英文契約の翻訳のススメ~英文契約の勉強方法~

      2020/01/28

英文契約について色々と勉強をした。

 

大分読めるようになってきた。

 

でも、まだ読む速さが遅い。

 

一応読めているのだが、内容を本当にわかっているのかというと、ちょっと自信がない。

 

そんな方にお勧めの勉強方法は、「英文契約の翻訳をすること」です。

 

方法

 

どんな契約書でもよいです。

 

英文契約の参考書であれば、おそらく、英文の訳が付いていると思いますが、別に訳が付いていなくてもよいです。

 

とにかく、英文を用意します。

 

その英文を、ひたすら翻訳し、wordでもなんでもいいので、パソコンで訳を打ち込んでいきます

 

それだけです。

 

その訳したものを後で見返さないといけないわけでもありません。

 

要は、「翻訳する」という過程を経ることが大事なのです。

 

 

なぜ翻訳が良い練習になるのか?

 

翻訳を実際にやってみるとわかりますが、単に英文を目で見て読んでいくのと全く違う作業が必要になります。

 

一語一語、正確に理解していこうと心がけ無いとと翻訳はできないです。

 

特に、日本語にしてパソコンに打ち込んでいく際に、修飾関係に注意して英文を読むようになります。

 

よって、英単語の修飾関係も厳密に捉えようと意識するようになります。

 

また、パソコンに打ち込んだ日本語を見て、「結局この条文は何が言いたいのか?」「どうしてこんな内容をここに定めなければならないのか?」といったことを考えるようになります。

 

そして必要に応じて、別の参考書を調べたり、webで似た英文を調べたりします。

 

そういう過程を経ていくうちに、自然とその英文についての理解が深まっていきます。

 

私の経験

 

私は、入社後1~2年後に、20ページほどの技術提携契約を、入社後5~6年目に120ページほどの発電所建設案件におけるEPC契約全訳したことがあります。

 

その都度、急激に英文を読めるようになったことを覚えています。

 

翻訳していると気が付きますが、英語が苦手な人は、頻繁に辞書を引くことになります。

 

しかし、数ページ翻訳しているうちに、辞書を引く回数がみるみる減っていくのを感じます。

 

それこそ初めの頃は、今となってしまえば基本的な単語についても辞書を引いていました。

 

in accordance with

 

pursuant to

 

with respect to

 

regarding

 

in connection with

 

provision

 

notwithstanding

 

be liable for

 

damages suffered by the Owner

 

しかし、同じ単語が何度も何度も繰り返し出てくるのです。

 

そんなに繰り返し出てきたら、もう、記憶力に自信がないとか、全く関係ありません。記憶力が問題にならないくらい、繰り返し出てくるからです。

 

確かに、最初は、一度辞書で引いた単語が出てきても、それと気が付かずにまた辞書を引くこともあります。

 

しかし、そんなことを10回も繰り返せば、誰でも覚えます。

 

重要なのは、「翻訳して本当に効果あんのか?」と疑う気持ちに負けずにひたすら翻訳し続けることです。

 

この点、翻訳には時間がかかります。

 

仕事が終わった後に翻訳するのは疲れます。

 

なので、私は、朝6時に会社に行き、始業時間まで毎日2時間2ヶ月翻訳し続けました。

 

さすがにそれだけ時間を割けば、誰がやっても読めるようになってきます

 

知らない単語もどんどん減っていきます。

 

朝は人が少ないので、誰にも邪魔されずに翻訳に集中できます。

 

そうして、EPC契約を読めるようになりました。

 

そして、その時翻訳したものは、その後ほとんど見返しません。

 

見返すために作成したわけではないからです。

 

日本語の訳を見るよりも、英文を見た方がはるかに分かりやすいと感じるようになります。

 

 

翻訳をする際の注意点

 

今まで契約書について全く勉強したことがない人には向かない

 

いきなり契約書を翻訳しようとしても、それはまず無理です。

 

人は、母国語を超える能力を外国語で発揮することはできません。

 

よって、日本語の契約書を読んだ時に、「は?これ、一体どういう意味?」と感じてしまう方は、英語の契約書を読んでも、絶対に訳せません。

 

わからない単語を辞書で引いても、複数ある意味の候補から、適切な意味を選ぶことすらできません。

 

結局、全部の単語の意味を調べてつなぎ合わせても、意味が全く分からない日本語が出来上がります。

 

そのようなことを何度繰り返しても、一切力にはなりません。

 

そのような方は、まず、日本語の契約書をひたすら読んで、「契約書にはこういう言葉が使われ、こういうことが定められているものなのだ」ということを理解してから英文の翻訳に取り掛かるようにすることをお勧めします。

 

意訳ではなく、直訳を心がける。

 

この練習は、翻訳家になる練習ではありません。

 

英文の構造を間違いなく把握するためのものです。

 

後から誰かに翻訳文を見せるわけでもありません。

 

よって、誰もが読んでスッと理解できるような訳にする必要はないです。

 

むしろ、一語一語厳密に理解し、修飾関係もしっかり把握するためには、愚直なまでの直訳が効果的だと思います。

 

多少変な日本語訳になっても、自分で英文の構造をしっかりと把握できたと思えているのなら、次の英文に進む。

 

意訳ではなく、直訳を心がけている以上、不自然な日本語訳になることがあります。

 

しかし、そんなことはどーでもいいのです。

 

そもそも、英語と日本語は異なる言語です。直訳するとやや不自然になるのは避けられません。気にせず先へ進みましょう。

 

翻訳しているうちに、「あれ?いったい自分は今、何をしているんだろう?」と思うことがあるが、そこで辞めずに、ひたすら繰り返す。翻訳文は人に見せるためでも、後から見返すためでもなく、翻訳は、英文の構造を正確に把握し、英文契約で頻繁に使われる英単語を頭に叩き込むためだけに行っている、と自分に言い聞かせる。

 

途中で、「これなら、黙読でもいいんじゃないか?」と思うこともあるでしょう。

 

もちろん、黙読でも、パソコンに打ち込む場合と同じくらい真剣に英文の構造を把握しようという気持ちで取り組めているのであればそれでもよいと思います。

 

しかし、私の経験では、黙読と、パソコンに翻訳を打ち込みながらの読み方とでは、全く違います

 

直訳でパソコンに打ち込む場合、より強く構造の把握に厳しく取り組めます。

 

日本語に訳した際に、「そうか、ここの部分はこっちじゃなくてそっちにかかるのか!」と考えながら読み進めることになります。

 

黙読だと、つい、意訳してしまいます。わからない単語があっても、全体の流れから何となく読めたつもりになりますが、直訳を心がけると、そういうこともなくなります。

 

結局、時間はかかりますが、翻訳の方が、正確な理解を心がけるようになり、成果は早くでると私は思います。

その理由はこちらに詳しく記載しました。

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 - 英文契約書が読めるようになるための練習