Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

契約金額の条文で気を付けるべきことは? 売買・製造物供給契約の検討方法③

      2018/05/06

 

今回は、売買契約における対価についての条文についてお話しします。

 

「対価なんて、金額があっているかどうかチェックだけだろ?そんなの間違いようがない!」

 

こう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

でも、本当にそうですか?

 

では、試しに、「直近で海外の企業と取引をした契約の契約金額」を思い出してみてください。

 

 

 

 

 

・・・思い出しましたか?では、質問します。

 

  • その契約金額には、買主の国の港まで製品を届けるための輸送費用は含まれていますか?

 

  • また、製品の輸送について保険を付したと思いますが、その保険料分は含まれていますか?

 

  • そして、その製品について何らかの税金が課せられた場合、その税金は買主が負担するのでしょうか?それとも、あなたの会社が負担する、つまり、契約金額にそれが含まれているという扱いでしょうか?

 

  • さらに、もしも契約締結後、製品を製造するまでの間に、製品を作るために必要になる資材や労務費が高騰した場合には、その高騰した分の費用を買主に負担してもらえるのでしょうか?

 

  • ちなみに、もしかして、製品の対価を思い浮かべたとき、通貨を円とした方もいるかもしれませんが、相手方が支払うのは本当に「円」ですか?「米ドル」などの他の通貨ではなかったですか?

 

上記の事項がはっきりしていないと、その取引で実際にあなたの会社に入る金額が全然違ったものになってきてしまいますよね。

 

よって、上記に列挙したような事項が、契約書に明記されていなければならないのです。いや、そもそも、それらは契約締結前に、相手方当事者間と十分に議論されて合意されていなければいけません

 

そうしないと、いざ契約書を作成する段階で、「あれ?輸送費はどうするんだ?」とか、「保険料を負担するのはどっちだっけ?」なんてことになり、再度相手方とその点について協議をしないといけないことになります。これでは、契約締結までに余計な時間がかかってしまいます。

 

 

対価についての条文

 

では、対価について定める条文の例を見てみましょう。

 

「買主が製品に支払う対価は、C.I.F. San Francisco, USAの条件でX米ドルとする。

 

本契約で別途明記されていない限り、価格と貿易条件「C.I.F.」については、2010年版のインコタームズ(改訂された場合は改訂版)に従って解釈するものとする。

 

本契約に定められた対価は確定的かつ最終のものとする。材料費、労務費、運賃もしくは保険料の変化、または租税もしくは関税の増税、または新規の租税もしくは関税の賦課によって生じる売主のコストの変化を理由にする対価の調整はなされないものとする。

 

船積国または原産地において、製品に対して租税、輸出関税、手数料、銀行手数料またはその他の料金が発生した場合、それらは全て売主が負担するものとする。」

 

上記の条文によると、まず、「X米ドル」との記載から、対価は米ドルであることがわかります。

 

また、買主の国の港までの輸送費と保険料は売主が負担することがわかります。これは、貿易条件を定めるインコタームズである「C.I.F. San Francisco, USA」という記載からわかります(※インコタームズについての詳しい説明は、別の回で行います)。

 

次に、製品について生じる税金については、「全て売主が負担する」とありますので、これも契約金額に含まれていることになります。

 

さらに、資材等が高騰した場合でも、その分の「調整は行われない」と定められていますので、売主は対価に加えて、材料費等の高騰分を買主に対して請求することができないことがわかります。

 

 

というわけで、繰り返しになりますが、取引先から契約書が送付されてきて、対価についての条文をチェックする際には、単に対価の数字をチェックすればよいのではなく

  • 輸送費
  • 保険料
  • 税金
  • 通貨
  • 資材・労務費等が高騰した場合の扱い

についてどうなっているのか?という観点で見る必要があります。

 

そして、契約締結前の協議の段階では、上記の事項について相手方と話をつけてくる必要があります。

 

 

対価についての英語の条文の例

 

ご参考に、英文の売買契約における対価の条文の例を記載します。

 

The contract price of the Product is U.S.$X C.I.F. San Francisco, USA.

 

Unless otherwise expressly provided herein, the price and trade terms “C.I.F” is interpreted in accordance with INCOTERMS 2010, as amended.

 

The contract price of the Product as set forth in this Agreement shall be firm and final and not be subject to any adjustment due to a change in the Seller’s cost which might occur due to any change in material or labor cost, freight rate or insurance premium, or any increase in tax or duty or imposition of any new tax or duty.

 

The Seller shall bear all taxes, export duties, fees, bank charges, or any other charges incurred on the Product arising in the country of shipment or origin.

仕様については完全な理解を目指そう! 売買・製造物供給契約の検討方法②

契約金額の条文で気を付けるべきことは? 売買・製造物供給契約の検討方法③

FOBやCIFはコンテナ輸送には不向き! 売買・製造物供給契約の検討方法④

試験・検収に関する条文はこんなに重要! 売買・製造物供給契約の検討方法⑤

 

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村

 - 海外企業との売買契約・製造物供給契約の検討方法