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本郷塾で学ぶ英文契約

合弁会社設立と単独出資のメリット・デメリット➂

2024/01/06
 

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合弁会社の設立を選択すると、どれだけ投資額とリスクを減らせるのか?

 

自社の単独出資とするべきか、それとも現地のパートナー企業と合弁会社を設立するべきか、という点で悩んでいるのだとすれば、もしも合弁会社設立を選ぶ場合でも、あなたの会社はマジョリティ、つまり、51%以上を取ろうと考えているはずです。

 

もしもマイノリティ(49%以下)でよいと考えているのなら、そもそも、単独出資なんて選択肢になく、この点で迷うわけがないからです。最初からマイノリティ一本です。「誰か絶対成功しそうな案件を持ってきてくれないかな~」という気持ちでしょう。

 

では、マジョリティを取ることを前提に考えると、単独出資の場合との投資額にどれだけの差が生じるでしょうか?

 

例えば、合弁会社設立の場合に自社の投資額がX円とした場合、単独出資の場合には、2X円となりますよね。

 

つまり、投資金額は、単独出資を選択すると、合弁会社設立と比べて2倍となります。

 

逆に言えば、合弁会社設立を選択した場合には、投資額は半分になります。

 

そして、もしも事業に失敗した場合に、回収できなくなる投資金額も、上記と同様になります。つまり、リスクも同じということです。

 

ここで強調したいのは、合弁会社を選択しても、投資額・リスクは単独出資の場合と比べて、せいぜい半分にしか抑えられないのです。

 

10分の1になるとか、100分の1に抑えられるという話ではなく、たった半分にしかならないのです。

 

そして、もしも現地のパートナー企業が、49%も出資しない、せいぜい25%しか出資しない、なんて言ってきた場合には、あなたの会社の投資金額は、単独出資の場合と比べて半分どころか、25%しか抑えられないのです。

 

これって、そんなに大きな話に思えますか?

 

リターンも減るが、それは望むことなのか?

 

そして、上記はあなたの会社から出ていくお金の観点での話でしたが、逆に現地での事業が成功して、合弁会社から出資者であるあなたの会社に配当を出す、という場合には、単独出資の場合と比べて、半分しか支払われないことになります。

 

つまり、合弁会社設立を選択した場合、投資額・リスクを抑えられる代わりに、配当というリターンも減るのです。

 

ここで、わざわざ海外に子会社を設立しようと考えている場合、その事業を成功させる自信がある、あるいは、何が何でも成功させてやろう!と考えているはずです。

 

そうであれば、リスクを過度に恐れ、それを半分に減らせる方を選ぶよりも、リターンである利益を増やせる方を選択する方が合理的なのではないでしょうか。

 

あなたの会社は、「成功する!」あるいは、「成功する可能性の方が高い」と思って海外に進出しようとしているのですから、あえて失敗することの方を懸念して、失敗した時のリスクを減らすために合弁会社を選択し、それによって、「絶対成功させる!」と考えている事業のリターンを減らす方を選択する必要があるのでしょうか?

 

もしも、現地で事業を成功させる自信がないのであれば、リスクを抑える方を重視するのもうなずけますが、そんな気持ちでいるのなら、そもそも海外に進出しない方がよいのではないでしょうか。

 

私見

 

この点についての私見は、「合弁会社にしたほうが投資額と失敗した時のリスクを半分にできる」という点は、単独出資か合弁会社設立どちらを選択するべきかを検討する際の判断基準とするべきではなく、それらは単に、「どちらかを選択した場合に生じる結果であるに過ぎない」と捉えるべきだと思います。

 

というのも、本当の意味での失敗のリスクを抑える方法は、失敗しないようにする方法を綿密に考えることであって、実際に失敗した場合に、「あ~、投資額を折半しておいたから回収できない投資額が半分で済んでよかった」なんていうのは、失敗するリスクへの対策でもなんでもないと思うのです。

 

一方、現地のパートナーと組んだ方が事業を進めるうえで成功の可能性が高まる、という積極的な理由があるのであれば、もちろん合弁会社設立を選択するべきでしょう。

 

その結果として、投資額が半分で済み、万が一、事業が失敗した場合に回収できなくなる投資額が半分で済む、ということが付随的についてきますが、それは結果的にそうだというだけです。最初から、「失敗した場合のリスクを減らすために合弁会社を選ぶ」なんて気持ちで合弁会社を選択するようでは、その事業の失敗は目に見えているように思うのは私だけでしょうか?

 

それに、最初から「投資額を減らせるから」「投資回収のリスクを減らせるから」なんて気持ちでパートナー企業の選定をしていたら、「とにかく出資をしてくれればいい」と思ってしまうのではないでしょうか。

 

つまり、事業を成功させるために不可欠な要素をもっているパートナーを選択する」という視点が欠けてしまうと思います。

 

海外に子会社を設立してまで、そこで事業を行おうとしているのは、「成功させるため」であって、「失敗した時のリスクを抑えるため」ではないはずです。

合弁会社設立と単独出資のメリットとデメリットの比較

一般的に言われていること 海外に子会社を設立して事業を成功させることの難しさについて 合弁会社を設立すれば、投資額とリスクを抑えられるは本当か? ④パートナー企業の知名度と人脈はマストか?
合弁契約締結までにかかる時間はどのくらいか? オーナー企業買収後の事業運営が難しい理由の考察 合弁契約締結までの時間を短縮させる方法

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今回は、これまで以上に、見やすさと使いやすさを重視して本を作りました。

 

本書で学ぶことで得られる効果

自分の業務に必要な範囲に絞って効率よく英文契約書で頻出する英単語を身につけることができます。

 

それは、本書が以下に記載する特徴を備えているからです。

1.英文契約で頻出する英単語を契約類型毎に分類して掲載しています。

これにより、ご自分の業務でよく触れる機会がある契約で頻出する英単語に絞って取り組むことができるので、必要な分だけ効率よく契約英単語を身につけることができます。

具体的には、以下のように分類しています。

第一章 絶対に押さえておきたい英単語

第二章 英文契約の条文の基本的な型を構成する英単語

第三章 秘密保持契約の英単語

第四章 売買・業務委託契約の英単語

第五章 販売店契約の英単語

第六章 共同研究契約の英単語

第七章 ライセンス契約の英単語

第八章 合弁契約の英単語

第九章 M&A契約の英単語

第十章 一般条項に関する英単語

第十一章 その他の英単語

 

なお、どの分野の契約書を読む場合でも、まずは第一章~第4章の英単語を集中的に身につけることをお勧めします。これらの章に掲載されている英単語は、第五章~第九章までのどの種類の契約書にも頻出する英単語だからです。

2.同義語・類義語・反義語の英単語を近くに配置しています。

そのため、それらをまとめて覚えることができます。

バラバラに覚えようとするよりも、記憶に定着しやすいはずです。

3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。

例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。

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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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