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本郷塾で学ぶ英文契約

円借款とは一体何のこと?

2024/01/06
 

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借款とは?

建設業界では、「借款」という言葉を聞く機会があると思います。

この借款とは一体なんでしょうか?

簡単に言えば、融資です。お金を貸すことです。

それなら、そういえばよいのに、なぜ、わざわざ「借款」などという難しい言葉を使うのでしょうか?

実は、借款とは、通常、国絡みのお金の融資の際に使われます。

例えば、国家の政府や公的機関間の融資です。

 

ODA

これは、ODAの一種です。

ODAとは、Official Development Assistanceの略で、直訳すると「公的開発援助」となりますが、要は、政府開発援助のことです。

ある国の政府が、他の国の政府に対して何らかの支援を行うのです。

 

このODAには、大きく3つあります。

1つ目は、無償での援助。要は、寄付です。

2つ目は、有償の援助。これは融資を意味し、つまり、借款はこれに当たります。貸したお金に利子を付けて返してもらうので、有償となるのです。

3つ目は、技術の援助です。専門的な技術を教えてあげるのです。

 

円借款とは?

では、タイトルにある円借款とは何か?

それは、日本が円という通貨で融資をすることです。円建ての融資です。

ドルでも、ユーロでも、ましてやポンドでもなく、円でお金を貸すのです。

 

円で融資をするということは、何を意味するのでしょうか?

それは、融資を受けた国は、その借款を受けたお金を使って日本企業に仕事を発注することになる、という意味です。

円で支払を受けて喜ぶのは、通常、日本企業ですから。

 

つまり、日本政府が、外国にお金を円で融資し、それを受けた外国は、例えばインフラを整備するために、日本企業に発注してその円で支払う、ということになります。

 

円借款のメリット

では、どうしてこのような円借款などというものが存在するのでしょうか?

日本にどんなメリットがあるのでしょうか?

 

まず、円借款は、日本の外交上の重要な手段であるといえます。

特に、日本は、軍事力を持っていません。どこかで紛争が勃発しても、基本的にそれに対処するために、軍事力を提供して鎮める、という形での貢献はできませんよね。

「日本って、何にも世界に貢献してないじゃん」なんて思われたくないわけです。

そこで、お金を貸す、つまり、借款をするわけです。

 

次に、借款を受けることで、貧しい国は大変助かります

「インフラを整備したいけれど、お金がない!」という国に、長期間・低金利で円を融資することで、その国は日本にとても感謝するはずです。

こうして、日本は外国と友好な関係を構築することができるようになります。

 

また、上記のような二国間の問題だけではありません。

一般に、貧しい国が多いと、その地域は不安定です。紛争も起こりやすいかもしれません。

日本は資源もあまり持たない国ですし、様々なものを輸出入する必要があります。

円滑に輸出入できるようにするには、比較的裕福な国・自立した国が多くあるに越したことはありません。

そこで、日本から借款を提供し、そうした外国のインフラ整備を促すことで、安定した国際環境を作り出すことにも繋がります。

 

さらに、より直接的な日本のメリットとしては、上記に述べたように、円借款によって、日本企業が海外の仕事を受注しやすくなる、ということが挙げられます。日本企業によるプラント輸出・建築案件が増える、ということです。

 

以上のようなメリットが円借款にはあります。

 

なぜ、無償援助よりも円借款が多いのか?

ここで、「円借款によるよりも、無償援助の方が外国からは喜ばれるのではないか?」と感じた人もいるかもしれません。

しかし、日本のODAとしては、有償援助である借款の方が圧倒的に多く利用されています

なぜでしょうか?

 

それは、借主の国の発展を本当に促すには、無償援助よりも有償援助の方が望ましいし、優れているからです。

 

借款の場合、借主である国(発注者)は、当然、返済しなければなりません。

そのためには、発注者は、借款を利用して作られたインフラを用いて、返済の原資となる利益を出さなければなりません。

もちろん、インフラ整備それ自体も、しっかりとした計画と監督のもとに計画通り遂行することが求められます。

こうした中で、発注者たるその国は、プロジェクトの立案・遂行能力を身に着けていくのです。成長していくのです。

 

一方、無償援助の場合、「どーせ返さなくていいんだし」と考え、どこまで真剣に自分たちを成長させようと努力するのかわかりません。

 

富とは、一度得ればよいものではなく、毎日のように作り出さなければならないものなのです。それができない国は、決して豊かにはなれません。

 

「日本が相手国を豊かにしてあげる」というのではなく、「相手国が豊かになるのを助ける。いずれは自力で発展できるように導いてあげる」というのが、重要です。これが円借款です。

 

日本も借款を受けていた

実は、日本も、かつて借款を受けて発展しました。

それは、太平洋戦争後のことです。

戦後の貧しかった日本は、世界銀行から借款を受けて、新幹線や黒部ダム、さらには高速道路の建設などに活用しました。そうして、大きく発展することができました。

このような、自分たちの経験に照らし、借款を重視しているのです。

 

日本企業の武器

最後に、日本企業からすると、円借款は強力な武器です。

お金のない国に対して、ファイナンス(ここでは、請負側に対して支払う対価の原資を準備すること)も一緒に提案できるというのは、大きな強みです。

 

インフラを整備したい国でも、発注するためのお金がなければどうしようもありません。

そんなときに、「お金の心配も無用です。我々は、円借款を利用できます!」と日本企業がいえたら、他国のライバルに差をつけることができます。受注しやすくなります。

 

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本書で学ぶことで得られる効果

自分の業務に必要な範囲に絞って効率よく英文契約書で頻出する英単語を身につけることができます。

 

それは、本書が以下に記載する特徴を備えているからです。

1.英文契約で頻出する英単語を契約類型毎に分類して掲載しています。

これにより、ご自分の業務でよく触れる機会がある契約で頻出する英単語に絞って取り組むことができるので、必要な分だけ効率よく契約英単語を身につけることができます。

具体的には、以下のように分類しています。

第一章 絶対に押さえておきたい英単語

第二章 英文契約の条文の基本的な型を構成する英単語

第三章 秘密保持契約の英単語

第四章 売買・業務委託契約の英単語

第五章 販売店契約の英単語

第六章 共同研究契約の英単語

第七章 ライセンス契約の英単語

第八章 合弁契約の英単語

第九章 M&A契約の英単語

第十章 一般条項に関する英単語

第十一章 その他の英単語

 

なお、どの分野の契約書を読む場合でも、まずは第一章~第4章の英単語を集中的に身につけることをお勧めします。これらの章に掲載されている英単語は、第五章~第九章までのどの種類の契約書にも頻出する英単語だからです。

2.同義語・類義語・反義語の英単語を近くに配置しています。

そのため、それらをまとめて覚えることができます。

バラバラに覚えようとするよりも、記憶に定着しやすいはずです。

3.単語の単純な意味を知っているだけでは業務を行う上では十分とはいえない50を超える単語について、重要事項として解説をしています(P162以降をご参照)。

例えば、liquidated damagesは「予定された損害賠償金額」ですが、これは具体的にどのようなものなのか?という点について、業務を行う上で最低限押さえておくべき事項を記載しております。

詳しい内容は、こちらをご確認ください。

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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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