常に、自分ならどうするか?と考えるべき理由
2023/07/12

入社して2年目のある時、私はある案件について、Aさんと一緒に担当することになりました。
その案件の中で、事業部門の方からある相談を受けたのですが、それは私にとって初めての類の相談だったこともあり、私はどのように対応すればよいのか全く思いつきませんでした。
しかし、Aさんはそれに対して華麗に解決策を提示していました。
「なるほど~。こういうときはそんな風に対応するものなのか!」
私はものすごく勉強になったと感じていました。
そのため、事業部門の方に回答をした日の会社帰りにその先輩と居酒屋に行ったときにも私の感動は冷めやらず、Aさんにこう言いました。
「Aさんすごいですね!あんな風にすればいいなんて、思いもつきませんでした!」
「そうですか?まあ、そんな難しい問題でもないでしょう」
Aさんは、至って冷静にそう言いました。
「いえいえ、ものすごく勉強になりました!次またあのような相談が来たら、私も同じように対応したいと思います!」
するとAさんは、私の発言の何が気にいらなかったのか、不機嫌そうな表情をしてこう言いました。
「同じように対応する・・・?」
「え・・・、あ、はい。同じような相談が来たら、同じように回答しようと思ったんですが・・・(なんで変な雰囲気になってんだろう?)」
するとAさんは、首を左右に振りながら、意外なことを言いました。
「それじゃ~ダメだ」
「え?な、なにがダメなんですか?」
「全然だめですよ」
「???・・・全然、ダメ?」
「そうですよ。何がダメなのかわかりませんか?」
「いや~、なんだろ。・・・わかりません」
Aさんは吸っていた煙草を灰皿に置いて、こう言いました。
「なぜ、「もっといい対応はないか?」と考えないんですか」
「え?」
「私がAといったらA、BといったらBですか?」
「え、いや、そんなつもりはなくて・・・。でも、今日のAさんの回答は、どう考えたって正しいじゃないですか。それをマネしちゃいけないんですか?」
「そうじゃないです。あれはあれで正しいと思っています。でも、どうして「もっといい対応を自分はしよう!」と思わないんですか?」
「え・・・、もっといい対応なんて、そんなのあるんですか?」
Aさんは飽きれた表情でこう言いました。
「いいですか?後輩っていうのは、先輩を超えようとしないといけないんですよ。そうじゃないと組織として成長していかないじゃないですか。先輩が言ったことを聞いて、「それはいいですね、それはすごいですね」なんて思ってるだけじゃダメなんですよ。常に、「自分ならどうするか?」って思うようにしないと。「先輩の言っていることは正しい、でも、自分ならもっとこうする」みたいに思うようにしないと、成長できないじゃないですか?」
「・・・それって、先輩の対応が「最高!」って思えたときでもですか?」
「「最高!」なんてあるわけないんですよ。「どこか改善点はないか?」と思うようにしないと。いや、それをわざわざ口に出す必要はないですよ。「先輩の案もまだまだですね。欠点見つけましたー!」なんて言う必要ももちろんないですよ。今日みたいに、口では、「先輩すごいですね~」みたいなことを言うのも全然かまいませんよ。だけど、少なくとも心の中では、「自分なら・・・」って考える癖をつけて欲しいんですよ。そうじゃないと、いつも先輩にお伺いを立てて、「うん、それでいいと思うよ」って言ってもらってからじゃないと何もできなくなってしまうじゃないですか。」
「まあ、確かに・・・」
「明日からそうしてくださいね。常に!」
「・・・はあ(面倒くさいな・・・)」
私は、深い意味もなく、軽い気持ちでその日の先輩の対応を「すごいですね!」って言ったことからこんな話になったことに若干戸惑ってしまいました。しかし、これは後になってみると、とても大切なことのように思いました。
常に「自分はどう思うか?自分ならどうするか?」を考えないといけないんでしょうね・・・。
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「会社って、そもそも誰のものだっけ?」と疑問を抱いている人へ
仕事における段取りや根回しってどんなものかよくイメージできない!という人へ
何かの資格試験に落ちて、「もう人生終わりだ!」と思っている人へ
新しいことをしようとしたら、周りから猛烈な反対を受けて、しょんぼりしている人へ
「完璧にできないくらいなら、初めからしないほうがよい」と思っている人へ
本当は主役になりたいのに、いつも主役になれないと落ち込んでいる人へ
上司に取り入っていろうとしている人を見ると、寒気がしてきてしまう人へ
いつも残業しているが、そんな現状をなんとか変えたいと本気で思っている人へ
「仕事で評価される人は自分とは何が違うんだろう?」と疑問に思っている人へ
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学生時代に頑張ったことが「勉強」だと、就活に不利だと思い、やりたくもないサークルに今から入ろうかな、と考えている学生の方へ
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