私のEPC契約の勉強方法① 複数のEPC契約を比較しながら読む

      2017/06/11

 

EPC契約が難しい理由

 

EPC契約を読んで適切にチェックし、必要個所を修正することが難しいと感じる人は多いようです。

 

その理由はいくつかあると思います。

 

まず、その分量です。

 

EPC契約は、その他の契約書よりも、分量が多いように思います。

 

添付資料も合わせると、100ページを超えるものが普通にあります。

 

時には、200ページを超える場合もあります。

 

こんなに分量が多いと、途中で読むのが嫌になるし、また、前に読んだところの内容も読みながら忘れていってしまいそうです。

 

また、プラント建設の流れを把握していないと正確に読み切ることができないように思います。

 

例えば、法務部の人で、契約や法律の知識があっても、プラント建設の流れを理解していない場合には、EPC契約は、字面を読むだけで終わってしまいがちです。

 

逆に、技術者や営業職の方々は、プラント建設の流れは理解できていても、英文契約についての知識が十分でないために、充分にチェックするのが難しいのではないでしょうか。

 

そして、EPC契約書を一番難しくしている原因は、良い参考書がない、という点だと思います。

 

この点、市販されている英文契約書の参考書は、みな、秘密保持契約書や売買契約書といった、せいぜい10ページ程度のものがほとんどです。

 

日本人が作成したEPC契約に関する詳細な解説書を私は見たことがありません。

 

結局私は、日々の仕事の中で毎回EPC契約書を手探りながら読んでいくことで徐々に学んでいきました。

 

 

私のEPC契約勉強法

 

あるとき、このEPC契約に限らずだと思うのですが、私は、とても効果的な勉強方法に気が付きました。

 

それは、複数のEPC契約書を、並行して、比較しながら読み込むことです。

 

EPC契約書は、分量が多いので、つい、「とにかく最後まで読み込もう」という意識が強くなりすぎ、内容を十分に吟味して、味わって読むということがおろそかになりがちです。

 

さらー、と読んでいく感じになってしまうと、そのような読み方で何度読んでも、何が重要なポイントなのかがわからない、ということも起きると思います。

 

しかし、複数のEPC契約書を比較しながら読むと、内容がしっかりと頭に残ります。

 

「こっちの契約書にはこう書いてあるのに、もう片方の契約書には違うことが書いてある。」

 

「この点は、どちらも同じことが書いてある」

 

といったことを一条一条見ていくと、理解が深まります。

 

そして、結局EPC契約書も、どれも基本的な内容は変わらず、ただ、どこまで詳細に定めるか、そして、オーナーにより有利な内容になっているか、それともコントラクターへの配慮がなされているかの違いだと気が付くと思います。

 

この、複数のEPC契約書を並行して比較して読んでいく際にお勧めなのが、タームシートを作成しながら読むことです。

 

タームシートとは、主要な条文についてその内容を端的にまとめたリストです。

 

具体的には、以下のようなものを指します。

 

項目 契約書A 契約書B
スコープ
ボンド
設計
試験
検収
納期遅延
性能未達

 

私は、このタームシートを作成した後で見直したことはほとんどありません。

 

しかし、これを作成する過程でEPC契約書をしっかりと読み込んで、かつ、比較するようになります。

 

そうすると、各条文への理解が飛躍的に高まります。

 

もっとも、これは、かなり時間のかかる作業です。

 

しかし、例えば、一日1条ずつやる、と決めてやれば、二ヶ月かからずに全ての条文について比較しながら読むことができると思います。

 

そうすると、それまでよりも、EPC契約についてかなり理解度が深まっていることに気が付くはずです。

 

このとき、どのEPC契約を読んでもよいと思いますが、私のお勧めは、EPC契約のモデルフォームであるFIDICとENAAです。

 

この他に、自社が過去に締結した代表的なEPC契約書を、モデルフォームとの差を意識しながら読むと、効果絶大だと思います。

 

「EPC契約を得意になりたい!」という方は、試してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

私のEPC契約の勉強方法② 全体の流れを理解し、常に全体の中のどこの話か?を意識する

 

 - EPC契約のポイント