「できなかった」と「やらなかった」
2023/07/31
「「できなかった」は、「やらなかった」よりも、ほんの少しだけですが、価値があります。」
これは、私がまだ小学生だったときに読んだ、確か、週刊少年ジャンプの読み切りの漫画の中でそのヒロインが主人公に向けて言った言葉です。
最初にこの言葉を読んだ時、私は意味が全く分かりませんでした。
「できなかった」と「やらなかった」・・・?どっちも同じじゃん。
こんな風に思いつつも、しかし何か引っかかるものがあり、そのくだりの前後を何度か読み返し、ようやくその意味を理解しました。
小学生のときは、多くの人は、まだ、「努力することの大切さ」とか、「物事に挑戦することの大事さ」などということはなかなか理解できないのではないでしょうか。少なくとも、この漫画を読んだ時の私は、まさにそんな小学生でした。
しかし、この言葉は、不思議とその後も私の心の中に残り、30年近くたった今でも覚えている言葉になっています。
会社で働き始めたころからか、私は、この言葉を漫画に入れたその漫画家の気持ちを勝手に想像するようになりました。
そして、「きっと、あの漫画家は、この言葉を伝えたいと思って、あの漫画を描いたのだろう」と思うようになりました。
「漫画家になりたい」
こんなことを自分の家族や子供が言い出したら、多くの人は反対することでしょう。
きっと、「もっと自分の人生まじめに考えろ」
「漫画なんかで成功できるのはほんの一握りの天才だけだ」
こんな風に言ってしまうのではないでしょうか。
この漫画をかいた人も、そんな周りの反対にあいつつも、それを振り切り、読み切りの漫画をかいていたのかもしれません。
そのとき自分に言い聞かせたのは、「「できなかった」は、「やらなかった」よりも、ほんの少しだけですが、価値があります。」だったのではないでしょうか。
私は、その漫画家の名前も覚えていないし、その後その漫画家が何かで連載をしたのかもわかりません。そのため、漫画家としての成功を手にすることができたのかどうかも知りません。
私が覚えているのは、ざっくりとした荒筋と、このヒロインの言葉です。
この言葉に出会って30年近くたった今、私がこれまで生きてきた中で好きな言葉を一つ挙げるように言われたら、これになるように思います。
このヒロインの言葉は、「挑戦することは大事」という一言に要約できるでしょう。
しかし、もしもあの漫画で、ヒロインが主人公に対して言ったセリフが「挑戦することは大事なことですよ」だったとすれば、おそらく、私はその言葉を30年近くも記憶にとどめることはなかったでしょう。
不思議なことに、要約するとごくごくありふれた言葉に感じられ、私に何の感動も引き起こさせないこの言葉に、私はこれまで何度も励まされたような気がします。
何かをしようと思ったときに、私はよくこう思いました。「いや、でも、やっても結局失敗するんじゃないか?それなら最初からしないほうが傷つかずに済むんじゃないか?」
こんな風に思ってしまいそうになる瞬間に、この言葉は、自分に「とにかくやってみる勇気」をくれました。
この言葉に限らず、人生でつらい時や苦しい時期に、落ち込んでいた自分を励ましてくれる、そして、何かを気づかせてくれたのは、いつも誰かの言葉だったように思います。それは身近な人の言葉だったり、本に書いてある誰かの言葉だったり、そしてそれは、現代を生きる人のものではなく、はるか紀元前を生きた昔の偉人の名言だったりもします。
それらの言葉が、自分以外の他の誰かにとっても同様に意味のある言葉になるとは限りませんが、このブログの中でいくつかご紹介したいと思います。もしも、誰かの心にも何らかの感動や気づきを引き起こすものがあれば幸いです。
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