契約検討を行うために理解しておくべき独占禁止法
本郷塾のオンラインセミナーの新講座『契約検討を行うために理解しておくべき独占禁止法』のご案内です。
1. 独禁法に自信はありますか?
突然ですが、みなさんは、独占禁止法に自信はありますでしょうか?
もちろん、法学部を卒業された方は、大学の授業で学んだことがあるかもしれません。
しかし、「自信があるか」ときかれると、どうでしょうか。
司法試験の主要科目である民法や刑法などと異なり、それなりの時間を費やして勉強をしてこなかったという人も多いかもしれません。
では、企業に入り、法務部として仕事をするようになってからはいかがでしょうか?
企業の法務部としては、価格カルテルや入札談合のようなものについてはかなり初期の段階で、研修などで勉強したかもしれませんね。しかし、その他の部分、特に契約検討との絡みではあまり勉強されたことはないという人が多いのではないでしょうか。
2. 三大行為類型(違反類型)の区別をご存じですか?
たとえば、独禁法には、三大行為類型(三大違反類型)と呼ばれるものがありますよね。私的独占、不当な取引制限、不公正な取引方法です。これらの違いをすぐに答えることができるでしょうか?
また、契約検討をしているときに、たとえば、競業避止義務を課す条文を追記しようと考えたとします。競業避止義務は、独禁法上気を付ける必要がある条文として有名ですよね。では、今から加えようと考えているその条文が独禁法上問題ないといえるかどうかを考えるに際して、上記の三大行為類型のどれを特に注意して検討する必要があるでしょうか?
仮に、独禁法の参考書を調べるという場合でも、通常、その手の書籍は数百ページに及ぶことが多いので、この問題にすぐに答えることができるかどうかで、回答を導き出すまでにかかる時間は大きく違ってきます。
3. 独禁法が取り締まる行為とは、どのような行為か?
また、独禁法は、そもそも、どのような行為を取り締まろうとしているのかはご存じでしょうか?
「競争にマイナスの影響を与える行為」と思うかもしれません。
これは正解です。しかし、もう少し具体的に説明できますでしょうか?
この点、上に挙げた価格カルテルのようなもの・・・と思われた方もいるかもしれません。では、「価格カルテルのようなもの」とは、具体的にはどのような弊害が競争に生じているものでしょうか?
もう少しいうと、「価格カルテルのようなもの」は、「競争回避型」(又は競争停止型)の行為と呼ばれるものですが、競争が回避されると、何が生じるのでしょうか?何が生じる可能性が高いから、取り締まる必要があるのでしょうか?
また、独禁法が取り締まるのは、これだけに限りません。まさに、先ほど挙げた競業避止義務は、競争回避型の行為という性格もありますが、その他の型の性格も持っています。そして、違法かどうかを検討する際には、後者の性格に基づく検討を行う方が重要です。
独禁法では、ある行為がいかなる型に当たるのかによって、違法となるか否かの判断基準が異なります。また、その判断基準も、考慮要素がいくつも(5つ以上)提示されることが多く、それらの考慮要素を「総合的に勘案して判断する」とガイドライン(公正取引員会が発行している独禁法上の問題を検討するにあたっての指針となるもの)に記載されていることもよくあります。では、「総合的に勘案する」とはどのように行うのでしょうか?検討する際に重視するべきポイントはあるのでしょうか?
私自身の経験として、こういったことがわからないと、ある行為について独禁法に違反するのか否かを判断することはまずできません。参考書やガイドラインを参照する場合も、どこを読めばいいのか、と途方に暮れてしまいます。そうなると、違法か否かのおおよそのあたりをつけることも難しいでしょう。
その結果、外部の法律事務所や社内の独禁法に詳しい方に相談するときも、ざっくりと、「この条文は、独禁法に違反するでしょうか?」と質問せざるを得なくなります。
つまり、自分では違法かどうかの見当もつかないので、詳しい人に丸投げ状態となってしまいがちです。すると、詳しい人がAといえばA、BといえばBというように、その人の回答に従う他なくなります。それで済むならよいのですが、そのような状態で自信をもって事業部門の方を説得できるでしょうか。契約相手に修正を求めることができるでしょうか。
また、詳しい人もときには自分の考えに自信を持てないこともあるでしょう。勘違いをして間違った回答を出すこともあるかもしれません。そのようなとき、みなさんも独禁法にそれなりに詳しければ、詳しい人と共に議論を行い、結論の正しさの精度を高めることもできるでしょう。
4. この講義の目的
私は、みなさんに、そのような「外部の法律事務所や社内の詳しい人とガッチリとかみ合った議論をできるレベル」に到達していただきたいと考えております。
そこで今回、本郷塾では、『契約検討を行うために知っておくべき独占禁止法』という講座をリリースしました。
この講座は、和文の契約を検討する際に、日本の独禁法の観点から問題となることが比較的多い事項について解説するものです。具体的には、販売店契約、ライセンス契約、そして共同研究契約を検討する際に知っておくと有益な独禁法上の問題点について詳しく解説しております。
まずは総論として、独禁法の目的や、独禁法が取り締まる行為にはどのようなものがあるのか、そして三大行為類型の違いと、三大行為類型の中で、契約検討の際にまず検討するべきなのは、どの行為類型なのか?そして、その理由などを解説します。
その後は、販売店契約、ライセンス契約、共同研究契約ごとに問題となることが多い以下のような事項について検討する際のポイントを公正取引委員会が公表している事例や過去の裁判例または審決例を適宜参照しながら解説していきます。
・販売店契約
- 販売地域の制限
- 販売先の制限
- 再販売価格の拘束
- 競業避止義務
・ライセンス契約
- 原材料・部品の購入先制限
- 競業避止義務
- 研究開発開発活動の制限
- 改良技術のライセンス
- 非係争義務
・共同研究契約
- 研究の共同化(非ハードコアカルテル)
- 研究開発活動の禁止
- 原材料・部品の購入先制限
- 成果物の販売先制限
なお、この講義の目標は、和文の契約検討の際に、日本の独禁法上の問題点を見過ごすことなく、一方で、独禁法違反となるリスクを過大視し、本来は問題ないはずの条文について「問題あるので削除してください」といわずに済むように、的確に判断できるようになることですので、契約検討の際に問題となる頻度が決して多いとは言えない(と私が考える)以下の事項については、最後の方で軽く触れる程度としております(3つの解説で1時間程度しか当てていません)。よって、以下のような事項について詳しく学びたいという方には、この講義はお勧めではありません。
・リベート
・優越的地位の濫用
・企業結合規制
5. 講義時間・受講料・視聴可能期間・カリキュラム
この『契約検討を行うために知っておくべき独占禁止法』は、講義時間が約9時間と、本郷塾のこれまでの講義の中で最長のものとなりました。
受講料:29,800円
視聴期間:ご購入から2ヶ月間
詳しいカリキュラムは、以下からご確認いただけます。
6. 講義の資料について
なお、この講義のPPT資料は最初の講義に添付されております。
330頁ほどありますので、ダウンロードする際には、4 in oneや9 in one、人によっては16 in oneのようにされてもよいかと思います。ご検討ください。
資料は印刷できますが、編集はできません。ご了承ください。
7. 受講料のお支払方法
この講義の受講を希望される方は、カード決済または銀行振込のどちらかの方法で受講料をお支払いください。
・カード決済の場合
以下にアクセス後、青色のボタンをクリックし、カード決済をお願いいたします。決済後、直ぐにご視聴いただけます。
・銀行振込の場合
以下のメールアドレスへ受講する旨をご連絡ください。こちらから、お振込いただく銀行口座をご連絡いたします。お振込が確認でき次第、ご視聴可能となります。
hongojyuku@eln-taka.com
8. まだこれまでに本郷塾のオンラインセミナーを有料・無料どちらでもご利用されたことがない方へ
受講料のお支払いの前に、ユーザー登録をお願いいたします。
ユーザー登録の方法は、以下のとおりです。
まず、こちらのサイトにアクセスください。
そこに次の3つを入力ください。
①お名前(アルファベット表記でも漢字でも可能です)
②メールアドレス
➂ご自分でパスワードを設定(英数で6文字以上)
入力情報を送信いただくと、②のアドレスにご本人様確認メールが届きます。
そのメール中の青いボタンをクリックしたらお申し込みは完了です。1分で完了します。
9. この講義をお勧めしたい人は次のような方々です。
・独禁法は大学の授業で受けただけ。単位は取れたが、正直、三大行為類型の区別もよくわからない。
・独禁法上の問題を検討しなければならないのはどのような条文か判断がつかない。
・独禁法が問題となる場合に、参考書を見て判断しようとしても、具体的にどこを読めばよいのかあたりをつけるのも難しいと感じている。そのため、社内の詳しい人に丸投げしている。
・独禁法は、「価格などの競争情報を他社の営業と交換してはいけない」くらいしか実はわからない。
逆に、次のような人は、受講する必要はありません。
・司法試験の選択科目で独禁法を選んだ。
・独禁法について、一定期間、それなりに独学して理解できていると自分で感じている。
本郷塾のオンラインセミナーの受講者の方々のご感想
このオンラインセミナーを実質無料で受講する方法:
本講義は、仕事に役立つ内容です。そのため、受講料は、受講者の方の自己負担ではなく、皆さんが所属する部門様にご負担いただくことができる性格のものであると思われます。実際、そのような形で本郷塾のオンラインセミナーを受講されている方は多いです。一旦は皆さんご自身で受講料を支払い、その後、こちらからみなさんに領収書を発行いたしますので、その領収書で所属されている部門様にご負担いただく方法もご検討ください。
なお、所属する部門のご責任者様には、講師である本郷塾の代表 本郷貴裕の以下のプロフィールをお示しいただくのがよいようです。
・一橋大学法学部大学院修了。東北大学工学部機械知能系卒業。
・株式会社東芝の法務部に勤務。プラント建設案件、合弁事業、M&A、国際仲裁案件など、主に海外案件に従事する。
・これまでに英文契約の参考書を5冊出版。中でも、『はじめてでも読みこなせる英文契約書』はこれまで12,000部発行されており、過去に出版された英文契約書の参考書の中で最も多くのビジネスパーソンに読まれている。また、『英文EPC契約の実務』は、日本を代表する複数のプラントエンジニアリング企業や総合商社様の法務部や海外営業部門において、必読図書に指定されている。また、海外での翻訳出版(2024年度中)がされることが決定しております。
・月刊誌『ビジネス法務』にて1年間、『英文契約の基本的な表現』についての連載を担当。その他にも、『ビジネス法務』への記事の掲載を依頼されることがある。直近では、2023年10月号に掲載されている。
・昨年は、ENAAにて『EPC契約におけるクリティカルパスと同時遅延の扱い』についての講師として登壇し、300名以上の方々にご参加いただき、高い満足度を得ている。
・現在、資格取得スクールである資格セミナーの英文契約書講座の講師を務めている。
・現在、グローバル人財育成事業を手掛けるインサイトアカデミーの英文契約書講座の講師を務めている。
・これまで、プラントエンジニアリング企業、建設業、重電、重工業企業等の海外営業、法務、技術部門の方々に対面形式やオンラインセミナーによる社内研修を実施している。