何回やればできるようになるのか? ~エジソンによる電球開発事業~

   

人類の歴史が始まって以来、人々の暮らしを一変させた発明には大小様々なものがありますが、中でも電球が及ぼした影響は大きいでしょう。

これにより私たちは、昼夜の別なく本を読み、物を書き、仕事をすることができるようになりました。

このことは、人が活動できる時間を大幅に増やしたことで、実質的には人間の寿命を延ばしたと同視でき、さらには、その後の人類の進歩のスピードを飛躍的に加速させたといっても過言ではありません。

その電球を最初に発明したのは、英国のジョセフ・スワンという人です。

しかし、これは、短時間で消えてしまい、とても実用に耐えられるものではありませんでした。

そこで登場するのがエジソンです。

彼は、より長時間光を灯し続ける電球を開発しようと試行錯誤します。

 

電気を通しにくいものに無理やり電気を通すと、その部分が熱を発して光ります。

電球の仕組みはこれを利用することでした。

しかし、電気を通さないものなら何でもよいかというとそうではなく、熱くなって焼けてしまっては長時間光り続けることはできません。

「電気を通しにくいが、熱くなり過ぎない材料を見つけること」。

これがとても難しかったのです。

 

エジソンは何度も失敗しました。

これもダメ、あれもダメ・・・。

彼が試した材料は実に6000種類。

そうしてようやくたどり着いたのが、竹でした。

エジソンは竹の中でももっとも電球に合うものを見つけるために、全世界から1200種類もの竹を集めて実験し、最終的にたどり着いたのが京都八幡市の竹でした。

こうして、点灯時間2450時間という実用に耐えうる電球を作り出し、世界から夜が消えました。

 

スポーツや勉強に打ち込んだことがある人は、おそらく、次のようなことをトレーナーや先生に質問したことがあるのではないでしょうか?

「何回この練習をすれば、できるようになるでしょうか?」

「一日何時間勉強すれば、第一志望の学校・資格試験に合格できるでしょうか?」

私もこのようなことを質問したことがあります。

そして、大抵の場合は、「だいたい100回くらい」とか、「1日最低3時間」といったような回答をもらいました。

そして、その回数や時間をこなすように取り組んでいました。

しかし、大人になるにつれて、昔私がした「何回やればできるようになるのか?」「何時間で合格できるか?」といった質問への答えは、次のようなものが正しいのではないかと思うようになりました。

 

「できるようになるまでやる」

 

いやいや、だから、できるようになるのは何回繰り返した場合なのか、何時間取り組んだ場合なのかを質問しているんです!と思う方もいるでしょう。

しかし、人間はその能力に大きな開きがあります。

記憶力が良い人もいれば、そうでない人もいます。もともとある動きに対してセンスがある人もいれば、そうでない人もいます。

また、上記の様ないわゆる才能・能力に加えて、正しい方法にどれだけ早く辿り着いたか?によっても大きな開きがでます。

実際、私には、こんな経験があります。英語のリスニング力を上達させようと、私は書店にある様々な英語勉強法の本を試しました。

「習うより慣れろ!マンツーマン英会話スクールでネイティブの発音になれよう!」

「自分で発音できない音は聞き取れない。よって発音を徹底的に練習するべき」

「単語の数が少ないと、聞き取れても意味がわからない。英字新聞を読めるようになるくらい英単語をたくさん覚えるべき」

しかし、これらを実施してもなかなかできるようになりませんでした。

最後には、「英語の音は日本語の音とはかけ離れているので、日本人にはまず英語は聞き取れるようにならない。外国で暮らして英語漬けの生活を送らない限り」なんてものまであり、これは大いに私を絶望させました。

「自分には、英語は無理なのかな・・・」と思い、練習にも身が入らなくなってきたころ、1つの方法論に辿り着きました。

それは、「英文を後ろからひっくり返らずに、左から右に流れるように理解できるようになれば、発音が多少聞き取れなくても、いくつかわからない単語があっても、相手の話す英語が理解できる」というものでした。

それに気が付いて練習方法を変えてからは、わずか3カ月半で私はリスニング力を大幅にアップさせることができました。

 

私たちは、社会に出るまで、「ある一定の期間内」に何かをできるようになることを求められてきました。

受験でも、スポーツでもそうです。その期間内にできなければ、「負け」を意味しました。

受験後に難問を解けるようになっても、県予選敗退後にできなかったプレーができるようになっても、予め決められた期限に間に合わなければ「負け」でした。

そんな世界に長い間いると、「ある期間内にできるようにならないと意味がない」と思い込んでしまいがちです。

そして会社に入ってからも、他人と比べてなかなかできるようにならないと自信を失います。

しかし、実は学生時代のような「できるようにならなければならない期間」は社会人には基本的にはないのです。

いつから始めてもよいし、どれだけかかってもできるようになれば「勝ち」です。

そして、仕事上必要となる大抵の能力は、正しい方法で続ければ誰にでも身につくものばかりです。

 

エジソンが電球のフィラメントの材料を探し続ける過程で経験した膨大な数の失敗をしているのを知ったある人が「もう1万回は失敗したんじゃないか?もう電球から手を引いたほうがよいのではないか?」と言いました。

これに対するエジソンの答えは次の通りです。

「失敗ではない。「何がうまくいかないのか」を確かめることに成功したのだ。」

 

社会は、受験や部活などと異なり、長期決戦です。短期決戦とは異なる戦い方が必要です。

なかなかうまくいかない期間も、「できない理由を確認できている期間」だったり、「できるようになる方法論を模索している期間」です。

うまくいかない経験を1つする度に、私達はきっと、成功に近づいている。そう思いませんか?

 - 歴史上の人物・出来事から学んだこと