EPC契約におけるオーナーによる追加費用の負担について

      2017/06/11

 

オーナーに対して追加費用を請求できる主な場合

 

EPC契約におけるオーナーの義務の最たるものは、コントラクターへの契約金額、つまり対価の支払いです。

 

この契約金額に加えて、コントラクターに生じた追加費用をオーナーに負担してもらうべき場合としては、以下のようなものがあります。

 

  • オーナーが仕様変更をコントラクターに命令し(Change Order)、その仕様変更命令に従うことによって追加費用が生じる場合

 

  • オーナーがコントラクターの作業を中断するように命令し、その中断によってコントラクターに追加費用が生じる場合(ただし、作業を中断するようにオーナーが命令したのはコントラクターに原因があるわけではない場合)

 

  • コントラクターが契約上の義務を履行する上で適用される法律や規則等が変更となり(税法も含む)、その変更に伴ってコントラクターに追加費用が生じる場合

 

  • オーナーが自己の義務に違反し、それによってコントラクターに追加費用が生じる場合

 

上記が、オーナーがコントラクターに生じた追加費用について負担するべき事項の代表的なものです。

 

コントラクターがEPC契約においてもっとも避けたいのは、コスト・オーバーランに陥ることです。

 

この追加費用を適切にオーナーに負担してもらうようにしないと、簡単にコスト・オーバーランに陥ってしまいます。

 

上記のような場合に、コントラクターが追加費用を請求できる旨、および、その請求するための実際の手続きが明確に定めてあるかをぜひ確認するようにしてください。

 

また、この追加費用のオーナーへの請求権は、「コントラクターターがオーナーに対して請求できるようになった日から一定期間内に行使しないと消滅する」といったことが定められていることが多いです。

 

そのため、契約にこの追加費用請求権についての定められているだけで安心することはできず、実際の運用の際にも、その期間や請求する際の条件に特に気を配るようにしてください。

にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ
にほんブログ村

 

EPC契約の流れ

Scope of Work

サイトに関する情報

オーナーの義務

契約金額の定め方と追加費用の扱い

追加費用の負担について

ボンドについて

入札保証ボンド

前払金返還保証ボンド

履行保証ボンド

瑕疵担保保証ボンド

ボンドのon demand性を緩和する方法

コントラクターによる仕事の開始時期(納期の起算点)は?

仕事の遂行

設計(design)の条文について①

設計(design)の条文について②

仕様変更① 仕様変更とは?

仕様変更② クレーム手続きと仕様書に書かれていない事項

仕様変更③ 納期延長と追加費用の金額が合意に至らない場合の扱い

プラントの試験①

プラントの試験②

プラントの検収条件と効果

危険の移転時期とその例外

債務不履行

納期延長の場合のコントラクターの責任① 納期延長になる場合

納期延長の場合のコントラクターの責任② LD/リキダメ

納期延長の場合のコントラクターの責任③ 納期LDの上限

納期延長の場合のコントラクターの責任④ sole and exclusive remedy

納期延長の場合のコントラクターの責任⑤ 中間マイルストーンLD

性能未達の場合のコントラクターの責任① 性能保証と性能確認試験

性能未達の場合のコントラクターの責任② 最低性能保証・性能LD

責任制限条項① Limitation of Liability/LOL

責任制限条項② 適用される場合と適用されない場合

瑕疵担保責任① 総論

瑕疵担保責任② オーナーの通知義務とコントラクターのアクセス権

瑕疵担保責任③ 保証期間の延長

瑕疵担保責任④ Disclaim(免責)条項

作業中断権① 中断権の存在意義

作業中断権② 中断権行使の効果

不可抗力の扱い① Force Majeureとは何か?

不可抗力の扱い② Force Majeureの効果

不可抗力の扱い③ Force Majeureの効果を得るための手続き

不可抗力の扱い④ Force Majeureが長期間継続した場合

法令変更について

契約解除① なぜ解除の理由によって解除の効果が異なるのか?

契約解除② オーナーの義務違反に基づくコントラクターによる契約解除

契約解除③ オーナーの自己都合解除

契約解除④ コントラクターの債務不履行に基づくオーナーによる契約解除

契約解除⑤ 不可抗力事由が長期間継続した場合

私がEPC契約で真っ先に確認する点①

私がEPC契約で真っ先に確認する点②

私がEPC契約で真っ先に確認する点③

 

関連する記事

EPC契約におけるコストオーバーランの原因と対策

① はじめに

② コストオーバーランとは何か?損害賠償とは何が違うのか?

③ 初めて受注する案件での経験不足からくる見積もり落ち

④ 仕様書記載の解釈の違いと仕様書に記載がない事項

⑤ 手続きをし損ねた場合

 - EPC契約のポイント