英文契約のドラフトの練習 ごあいさつ

      2017/06/29

 

きっかけ

 

「英語で条文を書くときに、何かルールというか、決まりごとはあるのだろうか?」

 

2006年に電機メーカーに入社し、法務部に配属され、毎日のように英文契約を読み、そして修正する仕事をしているとき、ふと、こんなことを思いました。

 

日本語の文章を書く際や、日本語で契約書を作成するときには、このような、「条文を書く時のルールはあるのか」なんてことを考えたことは一度もありませんでした。その後10年間、企業法務として仕事をしてきて、そんなルールを積極的に学ぼうとしなくても、困ったことはありませんでした。

 

しかし、英語となると、「自分で書く」という作業が、格段に難しくなります。

 

「こんなことを表現したいんだけど、それを条文にふさわしい文章にするには、どうしたらよいのか」とか、「一応書いたけど、これで正しい条文になっているのか」といったことをよく思いました。

 

特に最初のうちは、帰国子女や周りにいる英語が得意な先輩に見てもらってからでないと、不安でしょうがない、という感じでした。

 

そんなある日、「英語で条文を書く際に、どうしてこんなに不安になるのだろう?」と思いました。

 

そしてその答えは、「自分は、英語で条文を書く際のルールを知らないからだ」と思いました。

 

それが、私が英文契約書における条文のルールを学び始めるきっかけになりました。

 

 

模索

 

私は最初、書店に行ったり、英文契約に関する外部のセミナーを受けたりしました。

 

しかし、私のこの不安を解消してくれるものにはなかなか出会うことができませんでした。書店には、英文契約の本はそれなりに置いてあります。しかし、そのほぼ全ては、「英文契約書をどう読むか?」という点に焦点を当てているものでした。

 

そういう本は、入社当初、英文契約を読んだことのない自分にとっては、とても有益でした。その本に書いてある英語を、その日本語訳と照らし合わせながら読むことで、英文契約特有の単語や表現を学ぶことができたからです。

 

しかし、そうして英文契約を読むことができるようになっても、取引先から送付されてきた英文契約書を自力で修正するとか、自分で最初からドラフトするといった力は、なかなかつかなかったように思います。

 

私はやむなく、「英文契約書に出てくる基本的な表現をかたっぱしから覚えていく」ということをしてみました。

 

これはこれで一定の効果があったように思います。「こんなことを条文にしたい」と思ったことを英語で書くことも、ある程度できるようになってきました。

 

しかし、それでも、「もっと、これぞ英文契約を自力で修正する、または書くためのルールだ!」というものはないのだろうか?という思いは消えませんでした。

 

 

大学の授業

 

思い返すと、自分がいた大学には、「英文契約を教える授業」というものは、なかったように思います。ロースクールに通っていた後輩も、「そのような授業はほとんどなかった」と言っていました。

 

海外との取引がある会社では、必ず英文の契約を結びます。そのため、そういう会社で働く場合には、法務に限らず、営業部門も、技術部門も、企画部門といったスタッフ部門でも、英文で書かれた契約書を読んで、自分で修正する力がある程度はあった方がよいのではないでしょうか。

 

しかし、大学では、あまりその方面の力を伸ばそうとする取り組みが行われていないのは、なぜなのでしょう?

 

この答えはわかりませんが、ある日、私は、外国、例えば、米国の大学では、そういう「英語で条文を書く際のルールのような授業」があるのではないか?と思いました。

 

そこで、アマゾンで、legal writingというワードで検索してみたところ、それらしい本が何冊か出てきました。

 

そして、それらの何冊かは、都内の書店の洋書コーナーにありました。

 

 

発見

 

その中の一冊を手に取り、数ページ立ち読みしました。すると、私が長年知りたいと思っていた英文契約における条文を書く際のルールが書いてありました。

 

私は、「ついに見つけた!」と思い、その本を早速購入し、読みふけりました。

 

その本を読んでみると、次のようなことが分かりました。

 

 

英文契約も、文書である。

 

英文の条文も、文章である。

 

よって、「よい英文契約の条文」とは、「よい英語の文章」である。

 

したがって、「よい英文契約の条文」を書くためのルールは、「よい英語の文章」を書くためのルールとほぼ同じである。

 

 

私はこれを知り、まさに、目から鱗でした。

 

というのも、「英文契約書は、特殊な文書であるはずだ」と思っていたからです。

 

「普通の英文のルールは、英文契約書には当てはまらない」、そんな風にすら考えていました。

 

実際、初めて英文契約書を読んだ時に思ったのは、「なんて長ったらしい、どこに主語があるのかもわからない、複雑な英文なのだろう」ということでした。

 

しかし、この本を読んで、「英文契約も、そのほかの英語の文章も、同じように、「読んでわかりやすい文章であるべき」という基本方針を貫くべきだ」ということに気づかされました。

 

実際、その本に書いてあることを学んでから、自分の中で何かが変わったような気がします。英文を修正することや書くことが、それまでよりも楽に、そしてずっと自信をもって取り組めるようになったように思います。

 

そこで、この本に書いてあったことや、10年間法務として海外案件に従事してきた経験の中で、特に重要だと私が思ったものについて、ご紹介していきたいと思います。

 

海外取引にかかわる仕事をされている方に読んでいただき、少しでも何か役に立つ情報を提供できればと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

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