EPC契約におけるプラントが建設される流れ
プラントが建設される流れ
EPC契約は、コントラクターの義務がたくさん定められておりますが、まずは、流れを把握することが重要です。
以下に、一般的なプラントが完成するまでの流れを示します。
契約当事者の義務や責任などの個別の議論は、この流れの中のどこの議論なのか、という意識をもってみると、理解しやすくなります。
応札
入札保証ボンドの差し入れ
↓
受注
↓
EPC契約締結
↓
履行保証ボンドの差し入れ
入札保証ボンドの返還
↓
前払金返還保証ボンドの差入れ
前払金の支払い
↓
図書作成・承認
↓
材料調達・機器製造
↓
中間支払
↓
製造した機器・建設用機器をサイトに輸送
↓
製造した機器・建設用機器をサイトに搬入
↓
サイトにて建設開始
↓
Pre-Commissioning
↓
Commissioning
↓
性能試験
↓
検収
納期LDからの解放
リスクの移転
履行保証ボンドの返還
契約不適合責任ボンドの差し入れ
↓
保証期間開始
↓
商業運転開始
↓
不適合が発見されれば修理・交換
↓
保証期間満了
契約不適合責任ボンドの返還
コントラクターの義務完了
なお、上記の流れの中で出てくる事項の中で、プランt・建設業界の新入社員・若手の方々、そしてこの業界に転職されたばかりの方々が早めに抑えておくべき重要事項、そしてEPC契約書をチェックする際に持つべき視点などは、本郷塾のオンラインセミナーの中の『EPC契約の基礎』で解説しております。
『英文EPC契約の実務』は、お陰様で出版から6度の増刷となっております。
この本は、
・重要事項についての英語の例文が多数掲載!
・難解な英文には、どこが主語でどこが動詞なのかなどがわかるように構造図がある!
・もちろん、解説もこのブログの記事よりも詳しい!
・EPCコントラクターが最も避けたい「コストオーバーランの原因と対策」について、日系企業が落ちいた事例を用いて解説!
・英文契約書の基本的な表現と型も併せて身につけることができる!
ぜひ、以下でEPC契約をマスターしましょう!
EPC契約のポイントの目次
【私が勉強した原書(英語)の解説書】
残念ながら、EPC/建設契約についての日本語のよい解説書は出版されておりません。本当に勉強しようと思ったら、原書に頼るしかないのが現状です。
原書で勉強するのは大変だと思われるかもしれませんが、契約に関する知識だけでなく、英語の勉強にもなりますし、また、留学しなくても、英米法系の契約の考え方も自然と身につくという利点がありますので、取り組んでみる価値はあると思います。
EPC/建設契約の解説書 | EPC/建設契約の解説書 | 納期延長・追加費用などのクレームレターの書き方 |
法学部出身ではない人に向けて、なるべく難解な単語を使わずに解説しようとしている本で、わかりやすいです。原書を初めて読む人はこの本からなら入りやすいと思います。 | 比較的高度な内容です。契約の専門家向けだと思います。使われている英単語も、左のものより難解なものが多いです。しかし、その分、内容は左の本よりも充実しています。左の本を読みこなした後で取り組んでみてはいかがでしょうか。 | 具体例(オーナーが仕様変更を求めるケース)を用いて、どのようにレターを書くべきか、どのような点に注意するべきかを学ぶことができます。実際にクレームレターを書くようになる前に、一度目を通しておくと、実務に入りやすくなると思います。 |
納期延長・追加費用のクレームを行うためのDelay Analysisについて解説書 | 海外(主に米国と英国)の建設契約に関する紛争案件における裁判例の解説書 | 英国におけるDelay Analysisに関する指針 |
クリティカル・パス、フロート、同時遅延の扱いに加え、複数のDelay Analysisの手法について例を用いて解説しています。 | 実例が200件掲載されています。実務でどのような判断が下されているのかがわかるので、勉強になります。 | 法律ではありません。英国で指針とされているものの解説です。この指針の内容は、様々な解説書で引用されていますので、一定の影響力をこの業界に及ぼしていると思われます。 |
Society of Construction Law Delay and Disruption Protocol
2nd edition February 2017 |