これから本格的に英語を練習しようと思われている方へ
「英語なんてできなくても仕事はできる。」
「英語しかできない人の方が会社においてよっぽど弊害。」
こんなことを思っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
実は私も正にそういう社会人でした。
入社当時のTOEICの点数は400点台。おそらく2006年に同じ会社に入社した同期の中でもかなり英語ができない方だったと思います。
そんな私は、2005年に就職活動をしているときは、一生国内でだけ仕事をしていれば済むと思われる業界に入るために、いくつもの会社の面接を受けました。
しかし、ことごとく落ちました。
「このままではどこにも就職できないかもしれない・・・。」
そう思った私は、メーカーを受けることにしました。メーカーは、海外案件を扱う機会が多そうというイメージがあり、そのため、英語が必要とされる可能性が高いと思い、できるだけ避けようとしていたのです。
運よく採用に至りましたが、私は、大学在学中は授業のためにしか英語を勉強したことがなく、TOEICを受けることすら避けていたくらいですので、絶対に英語を使わずに済む仕事に就きたいと考えていました。
法務部門に配属されましたが、なんとそこは、予想に反し、国際取引における契約書の検討、契約のための交渉、海外との業務提携やM&Aが主な業務という、当時の私にとっては恐ろしい部署だったことを、入社後の新人研修後に知ることになります。
入社直後の私は、もちろん英語の契約書など全く読めませんし、書けません。海外の取引先との会議の場でも相手が言っていることはおろか、先輩のJapanese Englishすら全く聞き取ることができませんでした。そのため、会議中は終始沈黙を貫き通し、議事録もかけず、会議後に取引先と会食をする場は、みんなが笑ったタイミングで自分も合わせて笑顔を作り、顔をひきつらせていました。これは、苦痛以外の何物でもありませんでした。
入社して丸2年がたったとき、当時の部長に対して、「私はこれからも英語が上達するとは到底思えないので、今後は国内案件だけ担当させてください」と直訴しようと思いました。しかし、そんなことを言ってしまったら、「そんなやる気のない奴はいらない!」と言われて首にされる可能性もあると思い、結局言えず、そのまま、常に英語に恐怖を感じながら会社に行く毎日を過ごしていました。
一時期は、精神科に診てもらおうかなと思うほど、休日も仕事に怯えていました。
そんな苦しい状態が3年ほど過ぎたころには、私は正に、上記のような「英語なんてできなくても仕事はできる。」「英語しかできない人の方が会社においてよっぽど弊害。」なんて思うことで、自分を慰めるようになっていました。
今でも、この考えは、正しいと思っています。実際、仕事を進める上で英語は単なるツールであって、決して本質的な仕事の能力ではないと思います。英語が全くできなくても、国内案件において仕事で成果を上げている人は会社の中にいくらでもいました。
しかし、今では、同時にこうも思います。
「世の中の日本の社会人で英語ができる人がもっと増えたら、きっと日本はもっと世界で競争していける国になるのだろうな」と。
私は入社して5年目に、あるきっかけで、「自分はもう、英語ができるようにならないと、毎日苦痛を感じながら会社で仕事をすることになる。もう英語から逃げることはできないな。」と思うに至り、2010年の9月から、本気で英語を勉強し始めました。
本当に色々な教材に手を出しました。色々な英語上達法の本を読み、そして試しました。
その結果、徐々に英語が上達し、英語で仕事をすることに苦痛を感じないようになりました。むしろ、英語で仕事をしていくことに自信も持てるようになりました。海外出張に行くことにも抵抗を感じなくなり、仕事では、プラント建設案件や国際仲裁案件、そして海外企業の買収案件にも、法務部の主担当をこなしました。
本当に色々な物をかじっては試しを繰り返したために、大分遠回りをしてしまった感があるものの、逆にそのおかげで、何をどのように練習すれば英語が効率的に上達するのか、ということにも気が付くことができたように思います。
このブログでは、私がどのような練習をして、英語を上達させることができたかをご紹介していきたいと思います。
ただ、一つだけ先にお伝えしておかなければならないことがあります。
実は私、TOEICを2011年1月以降、受けていないのです。
TOEICを受けなくなった理由は、「TOEICと実際に仕事で英語を使うということは、かかわりが薄いと思ったから」です。
なので、TOEICのスコアを重視される方には向かないと思います。
逆に、「TOEICと仕事で英語を使うことは、そりゃ違うでしょう」と思う方であれば、何かヒントになるような情報をブログの中でご提供できるかもしれませんので、読んでいただけたら嬉しいです!
英語が苦手な方には、私の英語練習方法についてのこちらの記事もお勧めです。
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今回は、これまで以上に、見やすさと使いやすさを重視して本を作りました。
本書で学ぶことで得られる効果
自分の業務に必要な範囲に絞って効率よく英文契約書で頻出する英単語を身につけることができます。
それは、本書が以下に記載する特徴を備えているからです。
1.英文契約で頻出する英単語を契約類型毎に分類して掲載しています。
これにより、ご自分の業務でよく触れる機会がある契約で頻出する英単語に絞って取り組むことができるので、必要な分だけ効率よく契約英単語を身につけることができます。
具体的には、以下のように分類しています。
第一章 絶対に押さえておきたい英単語
第二章 英文契約の条文の基本的な型を構成する英単語
第三章 秘密保持契約の英単語
第四章 売買・業務委託契約の英単語
第五章 販売店契約の英単語
第六章 共同研究契約の英単語
第七章 ライセンス契約の英単語
第八章 合弁契約の英単語
第九章 M&A契約の英単語
第十章 一般条項に関する英単語
第十一章 その他の英単語
なお、どの分野の契約書を読む場合でも、まずは第一章~第4章の英単語を集中的に身につけることをお勧めします。これらの章に掲載されている英単語は、第五章~第九章までのどの種類の契約書にも頻出する英単語だからです。
2.同義語・類義語・反義語の英単語を近くに配置しています。
そのため、それらをまとめて覚えることができます。
バラバラに覚えようとするよりも、記憶に定着しやすいはずです。
3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。
例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。