オーナーから提供された情報の正確性に関する条文例と構造の解説

      2019/11/05

オーナーがコントラクターに提供した情報に誤りや不備があった場合、多くのEPC契約書では、その場合でも、「コントラクターが責任を負う」と定められていますが(この点、サイトに関する情報の正確性についても同様の議論があります。サイトに関する情報の正確性についての詳細は、こちらをご参照!)、ここでは、オーナーに責任を負わせる条文例を紹介します。

 

以下の例文①は、オーナーがコントラクターに提供する情報について、誤りや不備が発見された場合にコントラクターがとるべき措置を定めたものです。

 

例文①

The Contractor shall review and verify the Owner Supplied Information and notify the Owner of any actual or suspected error or omission in any Owner Supplied Information immediately upon the Contractor’s discovery of the same.

構造図

 

意訳

「コントラクターは、オーナー提供情報をレビューおよびその正確性の確認を行い、それらに誤りや不備を見つけたら、直ちに、オーナーにその旨を知らせなければならない。」

 

英単語

the Owner Supplied Informationとは、大文字で始まっているので、定義された文言であることがわかります。これは、「オーナーがコントラクターに提供する情報」です。プラント建設のために必要となる情報のうちの一部については、オーナーが入手してコントラクターに提供すべきとされるものがあります。具体的にそれが如何なる情報かについては、仕様書などの添付書類に明記されることが通常です。

verifyは、「~の正確性を確認する」という意味です。

suspectedは、「疑わしい」です。

 

以下の例文②は、オーナー提供情報に誤りや不備があることで、コントラクターの仕事に影響が出た場合には、誰がどのような責任を負うべきかを定めたものです。

 

例文②

The Owner shall be liable for, and the Contractor is entitled to any extension of time, additional costs or other relief from its obligations hereunder resulting from or in connection with any errors or omissions in any Owner Supplied Information pursuant to Clause [Change/Variationの条項].

どれが主語で、どれが動詞か、この点は割と簡単に把握できると思いますが、その後の構造がなかなか難しいかもしれません。以下で確認しましょう。

構造図

 

意訳

「オーナー提供情報の誤りや不備から生じる、またはそれらに関する納期延長、追加費用または本契約に基づくコントラクターの義務についてのその他の免責について、仕様変更の条文に従い、オーナーが責任を負い、そしてコントラクターが権利を有するものとする。」

 

上記だと意味がつかみにくいので、より簡単にいうと、以下のような意味です。

「オーナーは、オーナー提供情報の誤りや不備について責任を負い、コントラクターは、その誤りや不備によって生じる納期の遅れや追加費用などについて、仕様変更の条文に定められている手続きに従い、オーナーに対して責任を追及できる。」

 

英単語

be liable forは、「~について責任を負う」です。

be entitled toは、「~する権利をもつ」です。

reliefは、「免責」です。「責任を免れる」ということですね。

resulting from or in connection withは、「~から生じる、または、~に関する・・・」という意味です。Resulting fromかin connection withのどちらかだけの記載でも良いようにも思えますが、「~から生じる」と「~に関する」の微妙な違いをお互いにカバーするために、2つ並べられて使われるようです。英文契約書以外では、このような表現はあまり使われないでしょう。

 - 英文の条文例と構造の解説, 未分類