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英語の契約書で「契約締結日」と「契約発効日」の違いは何?

2024/12/05
 
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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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「契約締結日」と「契約発効日」の違いはご存知でしょうか?

 

「え、どちらも同じじゃないの?」

 

こう思われた方もいらっしゃいますよね。実は、この二つは異なる概念なのです。

 

ここでは、「契約締結日」と「契約発効日」の違いをわかりやすく解説いたします!

なお、このトピックの動画解説をご覧になりたい方は、こちらのyoutubeチャンネルでご覧ください。

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契約締結日とは?

まず、「契約締結日」とは、「契約が締結された日」のことです。

 

ここで、「契約が締結された日」とは、「契約の当事者間の意思の合致がなされた日」を意味します。

それは契約書に両当事者の署名がなされた時点です。

片方の当事者だけが署名した日ではなく、両方の当事者の署名がそろった時に、両当事者の意思が合致したことになります。

 

この契約締結日を英語では、次のように書きます。

 

“the date of this agreement”

 

日本語に直訳すると、「本契約の日」となりますが、これが、「契約締結日」を意味します。

 

契約発効日とは?

では、「契約発効日」とは何でしょうか。

これは、「契約が発効する日」、つまり、「契約に定められている内容が効力を持つ日」です。

 

これは、「契約書に定められている内容に従って当事者が権利を行使でき、または義務を履行しなければならなくなる日」を意味します。

 

この点、契約が締結された場合、契約発効日についての特段の定めがない場合には、契約締結日から契約は発効します。

つまり、契約締結日=契約発効日となります。

 

しかし、契約書の中に、契約の発効に関する次のような条文が定められている場合があります。

 

この契約書は、○年○月○日に発効するものとする。

 

このような定めがある場合には、契約書に両当事者による署名がなされたのがこれとは別の日であっても、契約発効日は上記の○年○月○日となります。


ちなみに、この契約発効日は、契約締結日よりも後にすることも、前にすることもできます

契約締結日と契約発効日を異なる日にする条文の例

契約発効日を締結日よりも遡らせる場合の英文は、次のように書くことができます。

これは実務で使う場面が割とあると思いますので、覚えておくと便利でしょう。

 

This Agreement shall become effective retroactively as of [month date, year] and continue for a period of two (2) year.

訳:この契約は、[○年△月□日]に遡って有効となり、そして2年間有効とする。

 

さらに、契約書の一部分の発効を契約締結日とは異なるようにする、ということもできます。

 

例えば、以下のような条文です。

 

「この契約書の第○条および第△条は、○年○月○日から効力を有するものとする。」

 

といった感じです。

 

こう定めておくと、この契約書中の第○条と第△条以外の条文は、契約締結日から効力を持ちます。しかし、第○条と第△条は○年○月○日から効力を有することになります。

 

そして、契約が発効するのを、「ある特定の日付」とする方法以外にも、「ある条件が満たされた場合」とする方法もあります。例えば、以下のような条文が考えられます。

 

「この契約は、以下の条件が満たされた場合に限り、発効するものとする。

(1)   甲が○○すること

(2)   乙が△△すること」

 

このように定められている場合には、(1)および(2)の両方が満たされた場合に初めてこの契約書は効力を持つことになります。

 

なお、英語では次のように書くことができます。

 

The Parties agree it is a condition precedent to the effectiveness of this Contract that the following conditions are satisfied:

(1) AAA;and

(2) BBB.

訳:本契約の当事者は、以下の条件が満たされることがこの契約が有効となる停止条件であることに合意する。以下の条件とは、(1)AAA、および(2)BBBである。

契約発効日と契約締結日の英語の表現

なお、「契約発効日」は、英語では次のように書きます。

 

the effective date of this agreement

 

契約締結日(the date of this agreement)と契約発効日(the effective date of this agreement)とでは、”effective”という文言の有無が違いとなります。

 

ちなみに、契約書の冒頭の以下の記載中の日付は、「契約締結日」を意味します。

 

This Agreement is made and entered into the 25th day of July, 2016 by and between Company A, a corporation duly organized and existing under the laws of Japan, having its principal place of business at [住所] and Company B, a corporation duly organized and existing under the laws of India, having its principal place of business at [住所].

 

これは、「冒頭に書いてある日付は契約締結日になる」という意味ではなく、日付の記載の前に、”make and entered into”という「契約を締結する」を意味する文言があるので、この文書が、「この契約は、2016年7月25日にカンパニーAおよびカンパニーBとの間で締結される」という意味になるためです。

 

以上から、契約締結日と契約発効日の違いを理解していただけたかと思いますが、契約書をチェックする際には、契約締結日=契約発効日なのか、そうでない場合、契約が発効するのはいつから、そしてどのような条件が満たされた場合なのか、と意識して読むようにし、契約締結後になってから、実はまだ契約は発効していなくて、思ったような義務の履行を相手にしてもらえなくて困る、といったことにならないようにしましょう。

英語の契約書をスラスラ読めるようになるために必要となる基本的かつ特に重要な表現を下にまとめましたので、そちらもご参考ください!

これを覚えれば英文契約をずっと読みやすくなる!英単語レベル2

1.「契約を締結する」

2.契約締結日と発効日の違い

3.「~を履行する」

4.「費用を負担する」

5.例示列挙(非制限列挙)

6.事前の通知と事前の同意

7.「添付資料

8.英文契約でwhereとは?

9.「in which case/event」とは?

10.「契約の終了」

英文契約を読むなら、まずはこの英文契約の基本的な表現と型を押さえましょう!レベル1

英文契約を読む際に、まずこれだけは押さえておくべき!という英文契約の基本的な型を構成する英単語は以下のようなものです。

hereto/herein/hereunderやthereof/thereafterなど

shall 義務

shall not 禁止

may 権利

if, when, whereなど、「~の場合」を表す表現

unlessやexceptなど、「~でない限り」、「~を除いて」を表す表現

otherwise「別途」を表す表現

notwithstanding ~にかかわらず

regarding, in connection with, in respect ofなど「~に関して」を表す表現

to the extent ~の範囲で

pursuant to, in accordance withなどの「~に従って」を表す表現

provided inやspecified inなど、「~に定められている」を表す表現

however provided that 「ただし」を表す表現

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。
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