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英文契約書で、「~でない限り」、「~を除いて」とは?~原則を表す~

      2017/08/07

今回は、「~でない限り」「~を除いて」という表現についてご紹介させていただきたいと思います。

 

どんな場合に使われる表現か

ご存じの通り、契約書には、「当事者が守らなければならないルール」が定められています。

 

「守らなければならないルール」の内容は、具体的には、「当事者の権利義務」です。つまり、「当事者がいかなる場合に何をすることができるか」、または「何をしなければならないか」ということです。

 

そして、この当事者間の権利義務は、その「原則と例外」を定めている場合があります。

 

つまり、「原則として、買主はこれこれをすることができるけど、例外的に、それはできない」(「権利」の原則と例外)とか、「原則として、売主はこれこれをしなければならないけど、例外的に、こういう場合にはそれはしなくても許容される」(「義務」の原則と例外)といった感じです。

 

おそらく、「例外のない原則はない」という言葉を聞いたことのある人も多いと思いますが、まさにこれです。

 

原則的な扱いを定めつつも、その原則には例外的な扱いがありえることを示すための表現として、「~でない限り」と「~を除いて」という表現が使われます。

 

具体例

具体的には、以下のような感じです。

 

Unless otherwise stated in this agreement, all notices to be given under this agreement shall be in writing.

訳:この契約書で別途定められていない限り、この契約書に基づいて発行されるすべての通知は、書面でなされなければならない。

 

→つまり、原則として、通知は書面で作成されなければならないけれど、この契約書の中で、例えばある特定の通知について、「書面ではなくて口頭でよい」、と定められている場合には、例外的に、口頭で知らせてよい、という意味です。

 

Except as otherwise provided in this agreement, the contractor shall bear and pay all taxes and duties on the contractor.

訳:この契約書に別途定められている場合を除いて、請負人は、請負人に課されたあらゆる税金を負担し、支払わなければならない。

 

→つまり、原則として、請負人が請負人に課される税金を負担しますが、契約書の中で、例えばある特定の税金について、注文者が負担する、と記載されている場合には、例外的に、注文者がその税金を負担する、という意味です。

 

ここで、このunlessおよびexceptは、上記の例文にもあるように、otherwiseという表現とセットで使用されることが多いです。ここでのotherwiseは、「別途」という意味ですので、併せて覚えていただければと思います。

 

契約検討の際に注意するべき点

ところで、上記の例文を読んだときに、違和感を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

私は、Unless otherwise stated in this agreementやExcept as otherwise provided in this agreementといった表現を見ると、「結局、この契約書に、原則とは異なる例外的な定めがあるのか?あるとしたらどこにあるのか?」と思います。そして、「もし例外的な定めがあるのであれば、「別途定められている場合には~」なんて、書いてあるのかいないのかよくわからない定め方ではなくて、「具体的に○条に定められている場合を除いて~」と書いて欲しい」と思います。つまり、以下のように書いた方が明確になると思います。

 

Except as provided in the article 2 in this agreement, S+V.

訳:この契約書の第2条に定められている場合を除き、SはVである。

 

このように定められていれば、原則に対する例外は第2条に定められていることが明確になります。よって、第2条以外は、全て原則に従った扱いとなることが一目瞭然となります。

 

では、どうしてこのような定め方をしない場合があるのでしょうか?

 

この理由としては、契約書のドラフトを作成中に、作成者も、例外があるのかないのか分かっておらず、例外が0個かもしれなくても、書いている最中に例外をいくつか思いつくかもしれないので最初に書いておく、というようなことが考えられます。

 

または、例外的な扱いが定められているのが、一つの条文だけではなく、契約書中にいくつもあり、上記のように具体的に列挙することに手間がかかるためかもしれません。さらには、列挙する条文を間違えることを回避するためとも考えられます。

 

いずれにしても、契約書を読んでいて、このUnless otherwise stated in this agreementやExcept as otherwise provided in this agreementといった表現に出くわした際には、「原則的な扱いはここに書いてある通りなのはわかったけど、例外があるかもしれないのだな。あるとすればその例外はどの場合なのだろう?」という視点を持って契約書を読み進めていく必要があります(結果として、例外は定められていなかったという場合もあり得ます)。そうしないと、常に原則的な扱いとして処理されると思っていたら、実はある場合には例外的に異なる対応をしないといけなかった、という事態が生じかねません。

そして、この例外的扱いを定めている条文の探し方ですが、例えば、上記の一つ目の例文でいうと、通知の方法について、「書面が原則である」とされているので、例えば、「notice」という英単語で契約書を検索すれば、いくつかヒットすると思います。その中に、書面ではなく、「口頭でよい」といったことが定められている場合があることを確認できると思います。

 

また、二つ目の例文で言えば、税金の負担の原則的な扱いを定めているので、「tax」という英単語で検索をかけてみれば、いくつかヒットし、その中で、「注文者が負担する税金は~」といった表現がある条文を見つけることができると思います。

 

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第43回 「排他的な」を表す表現 その2 他社と組まない

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 - 英文契約の基本的な表現の習得