英文契約書における一般条項の解説

      2017/06/21

一般条項とは?

 

これは、契約業務に携わっている人には簡単すぎる質問ですよね?

 

しかし、契約業務に携わったばかりの人は、「一般条項」という言葉を聞いても、何のことを指しているのかわからなかったりするのではないでしょうか?

 

私も、会社に入るまで法律の勉強をそれなりにまじめにしていたにも関わらず、この「一般条項」という言葉を学生のうちに聞いたことはなく、会社の企業法務部に配属されてから初めて聞きました。

 

では、「一般条項」とは、一体何を指すのでしょうか?

 

これは、「契約書の中に、一般的に定められることが多い条項」といった意味です。

 

あらゆる契約書に、常に定められているわけではありません。

 

というのも、契約書は人間が作るものなので、ときどき一般条項の中のいくつかを入れ忘れたり、あるいは、今回はこの一般条項は入れなくてもよいか、と考えて、あえて契約書の中に定めなかったりするからです。

 

しかし、原則としては、あらゆる契約書の中に一般条項をきちんと定める方が望ましいと言えます。

 

 

一般条項はあってもなくてもよい条文なのか?

 

一般条項は、契約実務の中では、いつも似たような、というよりも、ほぼ同じ内容で契約書中に当然のように定められているので、そのチェックも簡単に行われることが多いと思います。

 

そのためか「一般条項」=「さほど注意してチェックしなくても良い条文」というイメージが持たれてしまいがちです。

 

その結果、「どーせ今回もいつもと同じことが書いてあるんでしょ?」という気持ちでさらっと確認されるだけの条文になっていることが多いと思います。

 

確かに、一般条項の多くは、いつもほぼ同じ内容で定められています。

 

簡単なチェックで済ませることができる条文が多いといってもよいかもしれません。

 

しかし、だからといって、「一般条項がどうでもよい条文である」という結論にはなりません。

 

とうのも、一般条項は、契約書の中に定められることがあまりに多かったことから、「これらの条項は、一般的に契約書に定めることにしよう」と多くの人たちが考えるようになり、その結果、いつしか、「一般条項」と命名されるに至ったものだと考えられるからです。

 

つまり、一般条項は「あまりにそれが重要な内容を含んでいたためにあらゆる契約書に定められ続けた」という歴史的な経緯があるのです。

 

「契約書の中に定められているのがほぼ当たり前になるほどの条文である」ということは、実は一般条項は、「どの契約書にも定められるべき重要な条文である」ということなのです。

 

したがって、一般条項は、あくまで、「重要な内容を含む条文であり、だからこそ、どの契約書にも定められることが当たり前になったのだ」と理解していただきたいと思います。

 

一般条項をそのように位置付けたうえで、その内容、チェックするべきポイントを理解することが大切です。

 

それができれば、結果として、一般条項のチェックというのは、その他の条文と比べて、簡単に・迅速にできるようになります。

 

くどいようですが、決して、「いつも同じことが書いてあるから、一般条項のチェックはスルーしてよい(見なくてもよい)」ということではないのです。

 

 

契約書における一般条項の種類にはどんなものがあるのか?

 

契約書の主な一般条項の種類は、概ね以下のようなものがあります。()内は英語での呼び方です。

リンクをクリックすると、詳しい解説のページに行くことができます。

 

定義条項 Definitions) 

契約書中で使われる文言の意味を定義する条項

英文契約における一般条項~定義条項(Definitions)その1 定義条項の必要性~

英文契約書における一般条項~定義条項(Definitions)その2 定義条項を定める際に注意したいこと~

準拠法条項 Governing Law) 

契約条文を解釈する際に適用する法律を特定するための条項

英文契約書における一般条項~準拠法 (Governing Law)~

紛争解決条項 Dispute Resolution) 

契約に関する紛争を解決するための方法を定める条項

英文契約書における一般条項~紛争解決条項 Dispute Resolution~

通知条項 Notice

契約に関して必要となる通知の宛先を定める条項

英文契約書における一般条項~通知条項 (Notice)~

不可抗力条項 Force Majeure

何が不可抗力に当たるのか、不可抗力が生じた場合の効果を定める条項

 

契約期間条項 Term

契約の有効期間を定める条項

英文契約書における一般条項~契約期間 (Term)~

契約解除条項 Termination

契約を解除する条件、手続き、そしてその効果を定める条項

 

秘密保持条項 Confidential Information

何を秘密情報とするか、その秘密情報は秘密に扱わなければならないことを定める条項

 

契約上の権利義務の譲渡制限条項 Assignment

契約上の権利義務を第三者に譲渡することを制限する条文

英文契約書における一般条項~譲渡制限条項 (Assignment)~

完全合意条項 Entire Agreement

契約に関する事項については、契約書にすべて定められている旨を定める条項

(正確には、口頭証拠排除の準則が適用されやすくするための条文)

英文契約書における一般条項~完全合意条項(Entire Agreement)と修正条項(Amendment)~

修正・変更条項(Amendment and Modification

契約書を修正・変更するための条件を定める条項

(完全合意条項と同じページで解説しています) 

無効な部分の分離条項 Severability

契約書中のある部分が無効と判断された場合、残りの部分は有効である旨を定める条項

英文契約書における一般条項~分離条項 Severability~

権利放棄条項 Waiver

ある事項について権利を保持する当事者がその権利を行使しなかった場合でも、その権利自体を放棄したものと解釈されないことを定める条項

英文契約書における一般条項~権利放棄条項 (Waiver)~

見出し条項 Heading

契約書中の条文のタイトルには法廷拘束力はなく、条文の解釈に何ら影響を及ぼすものではない旨を定める条文

英文契約書における一般条項~見出し条項 (Headings)~

 

他にもあると言えばあるのですが、ほぼどの契約にも定められているものとしては、概ね上記でカバーできていると思いますので、まずは上記を抑えるとよいでしょう。

 

ちなみに、そもそも、「一般条項を学ぶとどんなメリットがあるのか?」と思う方は、こちらをご覧ください。

英文契約書における一般条項~一般条項がわかるようになるとどんなメリットがあるのか?~

 

一般条項って、常に全部定めないとダメなの?」と思った方はこちらをご覧ください!

英文契約書における一般条項~常に全ての一般条項を契約書に定めなければならないのか?~

 

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