会社は誰のものか? 株主? 社会全体? それとも・・・?

      2020/01/19

会社は誰のものか?」

 

一昔前、こんな議論が流行ったような気がします。

 

法律的な観点で言えば、会社を所有しているのは株主です。

 

株主が会社に出資することで、その出資金を使って会社は事業を行います。

 

株主がいなかったら、会社も存在しません。

 

その意味で、「会社は株主のものだ」というのは一つの考え方としてありでしょう。

 

しかし、かつて議論になった「会社は誰のものか?」という問題は、そんな法律的な観点からの回答が知りたくて提起されたものなのでしょうか?

 

おそらく、「会社は誰のものか?」という議論が生まれた理由は、「会社は、誰のためにあるのか、何のために存在するのか」という問いを考えたかったのだろうと思います。

 

この点、それでもなお、「会社は出資者に配当という形で報いなければならない」という点を重視して、やはり、「会社は株主のものだ」という主張もありえると思います。

 

この場合、会社は何よりも、株主に利益となるように事業を行うべき、という考え方に繋がるはずです。

 

一方、「会社は社会の公器」として、社会全体のために会社は存在している、つまり、「会社は社会のものだ」という考え方もあるでしょう。

 

この場合、会社は、社会を前進させるためにあるのだから、「世の中にいかに役に立つことができるか?」という点が至上命題である、という考えに繋がっていくと思います。

 

また、次のような考え方もあるでしょう。

 

会社は、株主のものでも、社会のものでもない。その会社の従業員のものだ」という考え方です。

 

もしかすると、これが一番賛成を得られない捉え方かもしれません。

 

というのも、この考え方の場合、もっとも重要視されるべきは、従業員であり、株主や社会にプラスにならなくても従業員のためになることが正当化されてしまいそうです。

 

こんな会社の捉え方を許したら、特に株主からしてみれば、自分たちの株価はどうだっていいと会社に思われてしまい、配当であまり利益を得られなくるという方向に行きそうで、おそらく嫌でしょう。

 

また、従業員の働き方や福利厚生が重視されると、残業が少なくなり、給料が増え、リストラも減りそうです。そうすると、とにかく成果を出さなければならない!というプレッシャーを経営者が従業員に課すことは好ましくない、ということになり、その結果、会社が社会や世の中に貢献する程度も下がってしまいそうです。

 

おそらくそんな理由で、「会社は従業員のものである」という考え方は、あまり支持を得られないのかもしれません。

 

しかし、私は、会社は従業員のものだし、会社は従業員のことを第一に考えるべきだと思っています。

 

そして、株主、つまり、株価を上げることや、世の中に優れた製品やサービスを提供していくということは、「従業員の生活・命を守るための手段」に過ぎないと思っています。

 

会社の目的」は、従業員の生活を確保すること

 

そのための手段」が、会社が世の中に役立つことをすること、その結果として株価の上昇というものがある

 

このように会社を捉えても、何ら不都合は起きません。

 

なぜなら、会社は従業員のため、つまり従業員の雇用の確保・適切な労働環境の整備を最重要事項である、と捉えた場合でも、それらを果たすには、会社が利益を出せるようにならないといけないわけです。結局、会社は一生懸命に成果を追及していくことになります。

 

一方、「会社は株主のためにある」とか「会社は世の中に役立つものを提供するためにある」という捉え方は、会社の目的を「株価上昇」や「世の中に役立つこと」と考え、「従業員の雇用を確保すること等」は、その目的を果たすための「手段」となります。

 

つまり、「会社は従業員のためにある」という捉え方とは、「手段」と「目的」の関係が真逆です。

 

そして、会社は株主のもの、社会のもの、と捉えるその延長線上には、「従業員は、会社が利益を出すためには、犠牲になってもやむを得ない」という結論が待っているでしょう。

 

結果として、過剰労働による過労死や、安易なリストラ、といったものが生まれることになります。

 

確かに、世の中を発展させること、その結果として株価が上がることは、重要なことです。

 

しかし、「世の中で最も大事なものは何か?」と聞かれたら、それは、「人の命」ではないでしょうか。

 

その人(従業員)の命は、会社で雇用が確保され、給料が適切に支払われる、という状態があってこそ守られるのだと思います。

 

会社は従業員の雇用を確保することを目的とし、従業員も自分たちや他の従業員の雇用が確保されるようにするために、仕事に全力を尽くす。その結果として、新しい製品やサービスが世の中に提供される。

 

「会社は従業員のものである」という考え方と、「会社は世の中のもの」とか「会社は株主のもの」という考え方では、「世の中に役立つ製品が提供され続けることになる」という結果になる点は同じです。しかし、従業員の生活・命に対してどれだけ会社が配慮をするか、という点で大きな違いを生じさせるように思います。

 

  • 会社は従業員のもの

 

  • 会社は従業員の雇用を確保するためにある

 

  • 会社が株主の利益に資すること、または社会のためになるということは、従業員の「雇用を確保した結果」である

 

こういう風に会社を捉えるべきなんじゃないでしょうか?

 

 

 

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記事をお読みいただき、ありがとうございました。

この本郷塾のブログの中に掲載されている記事の80%以上は、英文契約に関するものです。その中で、あえて上記の様な記事を読んでいただけたということは、おそらく、仕事の仕方・働き方について悩まれているのではないでしょうか。

 

私も、2006年に電機メーカーに入社したばかりのころは、本当に何もできないみじめな状態でした。プロフィールにも書いてある通り、2007年の1月には、「海外案件なんて自分にはこなせるようになるとは思えない・・・」と悩み、会社を辞めようとしたほどです。

 

その理由は、英語ができない、英文契約書を読みこなせない、というのもありますが、同時に、仕事の仕方がよくわからなかったのです。どう振舞えばよいのか、何が正解なのか、まるでわかっていないことも大きな原因でした。後にも先にも、あの時以上に手も足も出ないと感じたことはありません。そして、仕事がつらいと、人生全般も苦しいものになると、そのときよくわかりました。

 

そこで、英語の勉強、英文契約書をチェックできるようになるための努力をするのと同時に、「働き方」や「生き方」についても模索するようになりました。具体的には、歴史上の人物達が困難に遭遇したときに、どのようにそれを乗り越えたのか?彼らはどのようなことを考えて、積極的に生きようとしたのか?を学ぼうとしました。

 

はじめは、歴史上の人物なんて、自分とはかけ離れた英雄・偉人なのだから、自分などが彼らから学べるもの、真似をすることができるものなどないのではないか?という思いもありました。しかし、読み重ねていくうちに、こう思うようになりました。

「彼らも、結局は自分と同じ人間で、ただ、様々な条件が重なった結果、あのようなすさまじい結果を出すに至ったが、本当は、自分とそう変わりないのではないか?」

 

そして、「彼らの前に立ちはだかった困難な状況は、現代の社会人に当てはめるとどういう場面なのか?」と自分なりに捉え直すようにしました。すると、歴史がそれまでよりもずっと身近になりました。

 

もしかすると、このような考え方、つまり、歴史上の人物も普通の人たちなのだ、という考え方は、傲慢なのかもしれません。しかし、これによって誰に迷惑をかけるものでもありません。「あくまで自分の中だけで、過去の人から学び取ろうという気持ちになり、それで人生が好転するのなら、構わないのではないか?」こう思うようになりました。

 

初めは歴史小説を中心に読んでいたのですが、その後、「これは真実なのだろうか?」と思い、本当のところを調べるために、大学教授などの歴史専門家が書いている本を読むようになりました。

 

そして、いつのまにか、「仕事や生き方のヒントになるもの」を集めるようになりました。それが認められて本になったのが、今回出版した2冊目の著書『歴史が教えてくれる働き方・生き方』です。

 

実際、私は歴史上の人物たちの考え方や振る舞い方に励まされ、少しずつですが成長できました。そして、入社して5年目以降には、当時の社内で最大規模の発電プラント建設プロジェクトの法務部主担当になることができました。その仕事を任されなければ、おそらく、ここまで英文契約、特に海外プラント建設契約に詳しくなることはなかったはずです。当然、英文契約の参考書など、出版できなかったと思います。

 

会社の中での仕事では、英語ができる、または契約書を読みこなせる、といったスキルだけでは解決できない困難に出会うことがあります。そんなときに、今回の『歴史が教えてくれる働き方・生き方』がヒントになればと思います。

 

全部で50個のエピソードを掲載しました。11つは短く、簡単に読めるものなので、書店でパラパラ試しに読んでみてください。その中に、1つでも、役立つものがあれば幸いです。

 

仕事に関する記事の目次

何かに挑戦したいと思っているのに、そのための一歩が踏み出せないでいる人へ

リスク管理をしっかりしたいと思っている人へ

何をやるにも、人の目や評価が気になってしょうがない人へ

「会社って、そもそも誰のものだっけ?」と疑問を抱いている人へ

「自分には何の才能もない」と思っている人へ

部下を上手に叱る方法を模索している人へ

仕事における段取りや根回しってどんなものかよくイメージできない!という人へ

何かの資格試験に落ちて、「もう人生終わりだ!」と思っている人へ

新しいことをしようとしたら、周りから猛烈な反対を受けて、しょんぼりしている人へ

「完璧にできないくらいなら、初めからしないほうがよい」と思っている人へ

本当は主役になりたいのに、いつも主役になれないと落ち込んでいる人へ

「絶対にやりたい仕事につきたい!」と考えている人へ

上司に取り入っていろうとしている人を見ると、寒気がしてきてしまう人へ

いつも残業しているが、そんな現状をなんとか変えたいと本気で思っている人へ

会議になると、いつも発言することをためらってしまう人へ

「仕事で評価される人は自分とは何が違うんだろう?」と疑問に思っている人へ

文章の作成スピードを速めたいと考えている人へ

いつも失敗するのがこわくて挑戦できない人へ

いつも嫌な仕事を任されることが多い、と嘆いている人へ

「社会人になると、学生の時と一番何が違うんだろう?」と疑問を抱いている学生の方へ

「仕事って、どんなときに楽しさを感じられるんだろう?」と疑問を持っている人へ

「絶対に失敗したくない!」といつも考えている人へ

「部内の飲み会なんて、どんなに遅刻してもよい、なぜなら仕事じゃないんだから」と考えている人へ

学生時代に頑張ったことが「勉強」だと、就活に不利だと思い、やりたくもないサークルに今から入ろうかな、と考えている学生の方へ

「社会人は、一体何に一番力を入れるべきなんだろう?」と悩んでいる人へ

いつも、「先輩に言われたことをしっかりやろう!」と考えている人へ

「交渉方法を教えてくれる本がないかな~」と思っている人へ

今日も自分の案があっさりと却下され、「もう提案なんかしない!」と思ってしまった人へ

「もう、自分が輝ける時間は残り少ない」と悩んでいる人へ

「給料を上げる方法を知りたい!」という人へ

いつも人生をゼロか百で考えてしまう人へ

記憶力をアップさせたい!という人へ

「大学の単位は全てA評価を取らないと!」と思っている人へ

休日を楽しめない、休日になると憂鬱になる人へ

正しいことを主張するときは、普段よりも力を込めて語ってしまう人へ

文章をうまく書けるようになりたい人へ

「いつも正しくあろう!」と考えている人へ

世の中には、絶対的な正義があると思っている人へ

仕事ができるようになりたい!と思っている人へ

先輩や上司によく相談に行く人へ

最近、疲れがたまっている、という人へ

いつも、先輩に言われないと行動できないでいる人へ

いつも、なんでもかんでも先輩や上司に相談、報告している人へ

ねたまれないように生きていきたい、と考えている人へ

人間は機械にその仕事をいつか全部奪われる日が来るんじゃないか?とおびえている人へ

パワハラにあって、つらくて苦しくてしょうがない人へ

いつも答えは一つだと思っている人へ

会社で役員に案件を説明するのが嫌で嫌でしょうがない、という人へ

「自分は、知り合いが少ない」と嘆いている人へ

はじめてメンターになった人へ

いつもマイナスのことばっかり考えてしまう人へ

将来自分が何になりたいのか決められないでいる人へ

靖国神社ができたのは、太平洋戦争での戦没者の慰霊のためだと思っている人へ

「いつなんどきも、逃げたら負け!」と思っている人へ

伊藤博文は、「初の内閣総理大臣」ということしか知らない人へ

些細なことをいつも軽視してしまう人へ

「そんなの、見なくてもわかる」と思っている人へ

 

 

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