英文契約書で「禁止」とは?

      2019/11/16

 

英文契約書中で「禁止」はshall not

 

今回は、「禁止」を表す表現をご紹介します。

 

「禁止」とは、つまり、「してはいけない」という表現です。

 

中学校の時、「してはいけない」は、must notと習ったのではないでしょうか。

 

しかし、英文契約書では、「してはいけない」は、shall notで表すのが一般的です。

 

shallは、「義務」を表す表現でしたよね。

 

それの否定形で、「してはいけない」=「禁止」となります。

 

以下に例文を書きます。

 

The Seller shall not disclose the confidential information provided from the Purchase to any third party without the Purchaser’s prior written consent.

訳:売主は、買主から提供された秘密情報を、買主の事前の書面による同意なくして、第三者に開示してはならない。

 

 

「してはいけない」と「する義務はない」の違い

 

ここで、私が英文契約書中で時々見かける間違いは、「してはいけない」ではなく、「する必要がない」とか、「する義務がない」という条文を書くべきところで、このshall notを使ってしまうものです。

 

「してはいけない」と「する義務がない」は、似ているようですが、意味はかなり違いますよね。

 

「してはいけない」は、もしもそれをしてしまったら、契約違反になることです。

 

一方、「する義務はない」は、「してもいいけど、しなくてもいいんだよ」という意味です。「してもいい」というのがポイントです。仮にしたとしても、契約違反にはなりません。

 

では、この「する義務はない」は、どのような表現が使われるのでしょうか?

 

be not required to do

be not obliged to do

といった表現です。

 

これまでのまとめ

 

義務:shall

権利:be entitled toまたはmay

義務がない:be not required to doまたはbe not obliged to to

物理的に可能なこと:can

無生物のものの義務:must

 

覚えていただけましたでしょうか?

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。

 

目次
第1回 義務 第10回 ~に関する 第19回 知らせる
第2回 権利 第11回 ~の場合 第20回 責任
第3回 禁止 第12回 ~の範囲で、~である限り 第21回 違反する
第4回 ~に定められている、~に記載されている 第13回 契約を締結する  

第22回 償還する

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足) 第14回 契約締結日と契約発効日 第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)
第6回 ~に従って 第15回 事前の文書による合意 第24回 故意・重過失
第7回 ~に関わらず 第16回 ~を含むが、これに限らない 第25回 救済
第8回 ~でない限り、~を除いて 第17回 費用の負担 第26回 差止
第9回 provide 第18回 努力する義務 第27回 otherwise

 

 

第28回 契約の終了

第38回 権利を侵害する 第48回 遅延利息
 

第29回 何かを相手に渡す、与える

第39回 保証する 第49回 重大な違反
 

第30回 due

第40回 品質を保証する 第50回 ex-が付く表現
第31回 瑕疵が発見された場合の対応 第41回 補償・品質保証 第51回 添付資料
第32回 ~を被る 第42回 排他的な 第52回 連帯責任
第33回 ~を履行する 第43回 第53回 ~を代理して
第34回 果たす、満たす、達成する 第44回 第54回 下記の・上記の
第35回 累積責任 第45回 瑕疵がない、仕様書に合致している 第55回 強制執行力
第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害を表す表現 第46回 証明責任 第56回 in no event
第37回 補償・免責 第47回 indemnifyとliableの違い 第57回 for the avoidance of
第58回 無効な
第59回 whereについて
第60回 in which event, in which case
第61回 株主総会関係
第62回 取締役・取締役会関係

 

 - 英文契約の基本的な表現の習得