伊藤博文って何をした人?

      2017/02/15

 

「日本で最初の内閣総理大臣は誰か?」

 

こんな問題が小学校の試験から大学受験に至るまで、よく出題されているのではないでしょうか。

 

この答えが伊藤博文だということは多くの人が知っていると思います。

 

あまりにもこの問題が何度も試験に出題されるので、あたかも伊藤博文はそれだけの人、という気もしてくるのは私だけでしょうか。

 

第三級の人物?

 

教科としての歴史が好きな人にしてみると、伊藤博文は主に明治時代に活躍した人物、というイメージがあるかもしれません。

 

実は、長い間、私にとって伊藤博文は、あまりよいイメージがありませんでした。

 

その理由は、高校の時の日本史の授業で先生が言った以下のような説明だと思います。

 

「幕末から明治維新のために活動した志士の中で、第一級の人物達は明治の世を迎えるまでに命を落とした。坂本竜馬や高杉晋作がそのグループに入る。次に、第二級の人物達は、明治10年までに命を落とす。西郷隆盛、大久保利通、そして桂小五郎などがそこに入る。明治時代に栄華を誇ることができたのは、第三級の人物達である。」

 

として、この第三級の人物の一人が、伊藤博文だ、という話でした。

 

これを聞いたときは、「なるほど。伊藤博文は初代総理大臣になるような人だから相当すごいのかなと思っていたけど、高杉晋作の子分のような扱いに過ぎなかったのか。それでも、幕末に命を先に落としてしまった者達のおかげで、吉田松陰の松下村塾の出身だということで、明治になってからは長州閥の1人として、いい思いができたということか・・・」こんな風に考えてしまったのです。

 

しかし、後になって、実は伊藤博文は、幕府の許可なく外国に行った場合には死刑になるような時代に、英国の文化・産業を学ぶために密航したことや、高杉晋作が長州藩の佐幕派(幕府を補佐する側、つまり、倒幕とは逆の立場)を倒すために決起した功山寺挙兵の際に真っ先に賛同の意を示して命がけで戦ったりしたという事実を知り、「これでどこが第三級の人物なの?」と思いました。

 

功山寺挙兵

 

特に、高杉による功山寺挙兵のときは、高杉に従う者はかなり少なく、人数から考えると、高杉の挙兵は無謀なもので、自殺行為とも思えるようなものでした。

 

明治に入り、日露戦争では参謀総長にもなる山縣有朋ですら、この時は高杉の決起に反対しました。

 

後年、伊藤博文は、このときの決起賛同を振り返り、次のように述べています。

 

「私が、唯一、人に誇れるものがあるとするならば、それはあの決起の呼びかけに対して誰よりも早くに賛同したことだ」

 

やはり、伊藤博文の人生の中でも、最も大きな決断だったのでしょう。

 

そして、結果的に高杉の決起は成功し、これがもとになって、幕府による第二次長州征伐にて長州藩は幕府軍を退却させ、その後倒幕へと進みます。明治維新がその後の日本にとって良かったことなのかどうかはわかりませんが、この時の功山寺挙兵は、まさに、日本史の中での大転換点だったといえるのではないでしょうか。そしてそれを成功に導いた立役者は、高杉と伊藤と言ってよいでしょう。

 

こう考えると、伊藤博文は、全く三級の人物ではないように感じます。

 

伊藤博文は、幕末にその命をかけて活動しました。それは、彼が志を持っていたからで、決して、気軽な気持ちでの活動ではなかったと思います。

 

「リスクがあっても、そこに勇気をもって飛び込むこと」これが、伊藤博文が後に成功したことの原点であるように私には思えます。

 

結果には必ず原因がある

 

結果には、必ず原因があると思います。結果に至る過程もあります。その原因・過程こそが、私たちが学ぶことができることの宝庫です。

 

伊藤博文の、高杉の決起に真っ先に賛同した、というエピソードは、私に、「結果だけではなく、原因に思いを馳せることの大切さ」を教えてくれました。

 

会社で言えば、若くして部長になるような人は、やっぱり、もっと若いときから仕事の仕方や取り組み方が他の人と違っていた、キラリと光る何かがあったのでしょう。そこのあたりを、その本人や、周りの方々に聞いてみると、何か後の成功へのヒントや、自分が学べる何かがわかるかもしれません。

 

伊藤博文って何をした人?

 

もしも今、「伊藤博文って何した人?」と聞かれたら、「初代内閣総理大臣になった人だよ」というのではなく、私はこう答えたいと思います。

 

「高杉晋作が、例え一人でも長州藩内の佐幕派と戦う、として決起しようとしていたときに、他の誰よりも早く、その決起に賛同して、高杉と一緒に戦った人だよ」と。

 

 - 20代・30代の仕事の仕方, 歴史上の人物・出来事から学んだこと