実務で必要なスキルを24時間どこにいても学べる!

本郷塾で学ぶ英文契約

英語の契約書の”notwithstanding”とは「~にもかかわらず」

2024/02/21
 

youtubeで英文契約の頻出英単語の解説を始めました!よろしければ、チャンネル登録をよろしくお願いいたします!

こちらから!

11月26日(火)EPC契約の初心者に向けたオンラインセミナーを開催いたします!

セミナーの概要および申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。

この記事を書いている人 - WRITER -
英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
詳しいプロフィールはこちら

今回は、「notwithstanding」という英単語についてご紹介させていただきたいと思います。

これは、「~にもかかわらず」という意味です。

この記事では、この表現の使い方と、類義語について例文を用いて解説いたします!

 

notwithstanding

この単語は、英語の契約書中では以下のように使用されます。

 

Notwithstanding anything provided in this agreement, this indemnity clause shall apply.

訳:この契約に定められているいかなる規定にも関わらず、この免責条項は適用されるものとする。

 

Notwithstanding anything to the contrary in this agreement, the aggregate liability of the Supplier to the Purchaser shall not exceed the contract price of this agreement.

訳:この契約に矛盾するいかなる規定にも関わらず、供給者の購買者に対する累積責任は、この契約の契約金額を超えない。

 

Notwithstanding the foregoing, the Purchaser shall bear and promptly pay all customs and import duties imposed by the law.

訳:上述にも関わらず、購入者は、法律によって課される全ての関税および輸入税を負担し、直ちに支払うものとする。

notwithstandingの使い方

契約書には、様々なことが記載されます。中には、一見すると、「あれ?ここの条文って、別のところに定められているあの条文の内容と矛盾するんじゃない?」と思えるような場合もあります。

 

そのような場合に、「この契約の別の箇所に違うことが書いてあったとしても、それにも関わらず、ここに定めたように扱います」ということを明確にするために、このnotwithstandingが使用されます

 

よって、ある条文を読んだ際に、自社にとって何か有利になるような記載があったとしても、別の箇所で、このnotwithstandingという表現のもとで、ある特定の場合には、自社にとって不利に扱われることが記載されている可能性もありますので注意が必要です。

 

具体的には、契約文言のチェックの最後には、特にこの「notwithstanding」という表現について、ワードの検索機能を利用してチェックして、「Notwithstanding anything provided in this agreement」といった表現の後に続く条文中に、自社にとって受け入れがたい、何か不利なことが記載されていないかを確認するようにするとよいと思います。

同様の意味を持つ単語

ちなみに、このnotwithstandingと同様の意味を持つものとして、以下のような表現もありますので合わせて覚えていただければと思います(英英辞典でも、これらは同じ意味であるとされております)。

 

  • regardless of

regardless of Section2(第2条の定めにかかわらず

  • despite

despite any consent or approval under this Clause(本条に基づく承認にもかかわらず

  • irrespective of

irrespective of Article 6.1 of this Agreement(本契約の第6条第1項にかかわらず

  • nevertheless
  • nonetheless
  • in spite of

 

なお、このNotwithstandingは、責任制限条項(limitation of liability)との関係で注意すべき点があります。

それは、以下の記事に記載しましたので、ぜひお読みください!

Notwithstandingと責任制限条項の重要な関係

英文契約を読むなら、まずはこの英文契約の基本的な表現と型を押さえましょう!

英文契約を読む際に、まずこれだけは押さえておくべき!という英文契約の基本的な型を構成する英単語は以下のようなものです。

hereto/hereof/herein/hereinafterやthereof/thereby/thereafterなど

shall 義務

shall not 禁止

may 権利

if, when, whereなど、「~の場合」を表す表現

unlessやexceptなど、「~でない限り」、「~を除いて」を表す表現

otherwise「別途」を表す表現

notwithstanding ~にかかわらず

regarding, in connection with, in respect ofなど「~に関して」を表す表現

to the extent ~の範囲で

pursuant to, in accordance withなどの「~に従って」を表す表現

provided inやspecified inなど、「~に定められている」を表す表現

however provided that 「ただし」を表す表現

これを覚えれば英文契約をずっと読みやすくなる!英単語レベル2

1.「契約を締結する」

2.契約締結日と発効日の違い

3.「~を履行する」

4.「費用を負担する」

5.例示列挙(非制限列挙)

6.事前の通知と事前の同意

7.「添付資料

8.英文契約でwhereとは?

9.「in which case/event」とは?

10.「契約の終了」

はじめて契約書を修正する人が知っておくと便利なこと

契約書の修正は、どんな場合にするの?修正理由はどう書けばいい?

そんなお悩みを解決するのがこちらの記事です。→「はじめて契約書の修正をする際に知っておきたいこと

目次
第1回 義務 第10回 ~に関する 第19回 知らせる
第2回 権利 第11回 ~の場合 第20回 責任
第3回 禁止 第12回 ~の範囲で、~である限り 第21回 違反する
第4回 ~に定められている、~に記載されている 第13回 契約を締結する  

第22回 償還する

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足) 第14回 契約締結日と契約発効日 第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)
第6回 ~に従って 第15回 事前の文書による合意 第24回 故意・重過失
第7回 ~に関わらず 第16回 ~を含むが、これに限らない 第25回 救済
第8回 ~でない限り、~を除いて 第17回 費用の負担 第26回 差止
第9回 provide 第18回 努力する義務 第27回 otherwise

 

 

第28回 契約の終了

第38回 権利を侵害する 第48回 遅延利息
 

第29回 何かを相手に渡す、与える

第39回 保証する 第49回 重大な違反
 

第30回 due

第40回 品質を保証する 第50回 ex-が付く表現
第31回 瑕疵が発見された場合の対応 第41回 補償・品質保証 第51回 添付資料
第32回 ~を被る 第42回 排他的な 第52回 連帯責任
第33回 ~を履行する 第43回 第53回 ~を代理して
第34回 果たす、満たす、達成する 第44回 第54回 下記の・上記の
第35回 累積責任 第45回 瑕疵がない、仕様書に合致している 第55回 強制執行力
第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害を表す表現 第46回 証明責任 第56回 in no event
第37回 補償・免責 第47回 indemnifyとliableの違い 第57回 for the avoidance of
 
第58回 無効な 第68回 representations and warranties
第59回 whereについて 第69回 material adverse effect
第60回 in which event, in which case 第70回 to the knowledge of
第61回 株主総会関係 第71回 GAAP
第62回 取締役・取締役会関係 第72回 covenants
第63回 indemnifyとdefendの違い
第64回 Notwithstandingと責任制限条項
第65回 M&Aの全体の流れ
第66回 conditions precedent
第67回 adjustment

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。
この記事を書いている人 - WRITER -
英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
詳しいプロフィールはこちら

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© 本郷塾で学ぶ英文契約 , 2016 All Rights Reserved.