C評価は、A評価よりも優れている
2017/03/04

「ある大学の専門科目の講義中における教授のアドバイス」
「ところで、大学生活も1年が経ちましたが、どうですか?みなさん。大学生活にはなれました?まさか大学の勉強ばっかりしている人はいないと思いますが、念のために毎年2年生になった学生の方々に言っているんですが、大学では、試験でA評価なんか目指しちゃだめですよ。試験はことごとくC評価目指すべきですからね。
「どうして?」という顔をしている人が多いですね。そうですよね・・・やっぱり言われないとわからない人って結構いるんですよね。
うすうす気が付いていると思いますが、社会に出たときに、大学で学んだ知識がどれだけ役に立つと思いますか?ほぼ全く役に立たないんですよ。
それはなぜか?
いいですか?大学は研究機関であって、一方、会社はそうではなく、利益追求団体だからですよ。
もちろん、会社の中にも研究所をもっているところはあります。しかし、たいていその研究所でも、「近い将来会社の利益につながるだろうと思われること」をするのです。
一方、大学は、「いつ役に立つかわからない、もしかしたら、一切役に立たないことかもしれないことも含めて、とにかく研究する」という機関なのです。
こういうと、大学って無駄なところと思われがちですが、決してそうではないですよ。
「いつ役に立つかわからないもの」が、「いつか役に立つ」こともあるんです。
大学では、そういうものをとことん追求できるのがよい点です。そういうものが世の中を思いがけず進歩させますからね。
なので、両者は全く目的を異にしていると思ったほうがよいでしょう。
では、会社で重要になる力は何だと思いますか?
複数のことを次から次へと処理していく力です。
一方、大学の研究は、一つのことを追及していくことがメインです。
この違いは大きいです。
会社では、決められた期間内に一定の成果を出すことを求められます。完璧なレベルなんて求められません。とにかく毎日毎日次から次へとやるべきことが出てきます。一つのことにのみのめり込んでしまう人がいたら、仕事はまわりません。そういう人は、組織から見たら迷惑ですらあります。
では、次から次へ降ってくる仕事をこなすために必要な力はなんだと思いますか?
それは、決して100点を取る力ではありません。とりあえず合格点を取る力です。しかも、素早く、確実にです。
「仕事の合格点とは何か」は、その仕事によって異なります。会社に入ったら、自分の仕事の合格点を常に意識するべきでしょう。
決して、100点を目指してはいけません。よほど暇な部署にでも配属されない限り、100点を目指す人は害です。そういう100点に拘る人は、一瞬は高い評価を受けるかもしれません。一見、ものすごくできる人に見えるからです。しかし、そういう人は、仕事が次々と舞い込んできたときにその欠点を露呈します。
具体的には、「私はこの仕事で忙しいので、他の人に割り振ってください」と言い出します。他の人ももちろんそれなりに忙しいのです。その状況を見て、上司は仕事を割り振っています。にも拘わらず、自分一人はさも芸術品を仕上げようとするがごとく、一つまたは少しの仕事の質を高めようとします。上司は、全体的にうまくやってほしいだけなのです。
では、その人たちは、「合格点ぎりぎりを超えるように」仕事をすることができるでしょうか?
できません。なぜなら、そういう人たちは、100点の取り方は知っていても、合格点が何かを知らないからです。
というよりも、その手の人たちからしてみると、合格点はまさに100点だけなのです。
しかし、100点を取らないと合格できない試験なんてありません。世の中で難関と言われているような大学ですらも、6割とれば合格できます。
要は、その人達は、ポイントが分かっていないのです。あれも大事、これも大事、という人なのです。
社会では、この合格点を把握し、それを超えるだけの仕事を次々としていく力が重要になります。
これはつまり、「その仕事の本質は何か?」を知ることが前提になります。
「何が重要か?」「はずしてはいけないポイントは何なのか?」
取り組む仕事ごとにこれらを掴む力が必要になります。
それは、仕事の中で掴むこともできますが、この大学でも養うことができます。
それは、常にテストでC評価を狙っていくというものです。
C評価を毎回確実に取るためには、その授業の中で講義される内容の本質を理解する必要があります。
ここで重要なのは、決してA評価を取ろうとしないことです。大学の授業は、時間をかければ、誰でもA評価を得ることができます。
そうではなく、あえてC評価だけを狙っていくのです。B評価もダメです。C評価を狙ってC評価を確実に取りに行くのです。
このことは、思っているよりも簡単ではありません。うっかり本質を外した勉強をすると、単位を落とします。一方、あれもこれもと手を広げて勉強すると、B評価やA評価まで取ってしまいます。
ここまで聞いて、おそらく、ふざけたことを教える教授だと思われた人もいることでしょう。しかし、私は大まじめです。実際、私のこれまでの経験で、学生時代にA評価ばかり取っていた人は、退屈な人間ばかりです。
そもそも大学では、色々なものに自分の興味が広がるのが普通です。大学が用意した科目の勉強はつまらない。自分はこっちにより興味がある、こう思うのが普通です。
にも関わらず、A評価をとるために、与えられた科目だけ勉強して、それだけで大学生活を過ごしてしまうような人は、社会に出てからも、教科書を与えられることを望むようになります。
社会に出ると、教科書なんてありません。自分で問いを立てて、自分でその問題を解いていくのです。誰も「はい、この問題を解いて。そのためには、これを見ればわかるから」なんて言ってくれません。
A評価を取るために大学生活の大部分の時間を過ごした学生は、そのような社会人になります。
一方、大学の授業はそこそこに、自分の興味の赴くままに何かに夢中になりだす人は、大学の授業での単位の取得のための勉強は必要最低限にしたいと思うようになります。C評価を取ればよい、あとは自分が好きなことに時間を費やしたい、こう思うのです。
すると、自然と、「C評価を確実に取るにはいかなる点を抑える必要があるのか?」と考えます。単純な山をかけることは、単位を落とすリスクもあるので、そのようなことだけに頼りません。試験で確実に出るのは何か、そしてC評価を取るためにはどこまで勉強すればよいか、と考えます。
そうして結果としてC評価を取っている人は、その授業の本質を理解している人です。あれもこれもと勉強してA評価をとる人よりも、はるかに本質は何かをわかっているのです。社会に出たときにどちらのタイプが活躍するかは明らかです。
ここで一つ注意したいのは、大学の授業に自分が本心から興味を持てたというものであれば、A評価を取るほど勉強することを否定しているのではありません。
私が言いたいのは、大学生にもなって、大学がこれを学べと言っているからという理由でつまらないと思いつつ、「とりあえずいい点数を取っておいたほうが就職に有利になるかもしれないから」というくだらない理由のために、せっかく勝ち取ったこの自由な時間を無駄にするな、と言いたいのです。
それに、大学の授業の評価で採用を決めるような企業はろくな会社じゃありません。よって、いい評価を得ても、たいして就職に有利になりはしない、とも言いたいのです。
そんなことを気にするよりも、自分が興味を持ったものにとことん打ち込み、かつ、物事の本質を理解する練習をこの大学でしたほうがその後の人生に大いに役立つ、と言いたいのです。」
この自由な大学という場を、高校生の延長としかとらえず、相変わらず与えられた科目をまじめにこなしていれば将来いいことがあるはずだ、なんて考えるのは、もはや思考の停止でしょう。そんな人間が、社会で役に立つ人間になれるはずがないじゃないですか。
では、脱線はこのくらいにして、テキストの○ページについて解説します・・・。」
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