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本郷塾で学ぶ英文契約

仕様については完全な理解を目指そう!

2024/01/05
 
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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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「売主が仕様に合致した製品を用意する段階」の条文

 

売買契約を締結後、真っ先に生じるイベントは、売主が買主に引き渡すべき製品を出荷のために準備することでしょう。

 

この段階についての条文は、概ね以下のように定められています。

 

「本契約の条件に従って、売主は、添付に定める仕様書に合致する製品を買主に売り渡し、引き渡すことに同意し、買主は、これを売主から買い受け、引き渡しを受けることに同意する。」

 

この種の条文は、売買契約では、第1条の定義条項の次、つまり、第2条に定められていることが多いです。

 

そしてこの条文の一番のポイントは、下線部分の「添付に定める仕様書に合致する製品」という箇所です。

 

当然ですが、買主は、ある特定の製品が欲しいのです。仮にその製品をAとすると、Aに似た製品A´でもないし、Aよりも性能が優れているかもしれないBでもなく、間違いなくAそのものが欲しいのです。

 

この、「売買契約の対象となっている製品」を売主が勘違いして別のもの、つまり、A’やBと捉えてしまうと、契約に定められている買主が欲する製品ではないものを準備してしまうという事態が生じ得ます。

 

そんなことが起きれば、当然、売主は再度製品Aを作って買主に提供しなければならなくなります。しかもそれは、売主の費用負担です。

 

その結果、売主は利益を出すどころか、その案件は完全な赤字になります。

 

また、製品を取り違えるというところまではさすがに起きなくても、例えば求められている性能を間違えるとか、または製品の寸法を間違えたという場合にも、同様の問題が生じます。

 

売主は、とにかく、契約書で「売主が引き渡すべき製品」とされている製品を準備しなければならないのです。

 

そのためには、契約書に定められている仕様書を売主の方で完全に理解する必要があります。

 

おそらくそれは、営業部門や法務部門の方の仕事ではなく、主に技術部門の方の役割となるでしょう。

 

よって、契約書に添付される製品を特定する仕様書部分のチェックは、技術部門の方にしっかりと行ってもらうようにする必要があります。

 

 

この条文の重要性について

 

この点、「製品を取り違えたり、性能や寸法を勘違いしたりすることなんて、ありえない!」と思われる方もいらっしゃると思います。

 

そうです。

 

本来、そんなことはあり得ないことでなければなりません。

 

しかし、世の中では、実際に起きているのです。

 

特に、初めてその製品を作る、という場合には、仕様書の読み込み方も難しく、やや理解しにくい部分もあるでしょう。そんなときに気を付けたいのが、「いつも作っているあれと同じ要領で解釈すればよいのだろう」と思ってしまい、自分がよく理解できない仕様の部分について、勝手に推測してしまうことです。

 

その結果、仕様書に記載されている事項を解釈する際に、当事者間で食い違いが起きてしまうことがあるのです。

 

つまり、買主は、仕様書のある部分をCと理解しているのに、売主はDと理解してしまっている、という状況です。

 

それを防ぐために、売主は、仕様書の記載に不明確な点があったら、契約締結前に迷わず買主側に確認しましょう。そうすることで売主は、「自分たちが買主に納めなければならない製品の仕様については、何の疑問もない状態」にまでもっていく必要があります。それを怠ると、後で買主との間で仕様書の記載の解釈を巡る争いに発展してしまいかねません。

 

その意味で、このわずか数行の条文、特に「添付に定める仕様書に合致する製品」という部分は20文字にも満たない部分ですが、売買契約における超重要ポイントと言えると私は思います。

 

「売主が仕様に合致した製品を用意する段階」の英文契約における条文

 

なお、この条文の英文は、以下のようなものになります。

 

The Seller agrees to sell and deliver to the Purchaser and the Purchaser agrees to purchase and take delivery from the Seller the Product set forth in the Attachment hereof in accordance with the terms and conditions under this Agreement.

 

訳:「本契約の条件に従って、売主は、添付に定める仕様書に合致する製品を買主に売り渡し、引き渡すことに同意し、買主は、これを売主から買い受け、引き渡しを受けることに同意する。」

 

この英文では、下線部分のthe Product set forth in the Attachment hereofが、上記でお話しした「添付に定める仕様書に合致する製品」に該当します。

売買契約・製造物供給契約の検討方法① 売買の流れを理解する! 売買・製造物供給契約の検討方法② 仕様については完全な理解を目指そう! 売買・製造物供給契約の検討方法③ 契約金額の条文で気を付けるべきことは?
売買・製造物供給契約の検討方法④ FOBやCIFはコンテナ輸送には不向き! 売買・製造物供給契約の検討方法⑤ 試験・検収に関する条文はこんなに重要!

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今回は、これまで以上に、見やすさと使いやすさを重視して本を作りました。

 

本書で学ぶことで得られる効果

自分の業務に必要な範囲に絞って効率よく英文契約書で頻出する英単語を身につけることができます。

 

それは、本書が以下に記載する特徴を備えているからです。

1.英文契約で頻出する英単語を契約類型毎に分類して掲載しています。

これにより、ご自分の業務でよく触れる機会がある契約で頻出する英単語に絞って取り組むことができるので、必要な分だけ効率よく契約英単語を身につけることができます。

具体的には、以下のように分類しています。

第一章 絶対に押さえておきたい英単語

第二章 英文契約の条文の基本的な型を構成する英単語

第三章 秘密保持契約の英単語

第四章 売買・業務委託契約の英単語

第五章 販売店契約の英単語

第六章 共同研究契約の英単語

第七章 ライセンス契約の英単語

第八章 合弁契約の英単語

第九章 M&A契約の英単語

第十章 一般条項に関する英単語

第十一章 その他の英単語

 

なお、どの分野の契約書を読む場合でも、まずは第一章~第4章の英単語を集中的に身につけることをお勧めします。これらの章に掲載されている英単語は、第五章~第九章までのどの種類の契約書にも頻出する英単語だからです。

2.同義語・類義語・反義語の英単語を近くに配置しています。

そのため、それらをまとめて覚えることができます。

バラバラに覚えようとするよりも、記憶に定着しやすいはずです。

3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。

例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。

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