「コントラクターとオーナーの仕事関係」 ~EPC契約における相互に関係性の強い条文群②~

   

1.     コントラクターとオーナーの仕事関係

 

コントラクターとオーナーの仕事関係の条文群は以下のようなものです。

コントラクターのスコープ

オーナーのスコープ

オーナーの義務違反の効果

 

ここでは、プラントを完成させるために必要となるあらゆる仕事が、コントラクターとオーナー間で適切に分担されているか?をチェックします。

 

当たり前ですが、「コントラクターの仕事」+「オーナーの仕事」=「プラントが完成する」となるはずです。

 

もしも、「コントラクターの仕事」+「オーナーの仕事」=「プラントが完成する」とならない場合には、何か足りない仕事があることになります。

 

その足りない仕事は、最終的には、コントラクターの仕事とされることが多いです。

 

といいますのも、通常のEPC契約には、「オーナーの仕事と明記されていない限り、プランを完成させるために必要となるあらゆる仕事はコントラクターの仕事である」と定められていることが多いためです。

 

よって、コントラクターとしては、「自分の仕事ではない」と思うことは、ことごとくオーナーの仕事としてEPC契約に明記する必要があります。

 

そのため、コントラクターの仕事とオーナーの仕事は密接な関係があると言えるわけです。

 

そして、ここで重要となるのは、オーナーがその仕事を契約に定められた通りに遂行しない場合には、オーナーの義務違反として、コントラクターは「納期延長」と「追加費用」を得る必要があります。そのために、オーナーに(あるいはエンジニア等)に対してクレームをする必要がでてきます。このクレームがなされないと、納期が延長されず、追加費用ももらえないことになってしまいます。こうなると、コントラクターはコストオーバーランに陥っていく可能性がでてきます(コストオーバーランとは?)。

 

したがって、「コントラクターのスコープ」、「オーナーのスコープ」、そして「オーナーの義務違反の場合の効果・手続き」を一まとめのグループとして読むと、整合性のとれたチェックとなるはずです。

 

ちなみに、コントラクターの仕事とオーナーの仕事の条文は、EPC契約の始めの方に定められていることが多いです。

 

また、オーナーの義務違反の効果と手続きは、オーナーの仕事の条文に定められていることよりも、「納期延長事由」の条文に定められている場合が多いように思います。つまり、本来、一塊の条文群として一緒にチェックしたいのに、定められている場所がバラバラとなっていることが予想されます。そのため、チェック漏れを生じやすいと言えます。特に、オーナーの義務違反の場合には、コントラクターとしては「納期延長」のみならず、「追加費用」も得たいので、その点もカバーされているかを見る必要があります。

 

そこで、関連する条文の探し方として、wordのキーワード検索が便利です。

 

ここでは、「オーナーの義務違反による効果・手続き」に関する条文を見つけるために、例えば、「extend(~を延長する)」、「extension(延長)」、「due to the Owner’s breach(オーナーの違反に起因して)」、「due to the Owner’s failure(オーナーの不履行に起因して)」、「additional cost(追加費用)」といったようなキーワードで検索すれば、関連する条文がヒットしてくれる可能性があります。

 

 - EPC契約における相互に関係性の強い条文群