの代わりに行為をするという意味。

 

これで、大体あっています。

 

しかし、法的な説明としては、やや足りないです。

 

契約書は、法的な拘束力を生じさせる文書なので、そこに定められている文言も、法的な観点から捉える必要があります。

 

「代理」は、「本人に代わって行為をなし、その行為の効果を本人に帰属させること」です。

 

具体例を使います。

 

今、あなたが私の代理として、私の取引先である会社Aと契約を締結しました。

 

具体的には、契約書に、捺印したわけです。

 

そこには、私の名前が書かれてあり、あなたは、そこに私の印を押しました

 

ここで、実際に契約書に印を押したのは、あなたです。

 

しかし、あなたが私の代理で行ったので、その契約書から生じる効果は私に及ぶのです。

 

つまり、契約書に定められている義務を果たさなければならないのは、あなたではなく、私です。

 

これが、「代理」です。

 

ポイントは、「実際に契約書を締結するという行為をしたのはあなたでも、その効果は私に生じる」という点です。

 

 

ここから言えることは何か?

 

信用できない人に広い代理権を与えると、恐ろしいことになる」ということです。

 

例えば、私があなたに、もう、「何をしてもよい権限」を与えたとします。

 

それは、あなたを信用し、代理権を与えても、私に多大な迷惑になるようなことはしないだろう、と信用したからです。

 

しかし、あなたは、「よっしゃ!これでなんでもしたい放題だ!なんといっても、効果は自分には帰属しなくて、全部本郷さんに及ぶんだから!」と思い、色々な契約書を締結しまくったとします。

 

すると、あなたが締結した契約書の効果は全て私に生じることになるのです。

 

これ、怖いですよね。

 

そのため、代理権を第三者に与える場合の注意点は、以下となります。

 

信用できない者(法人を含む)に代理権を与えない

信用できる者に代理権を与える場合でも、その代理権の範囲を書面で明確にする

 

つまり、「ある特定の行為をする代理権だけを与える」ようにするのです。そうすれば、それを超える行為を代理人がしたときは、「そんなの代理権の範囲外です。私は全く関係ありません」と言えるようになるわけです。

 

もっとも、仮にちゃんと代理権を限定的にしていても、代理権を不当な目的のために使おうとする人は、思わぬことをしてしまいかねません。その結果、本人にどのような影響が及ぶかもわかりません。なので、「そもそも信用できない人・法人にみだりに代理権を与えない!」ということが大事になります。

 

おそらく、みなさんの会社でも、会社を代理する権限を第三者に与える場合には、法務部門が、与える代理権の範囲をしっかりと書面で確認するという慎重な手続きが取られているはずです。それは、上記の様な理由からなのです。

 

 

「~を代理する」を表す表現

 

これは、on behalf of A、または、on one’s behalfと書きます。

 

例文

The Company A has no power to make and enter any contract on behalf of the Company B and to do anything to bind the Company B towards third party.

訳:会社Aは、会社Bを代理していかなる契約を締結する権限も、会社Bが第三者に対して法的に拘束されることになるいかなる行為をする権限も、持たない。

「添付資料」を表す表現 英文契約の基本的な表現 第51回

連帯責任~英文契約の基本的な表現 第52回~

「~を代理して」 英文契約の基本的な表現 第53回

「下記の」「上記の」という表現 英文契約の基本的な表現 第54回

「強制執行力」を表す表現 英文契約の基本的な表現 第55回

in no eventとunder no circumstances 英文契約の基本的な表現 第56回

for the avoidance of doubt 英文契約の基本的な表現 第57回

「無効な」 英文契約の基本的な表現 第58回

英文契約の基本的な表現 第59回~whereについて~

 

英文契約の基本的な表現 第60回 「, in which case」、「, in which event」

 

 - 英文契約の基本的な表現の習得