言われなくてもできてほしい

      2023/07/12

 

営業部門のNさんと飲みに行ったときに聞いたはなしです。

 

Nさんは、中途採用でうちの会社に入った人でした。年齢は、私よりも7つほど年上でした。

 

Nさんは最初、旅行代理店に入社したそうです。

 

その旅行代理店は、当時採用枠を絞っており、非常に狭き門を潜り抜けて内定を得たそうです。

 

私は、もうじき採用の一次面接の面接官をすることになっていたこともあり、Nさんがどうしてその狭き門を通ることができたのか興味がわき、Nさんに聞いてみました。

 

するとNさんは、次のように言いました。

 

「礼儀・・・かな」

 

「礼儀?」

 

「うん。入社してから、私を面接してくれた人に会ったときに、どうして私をとってくれたのかきいたんですよ。そうしたら、「礼儀がちゃんとしてたから」って言われたんです。」

 

「具体的にどんな礼儀ですか?」

 

「私が面接室に入ったとき、誰もいなかったんです。それで、置かれていた席に座っていたら、ガチャって音が聞こえて、面接官が入ってきたんです。」

 

「はあ。」

 

「その瞬間、私は席を立って、「よろしくお願いします」っと言いながら頭を下げて挨拶をしたんです。」

 

「それで?」

 

「それがよかったらしいです。」

 

「え?それだけですか?」

 

「そう思いますよね?でも、その時の面接でそれができた人って、私一人だったらしいですよ。」

 

「え?たった一人ですか?」

 

「はい。他の人たちは、席に座ったまま挨拶するとか、何も言わない人ばかりだったそうです。」

 

「へ~、でも、それだけで採用ってどうなんだろうって思ってしまいますけど。」

 

「そう。私もそう思って聞いてみたんですよ。「それだけですか?」って。そしたら、「もちろんそれだけじゃないけど、あれが大きかったって言ってました。その面接官だった人が言うには、「ああいうことを言われずにできる人が欲しいんだよね」って言ってました。」

 

「言われずにできる人?」

 

「はい。あのくらいのこと、言われれば誰でもできることじゃないですか。でも、そんなことをいちいち言うのって、面倒くさいらしいですよ。それに、ああいうことを注意すると、若手からは、「なんだよ、うるせえな。」とか、「細かいこといってんじゃねえよ」とか思う人っているじゃないですか。そういうことを思われるのかなと思いながら注意するのが嫌らしいです。だから、そういう基本的な礼儀を言われずともできる人が欲しかったらしいですよ。」

 

 

 

確かに、後輩に礼儀を注意するのは、結構勇気がいるような気がします。

 

注意した後で恨まれるんじゃないか、嫌われるんじゃないか、と思ったり、逆に傷つかないように不必要に気を使ってしまったりすることもあります。

 

そんなことを自分が気にしないといけなくなるような人はそもそも採用したくない、と思う面接官がいることもなんとなくうなずけます。

 

もしかしたら、本当は周りから、「もっとこうしたらいいのに」と思われているけれど、注意されていないだけ、ということは結構あるのかもしれません。自分はちゃんと礼儀正しく行動しているか?と自分を振り返ってみようとこのNさんの話を聞いて思いました。

 

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