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二重課税と租税条約 営業部門・法務部門が知っておきたい税務の基礎知識②

      2017/03/11

まず、あなたの会社に課される法人税の基本的な考え方を理解しておきましょう。

 

全世界所得

 

あなたが働いている日本の会社(登記簿に日本の住所が登録されている企業)は、毎年、法人税を日本の税務当局に支払っているはずです(赤字の会社は支払っていないかもしれませんが、ここではちゃんと利益が出ているものとします)。

 

法人税は、法人の「所得」に課される税金です。

 

ここで、一つ質問です。

 

あなたの会社に課税される所得とは、具体的には何でしょうか?

 

①    あなたの会社が日本で得た所得だけ

②    あなたの会社が海外の国で得た所得も含まれる

 

答えは、②です。

 

つまり、あなたの会社は、日本で得た所得のみならず、海外で得た所得にも、日本の税務当局から法人税を課されるのです。

 

具体例で示しますと、あなたの会社が外国であるA国に支店を持っており、その支店がA国で商売をして得た所得についても、日本の税務当局は法人税を課すのです。

 

このように、日本国内だけではなく、海外で得た所得にも法人税が課されることを、「全世界所得課税」といいます。

 

 

二重課税

 

ここで、2つ目の質問です。

 

あなたの会社がA国にもっている支店がA国で稼いだ所得について、A国は税金を課さない、と思いますか?

 

「それはそうでしょ!だって、A国で支店が稼いだ税金については日本で法人税が課されるんだから!」

 

そう思った人もいるかもしれません。

 

でも、答えは、「A国で支店が稼いだ所得に、A国の税務当局は税金を課す」なのです。

 

その結果、日本のあなたの会社がA国で稼いだ所得については、日本とA国で課税されることになります。

 

このように、同一の所得について二回重ねて税金が課されることを、「二重課税」と言います。

 

 

外国税額控除制度

 

二重課税。

 

これって、大問題ですよね?

 

「二回も税金を課されたら、利益がどれだけ残るんだろう・・・?」

 

全くその通りです。これではまるで、税金を納めるために稼いでいるようなものです(もちろん、そのような要素はあるのでしょうが・・・)。

 

でも、ちゃんとこの場合に備えた制度があります。

 

それが、外国税額控除制度というものです。

 

これは、「二重課税を排除するために、日本での納税額から、外国で得た所得に対して外国で課税された税金を差し引く仕組み」です。

 

このような制度は日本だけにあるわけではなく、日本のように全世界所得に課税している国は、二重課税を防止するために設けているようです。

 

 

租税条約

 

「おお!よかった!それなら結局、二重課税なんてされないと考えていいんだね!」

 

そう思った方も多いかもしれません。

 

しかし、実際はそうではありません

 

外国税額控除制度には、控除される金額に制限があったり、また、課税のタイミングや各国の税金についての制度に差があるため、外国税額控除制度をもってしても、完全に二重課税を排除できるわけではないのです。

 

そこで、そんなやっかいな二重課税をできる限り防止するために、日本は外国と「租税条約」という条約を締結しています。

 

この条約は、日本と相手国との間で、どちらに課税する権限があるのかを相互に取り決めているものです。

 

この租税条約について、覚えておきたいポイントが2つあります。

 

一つは、「租税条約は、日本は全ての国と締結しているわけではない」ということです。

 

つまり、「租税条約を締結していない国での所得については、二重課税となるリスクがある」ということになります。

 

二つ目は、「租税条約は、相手国毎にその内容が違っている」ということです。

 

つまり、「租税条約を確認する必要が生じた場合には、まさにその問題となっている国との租税条約を確認する必要がある」ということです。

 

これらは、租税条約が、全世界で一つの条約にみんなが署名して出来上がったものではなく、各国が個別に締結しているものであることからくる特徴です。

 

 

今回お話しした、全世界所得、二重課税、外国税額控除制度、そして租税条約は、特に国際税務関係でよく出てくる用語・制度なので、理解していただければと思います。

 

 

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