入社当初の私の英語レベル(超悲惨)

以下に、私が会社に入社した当時から英語を本気で勉強し始めるまでの私の英語のレベルを記載します。
- TOEICのスコア:400点台から500点台前半を行ったり来たり。
- 仕事で読まなければならない英語は、英文中の全ての英語の意味を単語で引いてつなげてみても、ほとんど意味が理解できない
- 読んで内容をチェックするように仕事で言われた英文契約書は、期限までに読み切ることができず、最後は期限ぎりぎりになって先輩に頭を下げて代わりにやってもらうレベル
- 自分で英文を書くときは、電子辞書やwebの翻訳機能を使って時間をかけてようやくかけるレベル。その英文が自然な英語なのか、失礼な表現になっていないのかは全く分からない。
- 外国人を交えた英語での会議では、外国人の英語がわからないのはもちろん、日本人の先輩のJapanese Englishですら聞き取ることができず、もちろん自分から何かを英語で発言することは全くできないレベル。よって、会議の議事録なんて一文字もかけない
- 電話会議では、相手の言っている英語は単なる雑音にしか聞こえないレベル。
- 外国人を交えた会食の時は、周囲合わせてうなずき、周りが笑い出すと自分も一緒にわかったふりをして笑いだすしかないレベル。外国人と目を合わせると、もしかすると質問されたりする可能性があるので、極力目を合わせないようにして、日本人の先輩の方だけを見るようにするレベル
- どうしても自分から英語を発言しないといけない会議がある場合には、いうべきことを事前に英語でノートに書いておき、会議ではそれをただ読み上げるだけで、もしも相手から質問がきたら、先輩に応えてもらうしかないレベル。
- 英会話学校のマンツーマンレッスン40回コースを申し込むも、先生の言っている英語を全く聞き取れない、自分からも発言できないので、苦しくなって途中で行かなくなった経験が2回ある。
- 週末は仕事で読まなければならない英語の契約書を自宅に持ち帰り、ひたすら辞書を引いて何とか読み切るレベル。
- 週末は英語を使わないといけない仕事への恐怖で憂鬱でしょうがなく、何をやっても楽しめない。
- そんなレベルでも海外出張に行かなければならなくなったら、「一週間でしゃべれるようになる簡単英語」とかいうタイトルの本をあわてて買い漁り、その通りに実践するも、まったく効果が出ないことを毎回繰り返す。
- 海外出張で英語での会議があるときは、相手の言っていることをわかったふりをし、ただ自分が何か言わないといけなくなったら、あわてて周りの人に「今なんていったんでしょう?」と質問し、教えてもらった上でその人に日本語で回答して、代わりに英語で言ってもらうレベル。
上記のような大変悲惨なレベルでした。
おそらく、ここまで読んでいただいた方には、「こんなに英語ができない人が、どうしてそんなに英語を使わないといけない仕事を与えられているの?」と思われたことでしょう。
私も当時、そう思っていました。
おそらく、これは私の予想ですが、当時の部長が、「仕事で最も重要なのは、英語ではない。英語は単なるツールである。」と明確に考えていたからだと思います。そして、一緒に仕事をさせていただいた営業や技術部門の方々も、「法務部において最も重要なのは、法律と契約に関する知識であり、英語そのものはできたらできたでそれに越したことは無いが、もしもできなくても、法律と契約の知識を持っていればよい。」と考えていてくれたからだと思います。
実際、私は入社当時の法務部の部長に、ある期の賞与のフィードバックのときに、「何か仕事で悩みはある?」と聞かれた際、「英語が全くできるようにならないんです・・・」と言いました。するとその部長はこう言いました。
「なんだ、そんなことか~(笑)。まあ、本質的な悩みではないね-。いずれ解決する問題だよ。」
そう言って終わりました。特に他に、「こうやると英語は上達する」とか、そんなアドバイスは一切ありませんでした。
そして部長は、私には海外の案件を積極的に担当させてくれました。
また、入社して3年目に海外に出張した際にも、現地の当社の子会社の営業担当の方に、「今日は英語でうまく対応できず申し訳ありませんでした・・・。」と仕事終わりに居酒屋で謝罪したところ、その営業の方はこう言ってくれました。
「え?いやー、やっぱり法務の人に来てもらってよかったよ。俺たちじゃ契約のあんな話とかなかなか分からないし。英語は法務では必須の能力じゃないでしょう?営業はお客さんとしゃべれないと話にならないこともあるけど、法務で一番重要なのは、法律と契約の知識と考え方だと思うよ。」
正直、この言葉を聞いたときは、安心したのと同時に、なぜか涙が溢れそうになりました。その涙は、同情されていることを情けないと思ったのと、出張に来てもらえて助かったと言ってもらえた優しさがこたえたのと、色々な気持ちが混ざっていました。
私は、たまたま自分の所属している部の部長や一緒に仕事をする方々が、「仕事の本質は英語ではない」と思っていただけている方々に囲まれていたため、英語ができなくても許されていました。そして、英語ができないにも関わらず、海外案件に携わるチャンスを本当にたくさんいただきました。その中で、英語ができない分、何とか他の点で役に立たないといけない、と思い、英語以外について一生懸命頑張りました。
具体的には、
- 遅刻はしない。
- 会議の際には事前に自分の意見を持っておき、積極的に発言すること。
- 事業部門の方からの相談は断らず、全て引き受けること。
- 仕事において問題となっている背景事実をよく理解すること。
- 相手方との意見の食い違いはどこから来るものなのかを理解しようとし、それを事業部門の方も含めて関係者全員が理解できるようにきれいな表にしてまとめて整理すること。
- トップへの説明の際には自分もできる限り同席し、トップの理解を得るように説明すること。
- 契約交渉の場合には、相手がどうして当社の案をのめないのかを理解し、当社が譲歩できる最低ラインの妥協案を提示すること。
- とにかく期限までに絶対に回答すること。
など、言ってみれば仕事として当然のことをただただ愚直に実行しました。
そのうち、「自分は英語のレベルをもう上げなくてもなんとか仕事をやっていけるのかな」と思うようになっていました。
しかし、入社して5年目の忘れもしない2010年の9月、「このままではいけない!何とか英語のレベルを上げなくては!」と思うようになりました。
それは、先輩が担当している海外の案件の補佐として、米国に出張し、一週間契約交渉に参加しなければならなくなったときです。
結論から言いますと、その1週間の間に私が会議で自分が発した英語はゼロです。
また、自分が聞き取ってまとめた議事録もゼロです。
その会議には、当社が雇った米国の弁護士事務所の弁護士数人および英語が堪能でかつ契約の知識も豊富な帰国子女の営業担当の方がいたので、私が発言しなくても、議事録を採らなくても、特に困ることはなかったのです。
しかし、だからよかったとは当然思えず、自分が何もできない状態を改めて認識し、あまりに情けなくなり、帰りの飛行機の中では毛布をかぶり、何も食べずに、涙が流れそうになるのをこらえながら約12時間かけて日本に帰国しました。
このとき、さすがに「もう、この部署で仕事をやっていくためには、英語を避けて通ることはできない!」、と思い、2010年9月の終わりごろから、本気で英語を練習しようと決意しました。
英語が苦手な方には、私の英語練習方法についてのこちらの記事もお勧めです。
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第五章 販売店契約の英単語
第六章 共同研究契約の英単語
第七章 ライセンス契約の英単語
第八章 合弁契約の英単語
第九章 M&A契約の英単語
第十章 一般条項に関する英単語
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3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。
例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。