英文契約の基本的な表現 第60回 「, in which case」、「, in which event」

      2018/05/06

今回は、whichの中でも、「~, in which case・・・」 または「~, in which event・・・」という形で使われる場合について解説します。

 

whichと言えば、「どの?」という意味の疑問詞とか、「~する物、事」といった意味になる関係代名詞を真っ先に思い浮かべる人も多いかと思います。

 

「~, in which case・・・」 または「~, in which event・・・」の形が英文契約の条文の中に出てくると、疑問詞ではないことはすぐにわかると思います。

 

そこで、「~する物、事」といった意味になる「関係代名詞」か?と思って英文の意味を捉えようとしてみます。例えば、以下の条文です。

 

The Receiving Party may disclose the Confidential Information to its subcontractor, in which case the Receiving Party shall obtain from such subcontractor an undertaking of confidentiality similar to that imposed on the Receiving Party under this Non-Disclosure Agreement.

 

でも、うまく英文の意味を掴むことができないですよね?

 

実は、ここの「~, in which case・・・」は、「その場合には」といった意味になります。

 

つまり、in which caseの前にある文章を受けて、「その場合には、どうなるのか・・・」という感じで文章が続きます。

 

上記の例文では、「受領当事者は、秘密情報をその下請けに開示することができる。」そして、「その場合には、受領当事者がかかる下請けから、この秘密保持契約に基づいて受領当事者が課されているのと同程度の秘密保持義務を負う旨の約束を得なければならない。」となります。

 

このような使われ方をする場合を、関係代名詞の中でも、「関係形容詞」というようです。おそらく、whichの後にくる名詞(ここでは「case」)を修飾するためでしょう。

 

もう一つ例文です。

 

The Supplier shall rectify any defect in the Product at its cost, unless the defect is based on incorrect data provided in writing by the Purchaser, in which event the Purchaser shall bear the expense of rectifying the same.

 

これは、まず、「The Supplier shall rectify any defect in the Product at its cost」で「売主(供給者)は、製品の欠陥を自己の費用で修理しなければならない。」という原則的扱いを定めており、unless以下で、「瑕疵が買主によって書面で提供された誤ったデータに基づくものでない限り」という例外的扱いを定めています。そして、その例外的扱いに該当する場合には(これがin which eventで表されています)、「買主がその欠陥を修理する費用を負わなければならない」となります。

 

「, in which case」「, in which event」が出てきたら、上記の様に前の英文を受けて「~の場合には・・・」となることを思い出して英文を読んでみてください。

「添付資料」を表す表現 英文契約の基本的な表現 第51回

連帯責任~英文契約の基本的な表現 第52回~

「~を代理して」 英文契約の基本的な表現 第53回

「下記の」「上記の」という表現 英文契約の基本的な表現 第54回

「強制執行力」を表す表現 英文契約の基本的な表現 第55回

in no eventとunder no circumstances 英文契約の基本的な表現 第56回

for the avoidance of doubt 英文契約の基本的な表現 第57回

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英文契約の基本的な表現 第59回~whereについて~

 

英文契約の基本的な表現 第60回 「, in which case」、「, in which event」

 

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