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源義経① 一ノ谷は、実際はさほどの崖ではなかった?

      2016/11/14

 

一ノ谷の戦い

「どのように攻めるべきか」

 

義経は考えていました。

 

平氏は、現在の神戸の三宮あたりから須磨あたりの海岸沿いに陣を敷いていました。

 

海岸沿いと言いましたが、山がすぐ近くまで迫っているような場所です。その山も、「屏風を立て掛けたような」急な斜面を降りないと平氏の陣にはたどり着くことができないようになっています。つまり、通常であれば山側から攻め入ることはできません。

 

正攻法としては、三宮あたりと須磨あたりの東西から攻め入り、平氏を挟み撃ちにすることでした。

 

しかし、ここで義経は思いました。

 

「正攻法では、平氏には勝てない」

 

平氏をあっと驚かせるような、平氏が思いもよらないような場所から突如姿を現すことで、源氏の軍勢がその実数よりもはるかに多く攻めてきたと平氏に思わせ、平氏を混乱させ、その混乱に乗じて一気に粉砕したい、義経はこう思っていました。

 

「平氏の背後、つまり一ノ谷の山側から一気に駆け降りたら、どうだろうか?」

 

義経はそう考えました。

 

そしてそれを実行に移すため、京都の西方から馬に乗って、総勢150騎で出発しました。

 

途中、馬では通るのが難しい険しい道なき道をひたすら進みました。

 

そうして、遂に眼下に平氏の本陣が見下ろせる崖の上に出ました。

 

崖の上からのぞき込むと、ものすごく急な斜面でした。

 

ここから駆け降りることができれば、確かに平氏は驚き、大混乱に陥るだろうと思われました。

 

しかし、問題は、果たして、この断崖絶壁を駆け降りることができるのだろうか、ということでした。

 

ここに、有名な話があります。

 

義経は、このあたりに住む者に、こう尋ねました。

 

「鹿はこの崖を通るのか?」

 

するとその者はこう答えました。

 

「通ります。」

 

すると、義経はこう叫びました。

 

「鹿が通れて、馬が通れぬはずがない!!」

 

「鹿と馬の違いは何か」と言われても、私には詳しくはわかりませんが、義経が言うには、たてがみの有無と蹄の有無、鹿と馬の違いはこの程度しかないので、鹿が降れる斜面なら、馬も通ることができる、とのことだったそうです。

 

そして、義経もその家来たちも一斉にその急斜面を駆け降りていきました。

彼らはそのまま駆け降りるや、平氏の本陣に向かって次々と矢で火を放ち、平氏はこれを見て大混乱に陥りました。

 

平氏にとっては、源氏が空から降ってきたように思えたようです。そして、突如降ってわいたような源氏を見て、相当な大群が現れたと勘違いし、一斉に海辺につながれている船に乗って海上に逃げていきました。

 

一度逃げようと思ってしまった軍勢はもはや統制が聞かなくなり、平氏はろくに対抗することもできず、平氏の数多くの将が源氏によって討ち取られました。そして、源氏の大勝利となりました。

 

これが、有名な一ノ谷の戦いです。

 

一ノ谷の戦いにおける源氏の勝因

この戦いの源氏の勝因は何かといえば、それは義経達による一ノ谷を駆け降りてきたこと、と言われています。

 

ただ、このときの義経の攻め方について私がもう一つ思うのは、「結局、一ノ谷は、多くの者が馬で駆け降りることができたのだな」ということです。

 

というのも、義経が駆け降りるまでは、平氏はまさかそのような急斜面を駆け降りてくるなんて思ってもいなかったわけです。誰もそんな急な坂を下りてくることなどできないと思っていたからです。

 

そして、義経軍の多くの武士も、とても降りられないと思っていたことでしょう。

 

しかし、その「降りられないと思っていた」というのは、何か根拠があってそう判断したわけではなかったわけです。

 

そんな中、義経は「実際にはどうなのか」、を考えていました。地元の者が答えた「鹿なら降りているのを見たことがあります」という言葉から、「では、馬も降りられるだろう」と考えました。そして、結果的には義経のみならず、そのほかの武士も大勢馬で駆け降りることができました。

 

一ノ谷は、見かけは凄まじい崖だったかもしれないが、実際は、馬で駆け降りることができるものだった。このように言えるのではないでしょうか。

 

そう考えると、この一ノ谷の戦いにおいて、義経率いる源氏は、「先入観にとらわれずに挑戦しようと思ったから」勝利を手にすることができたのではないでしょうか。

 

先入観に負けない勇気

 

このようなことは、私たちの人生にもあるのではないでしょうか。

 

一見難しそうで、そのため誰も行動に移したことがない、そういうものがあるとします。

 

そのため、多くの人は、「これは無理だろう」と最初からあきらめます。

 

しかし、ほんの少数の、「やってみないとわからないじゃないか」と思ってすぐに試した人だけが、成功を手にする。

 

しかもそれは、多くの人が進んでやろうとしないことだから、大勝利になりえる。

 

多くの人が試したこともないのに、「失敗するよ」というような場面。

 

そんなとき、少しの勇気をもって試してみることができる。

そんな自分でありたいですね!

 - 歴史上の人物・出来事から学んだこと