業務提携とは何か~業務提携を進めるための基礎知識①~

      2017/03/08

「業務提携とは何か?」

 

業務提携とは、概ね次のようなものです。

 

特定の分野に限定をして複数の企業が業務上の協力関係を持つこと、またはその契約をいう

 

簡単にいうと、自社単独ではなく、他社から一定の支援を受けて、あるいはお互いに協力し合うことを合意した上で、業務を進めていく関係を構築することです。

 

私は、企業に入る前は、企業は、自社単独で業務を進めるものだと思っていました。

 

しかし、電機メーカーに入社して思ったのが、「意外と企業は、社と色々な業務提携を行っているのだな」ということでした。

 

企業法務として働いている間、いくつもの業務提携案件に関わりました。

 

その時によく思ったのが、「業務提携の進め方」について社内で共有されていない、ということでした。

 

そのため、はじめて業務提携に関わることになった営業部門や企画部門の方々は、業務提携を進めていく際に、大きな不安を抱えているように思えました。

 

例えば、

 

「上司から、他社と業務提携をするように言われたが、そもそも業務提携とは何なのか

 

「業務提携を進める場合、どのような契約を締結するべきなのか?」

 

「業務提携のための契約では、具体的にどのような点に注意するべきなのか?」

 

といったことが、認識されていないように感じていました。

 

そこで、このブログでは、数回に分けて、業務提携の目的、業務提携を進める上での注意点、主な業務提携の種類、各業務提携によって期待される成果、各業務提携における重要事項等について書いていきたいと思います。

 

 

業務提携の目的

 

あなたの会社のみでは解決できない問題、またはあなたの会社のみでは解決することが困難な問題について、他社から支援を受けることで、あるいは一緒に協力していくことで乗り越えていくことが目的です。

 

つまり、あなたの会社単独でできるならば、業務提携を他社と行う必要はありません。

 

あなたの会社単独では解決できない問題、または、解決することが困難な問題を解決すること、これが、業務提携の目的と言えます。

 

ここで強調したいのは、業務提携をすることが目的になることはない、ということです。

 

業務提携は、あくまで、「あなたの会社の前に立ちはだかる問題や障害を解決するための手段」なのです。

 

なぜこの点を強調するのかと言いますと、時々、社内が、「業務提携をすることそれ自体が重要だ!」という雰囲気になることがあるからです。

 

そうなると、目的達成には貢献しないような業務提携を行うことになったり、費用対効果の点で疑問があるような業務提携を進めてしまったり、ということになりかねません。

 

業務提携は、その内容にもよりますが、意外と時間と労力がかかります。

 

そのような時間と労力をかける結果が、単に「業務提携契約を締結できました!(しかし、そこから何か会社にとって有益な成果がでるわけではない)」というものであったとしたら、悲しいですよね。会社にとっても、これは損失となるでしょう。

 

よって、業務提携とは、あくまで、「解決したい問題を乗り越えるための手段に過ぎない」という点を常に認識し、その目的に合致する業務提携契約にしようと思い続ける必要があります

 

 

業務提携における主な留意点

 

次回から、主な業務提携についていくつかご紹介しますが、まず、一般的に、どの業務提携を進める場合でも重要となる注意点をお話ししたいと思います。

 

 

  • 注意点①

 

あなたの会社のみが有利になる条件で相手方と契約締結できることはまずない

 

理由:他社から支援を受ける、あるいは一緒に協力していくのが業務提携ですので、あなたの会社の利益だけが優先される形で契約が締結されることはまずないと考えて頂いたほうがよいと思います。

 

例えば、あなたの会社がある一定の支援を他社から受ける形の業務提携を望む場合には、あなたの会社はその対価を他社に対して支払う必要があります。ただで支援を受けられることはありません。

 

 

  • 注意点②

 

「業務提携契約には、あなたの会社が他社から受けたい支援、または一緒に協力する事項を明記する(つまり、あなたの会社の権利と義務を明確に定める必要があります)」

 

理由:業務提携においては、他社から一定の支援を、あなたの会社が求めるタイミングで、かつ、あなたの会社が求める態様で受ける必要があります。

 

それがなされないと、あなたの会社の目的は果たされません。

 

そのため、まずは、あなたの会社が受けたい支援の内容を契約に明確に定め、かつ、それが契約に従って相手方から得られなかった場合には、契約を解除できる、および、損害賠償を請求できる、というように、他社にある行為をなすように強制させることができる形で合意する必要があります。

 

 

  • 注意点③

 

「提携相手を探す際は、最初から本音で語り合うべき」

 

理由:あなたの会社が得たい支援、およびその対価等、業務提携におけるコアとなる重要事項で、あなたの会社が譲歩できないものを中心にまとめたリストのようなものを一番初めに業務提携の候補者に対して提示し、その時点で難色を示す相手とは、その後時間をかけて協議をしてもまとまらない可能性が高いと思います。

 

あなたの会社がその重要事項について譲歩できるなら別ですが、そうでない場合には、その候補者には速やかに見切りをつけて、次の候補者との提携を考えた方が費用と時間の無駄を省くことができます。

 

そこで、業務提携先を模索する際には、最初に、「自分の会社は業務提携によって何を得たいのか?」を明確に文書化し、それを社内である程度の役職の方(必ずしも社長ではない)も含めて検討した上で、相手先候補者に提示する、というステップが重要になると思います。

 

これを怠り、最初に些末な事項の話をはじめでしまい、大分協議が進んでから、最も重要な事項について相手方と協議をして、その時点で意見の相違が生じると、「それまでに費やした時間と費用がもったいない」と感じてしまい、相手方の主張を受け入れる、つまり、本来であればあなたの会社が妥協してはならない条件で相手方と契約を締結する方向になってしまいがちです。

 

そのような状況に陥るのを防止するためには、上記の実施は必要不可欠です。

 

次回は、主な業務提携をご紹介します。

 

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