ofを削除できないか検討しよう!
2017/03/11

英文契約のドラフトの練習 第13回です。
of
この、たった2文字の単語は、とても使いやすい英語です。
英作文をする際には、「~の」という日本語が出てきた瞬間に、「ofだ!」と瞬時に浮かぶのではないでしょうか。
しかし、この「of」をなるべく使わないようにしたほうが、より分かりやすい英文になります、というのが、今回お伝えしたい内容です。
例えば、次のような表現があります。
the responsibility of the Purchaser
訳:買主の責任
これは、次にように書き換えることができます。
the Purchaser’s responsibility
また、次のような表現があります。
the opinion of the Seller
訳:売主の意見
これは、次のように書き換えることができます。
the Seller’s opinion
次の表現はいかがでしょうか?
the notice of termination
訳:解除通知
これは、次にように書き換えることができます。
the termination notice
次はいかがでしょうか?
in accordance with the provisions of the Appendix 5
訳:添付5の条文に従って
これは、次のようにthe provisions ofを削除しても意味が変わりませんね。
in accordance with the Appendix 5
結局、従うのはAppendix5に違いないからです。
では、以下の場合はいかがでしょうか?
The Contractor shall supply to the Owner spare parts required for the operation and maintenance of the Plant in accordance with the Appendix 9-2.
訳:請負人は、添付9-2に従って、プラントの運転およびメンテナンスのために必要なスペアパーツを注文者に対して供給しなければならない。
これは、the operation and maintenance of the Plantという名詞を中心とした表現を、動詞を中心として書き換えることができます。
The Contractor shall supply to the Owner spare parts required to operate and maintain the Plant in accordance with the Appendix 9-2.
どの場合にも、ofを使わなくても、意味を変えることなく、書き換えることができるのです。
上記のofの削除方法を以下にまとめます。
1. 所有格の’sを使って、ofを削除する
2. 名詞を形容詞的に使って、ofを削除する
3. なくてもよい単語を削除することで、ofを削除する
4. 名詞を中心にした表現を、動詞を中心とした表現とすることで、ofを削除する
ofは、非常に手軽に使うことができる単語なので、ついつい使ってしまいがちです。しかし、使わなくても、意味が変わらず、英文が短くなります。また、ofを使うときは、左から右へ理解していく流れが中断してしまう傾向があるように思います。不要なofを削除することで、読むスピードも速くなるでしょう。
契約書をドラフトした際は、ofで検索をかけて、それが削れないかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。