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本郷塾で学ぶ英文契約

英文契約における救済(remedy)とは?

2023/07/19
 
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英文契約・契約英語の社内研修をオンラインで提供しています。本郷塾の代表本郷貴裕です。 これまで、英文契約に関する参考書を6冊出版しております。 専門は海外建設契約・EPC契約です。 英文契約の社内研修をご希望の方は、お問合せからご連絡ください。
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第25回です!

 

今回は、「救済」という意味の表現をご紹介します。

 

契約は、当事者間の権利義務を中心に記載しております。特に、義務を中心に記載しております。

 

その義務に違反したときに、その相手方当事者が得られるもの、それが「救済」と呼ばれるものです。

 

この救済には、具体的にいかなるものがあるでしょうか。

 

一つは、損害賠償請求権です。

 

つまり、義務違反によって被った損害額分を補填するように請求する権利です。

 

次に、契約解除権です。

 

これ以上契約を継続していても、契約を締結した目的を果たせない場合に、違反した当事者の相手方に与えられる権利です。

 

この二つが代表的ですが、例えば、売買契約や請負契約において、ある製品に欠陥があった場合には、その欠陥を無償で修理・交換させることも救済の一つです。

 

また、これは非常に稀なケースですが、義務違反の行為を差し止めることを求める差し止め請求権も救済の一つです。

 

これは、秘密保持契約において、秘密情報を契約に違反して第三者に開示してしまう恐れがある場合や、実際に第三者に開示してしまった場合に認められることがあるものです。

 

このように、契約違反の場合には、

損害賠償請求権

解除権

瑕疵修補請求権

差止請求権

 

といったものが通常、義務違反をされた当事者には与えられます。

 

これらを一まとめにして言い表す表現が、「救済」です。

 

では、この「救済」は、英語ではどのように言うのか。

 

remedyです。

 

実は、このremedyという言葉自体は、英文契約書の中でそんなに頻繁に出てくるものではありません。

 

では、なぜ今回ご紹介させていただいたのかと言いますと、契約書をチェックするときは、常に、義務違反をした場合のremedyは何か?を意識していただきたいということをお伝えしたかったためです。

 

契約書は、当事者の義務を定めるものです。

 

その義務は、当然、果たされるべきものですが、残念ながら、守られない場合もあります。

 

そのような義務違反が生じた場合に、自社はいかなるremedyを得られるのか。また逆に、自社が義務違反をした場合に、いかなるremedyが相手方に与えられるのか。それを十分に認識した上で、契約を締結していただきたいと思います。

 

そうしないと、実際に義務違反が生じた場合に、「え?うちのremedyってこれだけ?」とか、「は?いくらうちに落ち度があると言っても、こんなremedyが相手に与えられるの?知らなかった!(些細な契約違反で契約を解除されてしまうとか)」といったことになってしまいかねません。

 

相手の義務違反の場合に、自社にとって必要十分なremedyが契約上・法律上与えられているのか?自社の義務違反の場合に、あまりにも不当なremedyが相手方当事者に与えられることになっていないか?これは、自社がいかなる義務を負うのか、相手方はいかなる義務を課されているのかを確認することと同じくらい、契約書のチェックの際には注意していただきたい点です。

 

目次
第1回 義務 第10回 ~に関する 第19回 知らせる
第2回 権利 第11回 ~の場合 第20回 責任
第3回 禁止 第12回 ~の範囲で、~である限り 第21回 違反する
第4回 ~に定められている、~に記載されている 第13回 契約を締結する  

第22回 償還する

第5回 ~に定められている、~に記載されている (補足) 第14回 契約締結日と契約発効日 第23回 予定された損害賠償額(リキダメ、LD)
第6回 ~に従って 第15回 事前の文書による合意 第24回 故意・重過失
第7回 ~に関わらず 第16回 ~を含むが、これに限らない 第25回 救済
第8回 ~でない限り、~を除いて 第17回 費用の負担 第26回 差止
第9回 provide 第18回 努力する義務 第27回 otherwise

 

 

第28回 契約の終了

第38回 権利を侵害する 第48回 遅延利息
 

第29回 何かを相手に渡す、与える

第39回 保証する 第49回 重大な違反
 

第30回 due

第40回 品質を保証する 第50回 ex-が付く表現
第31回 瑕疵が発見された場合の対応 第41回 補償・品質保証 第51回 添付資料
第32回 ~を被る 第42回 排他的な 第52回 連帯責任
第33回 ~を履行する 第43回 第53回 ~を代理して
第34回 果たす、満たす、達成する 第44回 第54回 下記の・上記の
第35回 累積責任 第45回 瑕疵がない、仕様書に合致している 第55回 強制執行力
第36回 逸失利益免責条項で使われる様々な損害を表す表現 第46回 証明責任 第56回 in no event
第37回 補償・免責 第47回 indemnifyとliableの違い 第57回 for the avoidance of
 
第58回 無効な 第68回 representations and warranties
第59回 whereについて 第69回 material adverse effect
第60回 in which event, in which case 第70回 to the knowledge of
第61回 株主総会関係 第71回 GAAP
第62回 取締役・取締役会関係 第72回 covenants
第63回 indemnifyとdefendの違い
第64回 Notwithstandingと責任制限条項
第65回 M&Aの全体の流れ
第66回 conditions precedent
第67回 adjustment

 

【私が勉強した参考書】

基本的な表現を身につけるにはもってこいです。

ライティングの際にどの表現を使えばよいか迷ったらこれを見れば解決すると思います。

アメリカ法を留学せずにしっかりと身につけたい人向けです。契約書とどのように関係するかも記載されていて、この1冊をマスターすればかなり実力がupします。 英文契約書のドラフト技術についてこの本ほど詳しく書かれた日本語の本は他にありません。 アメリカ法における損害賠償やリスクの負担などの契約の重要事項についての解説がとてもわかりやすいです。

 

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