英文契約の参考書の紹介③~体系アメリカ契約法~

      2017/06/18

今回ご紹介するのは、「体系アメリカ契約法~英文契約の理論と法務~」です。

 

これは、中央大学出版部から出版されており、著者は中央大学教授の平野晋氏です。

 

 

特徴とお勧めの使い方

 

サブタイトルにある通り、この本で英文契約の理論がわかるようになっています。

 

内容は、とても詳しいです。

 

例えば、「完全合意条項」一つをとっても、ここまで詳しく解説されている参考書を私は他に知りません。

 

英文契約を読んでいて遭遇する様々な概念について、「これでもか!」というくらい詳しく書かれています。

 

しかし、もしかすると、これから英文契約書を勉強しようとしている初心者がこの本から読み始めた場合、次のように感じてしまう可能性があると思います。

 

英文契約の世界って、難しい・・・

 

そして、「こんなに難しい世界は、やっぱり自分には無理」と思い、英文契約を勉強し続けることをあきらめてしまうことになりかねないような気もします。

 

といいますのも、私自身が、英文契約の仕事に携わり始めた初期にこの本に出会い、「詳しそうだ!」と思って購入したものの、その後実際に読み始めると、難しくて途中で読むのをあきらめた経験があります。そしてその後、英文契約に関する実務経験を数年重ねた後で再度読んだところ、「これ、すごくいい本だな!」と思いました。

 

というわけで、私は、この本は、一通り英文契約の基本を抑えた人、具体的には、仕事で英文契約を何度もチェックして修正したことがあり、英文契約に通常どのような条文が定められているかを理解している人が、改めてしっかり英文契約の理論を学んでみたい、と思った場合に読むのがよいのではないかと思います(実務を数年経験した方くらいでもよいと思います)。つまり、中級以上の人向けなのではないかと感じています。

 

そのレベルの人が読めば、これまであまり深く考えずに読んでいた英文契約の条文について、「そういうことだったのか!」と新たに気づかされるところがあったり、これまで漠然としか理解していなかった事項について、理解が深まったりするという効果があるように思います。

 

というわけで、この本のお勧めの使い方は、実務を数年経験された中級以上の方が、改めて、「英文契約の理論を学ぶ」ために読む、というものです。

 

もちろん、初心者がいきなりこれを使って勉強し始めてはいけないかといわれると、必ずしもそうではありません。ただ、初心者がこれを読み始める場合には、次のことに注意されたら良いと思います。

 

1.           「ここに書いてあること全てを理解できなくても、実務は充分にこなせる」ということを頭に入れておく。

 

2.           「読んでいてわからない点は、とりあえずとばし、とにかく最後まで一度読み切る。つまり、まずは英文契約の理論の全体像を理解することに努め、その後わからなかった部分をあらためて読んでいく。一箇所の難解な部分で立ち止まってしまわない。」

 

3.           一気に全部読もうとせず、小分けにして少しずつ読んでいく(1日10ページ読めば、60日程度で終わります。つまり、二ヶ月程度です)。難しいものは、小分けにして読んでいくことが長続きする秘訣です。

 

英文契約の参考書の紹介①~英文ビジネス契約書大辞典~

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