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会社は誰のものか? 株主? 社会全体? それとも・・・?

      2017/06/18

会社は誰のものか?」

 

一昔前、こんな議論が流行ったような気がします。

 

法律的な観点で言えば、会社を所有しているのは株主です。

 

株主が会社に出資することで、その出資金を使って会社は事業を行います。

 

株主がいなかったら、会社も存在しません。

 

その意味で、「会社は株主のものだ」というのは一つの考え方としてありでしょう。

 

しかし、かつて議論になった「会社は誰のものか?」という問題は、そんな法律的な観点からの回答が知りたくて提起されたものなのでしょうか?

 

おそらく、「会社は誰のものか?」という議論が生まれた理由は、「会社は、誰のためにあるのか、何のために存在するのか」という問いを考えたかったのだろうと思います。

 

この点、それでもなお、「会社は出資者に配当という形で報いなければならない」という点を重視して、やはり、「会社は株主のものだ」という主張もありえると思います。

 

この場合、会社は何よりも、株主に利益となるように事業を行うべき、という考え方に繋がるはずです。

 

一方、「会社は社会の公器」として、社会全体のために会社は存在している、つまり、「会社は社会のものだ」という考え方もあるでしょう。

 

この場合、会社は、社会を前進させるためにあるのだから、「世の中にいかに役に立つことができるか?」という点が至上命題である、という考えに繋がっていくと思います。

 

また、次のような考え方もあるでしょう。

 

会社は、株主のものでも、社会のものでもない。その会社の従業員のものだ」という考え方です。

 

もしかすると、これが一番賛成を得られない捉え方かもしれません。

 

というのも、この考え方の場合、もっとも重要視されるべきは、従業員であり、株主や社会にプラスにならなくても従業員のためになることが正当化されてしまいそうです。

 

こんな会社の捉え方を許したら、特に株主からしてみれば、自分たちの株価はどうだっていいと会社に思われてしまい、配当であまり利益を得られなくるという方向に行きそうで、おそらく嫌でしょう。

 

また、従業員の働き方や福利厚生が重視されると、残業が少なくなり、給料が増え、リストラも減りそうです。そうすると、とにかく成果を出さなければならない!というプレッシャーを経営者が従業員に課すことは好ましくない、ということになり、その結果、会社が社会や世の中に貢献する程度も下がってしまいそうです。

 

おそらくそんな理由で、「会社は従業員のものである」という考え方は、あまり支持を得られないのかもしれません。

 

しかし、私は、会社は従業員のものだし、会社は従業員のことを第一に考えるべきだと思っています。

 

そして、株主、つまり、株価を上げることや、世の中に優れた製品やサービスを提供していくということは、「従業員の生活・命を守るための手段」に過ぎないと思っています。

 

会社の目的」は、従業員の生活を確保すること

 

そのための手段」が、会社が世の中に役立つことをすること、その結果として株価の上昇というものがある

 

このように会社を捉えても、何ら不都合は起きません。

 

なぜなら、会社は従業員のため、つまり従業員の雇用の確保・適切な労働環境の整備を最重要事項である、と捉えた場合でも、それらを果たすには、会社が利益を出せるようにならないといけないわけです。結局、会社は一生懸命に成果を追及していくことになります。

 

一方、「会社は株主のためにある」とか「会社は世の中に役立つものを提供するためにある」という捉え方は、会社の目的を「株価上昇」や「世の中に役立つこと」と考え、「従業員の雇用を確保すること等」は、その目的を果たすための「手段」となります。

 

つまり、「会社は従業員のためにある」という捉え方とは、「手段」と「目的」の関係が真逆です。

 

そして、会社は株主のもの、社会のもの、と捉えるその延長線上には、「従業員は、会社が利益を出すためには、犠牲になってもやむを得ない」という結論が待っているでしょう。

 

結果として、過剰労働による過労死や、安易なリストラ、といったものが生まれることになります。

 

確かに、世の中を発展させること、その結果として株価が上がることは、重要なことです。

 

しかし、「世の中で最も大事なものは何か?」と聞かれたら、それは、「人の命」ではないでしょうか。

 

その人(従業員)の命は、会社で雇用が確保され、給料が適切に支払われる、という状態があってこそ守られるのだと思います。

 

会社は従業員の雇用を確保することを目的とし、従業員も自分たちや他の従業員の雇用が確保されるようにするために、仕事に全力を尽くす。その結果として、新しい製品やサービスが世の中に提供される。

 

「会社は従業員のものである」という考え方と、「会社は世の中のもの」とか「会社は株主のもの」という考え方では、「世の中に役立つ製品が提供され続けることになる」という結果になる点は同じです。しかし、従業員の生活・命に対してどれだけ会社が配慮をするか、という点で大きな違いを生じさせるように思います。

 

  • 会社は従業員のもの

 

  • 会社は従業員の雇用を確保するためにある

 

  • 会社が株主の利益に資すること、または社会のためになるということは、従業員の「雇用を確保した結果」である

 

こういう風に会社を捉えるべきなんじゃないでしょうか?

 

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