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合弁会社設立と単独出資のメリット・デメリット④

2024/01/06
 

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海外で事業を行う場合によく聞かれるのが次のようなものです。

 

「今まで当社はその国で事業をしていないから、知名度も人脈もない。それらをもっている会社をパートナー企業として合弁会社を設立しないと、とてもやっていけない」

 

特に、「その国の政府関係者とのパイプのようなものがあることが、何かと重要になってくる」なんて話もきくことがあるのではないでしょうか。

 

確かに、一般論としては、会社の知名度や人脈はあったほうが、事業は早期に軌道に乗りやすいのかもしれません。

 

そのため、この「知名度と人脈」を理由に、単独出資はやめて、合弁会社の設立を選択するケースが多いのではないでしょうか。

 

しかし、本当にその事業を遂行するために必要な知名度と人脈を持っているパートナー企業を探すことは、実はそう簡単なことではないような気がします。

 

単にその国で名前が知られている企業であればよい、というのであれば、それはいくらでもいるでしょう。

 

政府関係者と顔見知り、という程度の企業であれば、これもたくさんあるでしょう。

 

しかし、あなたの会社が海外で事業を展開する上でもっと直接的にプラスになる関係をもたらしてくれるような知名度・人脈を持っている企業となると、その数はぐっと減るのではないでしょうか。

 

そしてそのような数少ない企業の中から、マイノリティ出資をあなたの会社の事業にしてくれるところを探すとなると、一気に難易度が高まるのではないでしょうか?

 

そもそも、事業を成功させるために一番重要なことは、扱う製品やサービスの内容が市場に求められているかどうか、という点のはずです。

 

もちろん、どんなに内容がよくても、市場にその良さを知ってもらう機会が無ければ、製品もサービスも売れないでしょう。

 

「だから、知名度や人脈が大事なんだ!」という考えもわかりますが、製品やサービスの内容の良さを知ってもらうために、知名度や人脈はマスト、必要不可欠なものなのでしょうか?

 

それに、現地の企業がマイノリティ出資しかしていないということは、その事業のメインはあくまであなたの会社であるということは、その国の人は誰でもわかるわけです。

 

そのときに、現地の人たちが、「あの会社(現地の有名企業)が出資しているなら、きっとこの合弁会社は大丈夫だ!」なんてあっさりと思ってくれるのかもわかりません。少なくとも私なら安易にそうは思いません。

 

また、今では、テレビ、新聞、雑誌等のマスメディを初め、SNS等の口コミにより、あっという間に大勢の人に製品やサービスの内容が拡散される時代になりました。

 

よって、必ずしも、合弁パートナーに知名度や人脈を求める必要性は、従来よりも低くなっている、ともいえるのではないでしょうか。

 

一般論としては、知名度や人脈はあったほうがよいことは否定しません。

 

問題は、実質的に、まさにあなたの会社のケースにおいて、役に立つそれらを持っているパートナー企業であるのかどうか?という点です。

 

そのような実質的にプラスとなるような知名度と人脈を持っているわけではない企業をパートナーと選ぶことは、総合的に考えたときに、プラスにならないでしょう。

 

具体的には、重要な事項の意思決定の際に、パートナー企業がなかなか賛成してくれない、という場合には、経営の自由度が制限される結果となります。

 

海外で新たに事業を始める場合には、日本と勝手が違うので、色々と試行錯誤が必要になるでしょう。

 

つまり、方針を転換して、スピーディーに対応していくことが必要になると思います。

 

そんなときに、パートナー企業が保守的で、いちいちあなたの会社の方針に反対の意を示すような企業であった場合には、事業の成功が遠のいていくのではないでしょうか。

 

ちなみに、特に政府関係者との人脈を作りたいのであれば、私が有効だと考える方法は、「現地での雇用と投資を高らかに宣言すること」だと思います。

 

私も海外に製造拠点を設立するプロジェクトに関わったことがありますが、その際に現地の政府が何よりも強く望んでいたのは、この「雇用と投資」でした。

 

現地にお金を落としてくれて、積極的に雇用を創出しようとする会社であれば、その国の政府は歓迎するはずです。

 

他のやり方もある

 

現地の人脈を構築する方法としては、現地の有力者をアドバイザーにする、という方法もあります。コンサルティングと言ってもよいかもしれません。これなら、あなたの会社が現地に設立した会社の経営の自由度を制限されることなく、一方で現地の人脈作りもできます。

 

最初から知名度や人脈がないと成功しないのか?

 

それでも、知名度や人脈は重要だ!そのためには現地の企業に合弁パートナーになってもらう必要があるんだ。それが無い中で、海外で事業を始めるなんて無謀だ!」と思う人に一言。

 

今は日本で大企業と呼ばれるまでに成長した会社のその多くは、最初は普通の個人が、人脈もコネも知名度もなく始めた事業でした。

 

このことは、最初から人脈や知名度がなければ事業が成功しないわけではない、ということを何よりも証明しているのではないでしょうか?

合弁会社設立と単独出資のメリットとデメリットの比較

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今回は、これまで以上に、見やすさと使いやすさを重視して本を作りました。

 

本書で学ぶことで得られる効果

自分の業務に必要な範囲に絞って効率よく英文契約書で頻出する英単語を身につけることができます。

 

それは、本書が以下に記載する特徴を備えているからです。

1.英文契約で頻出する英単語を契約類型毎に分類して掲載しています。

これにより、ご自分の業務でよく触れる機会がある契約で頻出する英単語に絞って取り組むことができるので、必要な分だけ効率よく契約英単語を身につけることができます。

具体的には、以下のように分類しています。

第一章 絶対に押さえておきたい英単語

第二章 英文契約の条文の基本的な型を構成する英単語

第三章 秘密保持契約の英単語

第四章 売買・業務委託契約の英単語

第五章 販売店契約の英単語

第六章 共同研究契約の英単語

第七章 ライセンス契約の英単語

第八章 合弁契約の英単語

第九章 M&A契約の英単語

第十章 一般条項に関する英単語

第十一章 その他の英単語

 

なお、どの分野の契約書を読む場合でも、まずは第一章~第4章の英単語を集中的に身につけることをお勧めします。これらの章に掲載されている英単語は、第五章~第九章までのどの種類の契約書にも頻出する英単語だからです。

2.同義語・類義語・反義語の英単語を近くに配置しています。

そのため、それらをまとめて覚えることができます。

バラバラに覚えようとするよりも、記憶に定着しやすいはずです。

3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。

例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。

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