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英文契約書における一般条項~準拠法 (Governing Law)~

      2017/06/21

 

1. 準拠法とは?

 

準拠法とは何でしょうか?

 

これは、契約書を解釈する際に拠るべき法律を意味します。

 

つまり、日本法を準拠法と契約書に定めた場合、その契約書を解釈する際には、日本の法律を適用することになるのです。

 

準拠法の条文は、具体的には、次のようなものす。

 

「本契約は、日本法に準拠し、同法によって解釈される。」

 

では、もしも準拠法を契約書に定めておかないとどうなるのでしょうか?

 

その場合は、法律を適用すべき問題について管轄権を有する裁判所が存在する国の国際私法によって準拠法が決まることになります。

 

難しい説明をしてしまいましたが、要は、「どこの法律が適用されることになるかすぐにはわからなくて面倒なことになる!」ということです。

 

ここで、契約書の中には、全ての一般条項が常に定められているわけではありませんが、この準拠法は、ほぼ常に定められる一般条項といってよいと思います。

 

どこの国の法律が適用されるのかが予測できなくなるという事態をなるべく避けたいと当事者が考えるのが通常だからでしょう。

 

 

2. 準拠法はどこの国に定めるべき?

 

では、準拠法は、どこの国の法律と定めておくべきなのでしょうか?

 

この点、自分で契約書をドラフトする際は、まずは自分の国、つまり日本法にしておき、それを相手が拒否した場合には、日本でも、相手国でもない第三国にする、という対応をしている会社が多いのではないでしょうか。

 

では、なぜこのような対応をする会社が多いのでしょう?

 

日本法の方が、日本の会社には有利だから?

 

果たしてそうなのでしょうか。

 

日本の法律の中で、日本の企業を外国の企業よりも有利に扱うことにしている法律なんて、ないと思います。

 

法律は公平なものです。

 

争っている会社が日本の会社か、外国の会社なのかによって、解釈が異なったりすることはないはずです。

 

つまり、法律の内容そのものが、日本法の場合、日本の企業にとって最も有利に働く、ということはないはずです。

 

では、どうして日本の法律に従う、と最初は提案するのでしょう?

 

これは、もしも争いになった際に、日本の法律が適用されることにしておいた方が、日本人である自分達がよく知っている法律なので戦いやすいからだと思います。

 

外国の法律を準拠法とすると、争いになった際に、その外国の法律に詳しい専門家、つまり、外国の法律事務所の弁護士に相談する必要が生じる可能性が高いですよね?

 

それよりは、日本法にしておいた方が楽、という程度の理由だと思います。

 

そう考えると、準拠法を必ずしも日本法にしなければならないわけではない、と思えますよね。

 

ただ、なんとなく、発展途上国の法律を準拠法にするのには抵抗があります。

 

おそらくそれは、「公平な法律じゃない場合があるんじゃないか?」という不安が少しあるのではないかと思います。

 

または、「発展途上国には、良い法律事務所が先進国ほどはないのではないか?」という懸念もあるのかもしれません。

 

おそらく、法律の内容が、自国の企業に有利になり、他国の企業に不利になるようなものというのは、まずないのだろうと思います。しかし、なんとなく、上記のような不安や懸念があることから、日本の企業が契約当事者になる契約では、準拠法は、日本法、英国法、米国のどこかの州法、またはシンガポール法などが選ばれやすく、例えば、あえて中国法、インド法、ベトナム法等を積極的に選ぶことは少ないと思います。

 

3. 準拠法を相手国の法律にしては絶対にダメなのか?

 

では、相手方当事者の国の法律を準拠法とすることは、絶対に避けるべきなのでしょうか?

 

結論としては、必ずしもそうではないと思います。相手方当事者の国の法律を準拠法にしただけで、日本の企業に直ちに不利益になるわけではありません。

 

ただ、あえて、準拠法を相手方当事者の国の法律にする積極的な理由もありませんよね?

 

第三国の法律にすることで、もしも万が一契約に関して争いが生じたら、どちらも、第三国の法律の専門家にアドバイスを求めるという手間をかけることになる、という扱いにするのが公平でしょう。

 

もっとも、外国の政府が契約当事者である場合や、外国の入札案件で日本の企業が応札するような案件では、ほぼ強制的に、準拠法は相手方当事者の国の法律とされることが多いと思います。

 

それこそ、インドの案件であればインドの法律でしょうし、中国の入札案件であれば中国法とさせられると思います。

 

その場合には、それに従わないと案件を受注できないこともあるでしょうから、相手国の法律を準拠法とすることでやむをえません。

 

 

4. 英文の準拠法条項

 

準拠法の条文は、英語では次のように書かれるのが一般的です。

 

This Agreement is governed by and construed in accordance with the laws of [].

 

上記のような受動態で定められることが多いですが、英文は原則として能動態で書かれるべきなので、次のように書くこともできます。

 

The laws of [] govern and construe this Agreement.

 

 

5. 穴埋め式練習

 

問題:

This Agreement is [governed] by and [construed] in accordance with the laws of the State of New York.

 

訳:

本契約は、米国ニューヨーク州法に準拠し、同法によって解釈される。

 

回答:

This Agreement is [governed] by and [construed] in accordance with the laws of the State of New York.

 

 

6. コラム~準拠法から考える不平等条約撤廃の苦労~

 

先ほど、「なんとなく、発展途上国の法律を準拠法にしたくないと思ってしまう」というお話をしました。

 

おそらく、発展途上国の法律も、さほどおかしなことは書いていないし、ましてや、外国の企業のみに不利になる内容が定められていることもまずないはずです。

 

しかし、それでも、なんとなく抵抗を感じますよね。

 

おそらく、明治時代初期の欧米列強も、日本に対してそのような感情を持っていたのかもしれないな、と思います。

 

特に、治外法権についてです。

 

幕末に日本と不平等条約を締結した欧米列強は、明治になり、明治政府が不平等条約の撤廃を求めても、すんなりと応じてはくれませんでした。

 

特に治外法権については、日本の法律に不安があったからだそうです。

 

江戸時代、日本は被疑者に対して、拷問をしていました。

 

被疑者とはいえ、まだ有罪になっていない者に拷問をするなんて、欧米列強は恐怖を通り越して嫌悪感を抱いていたのではないでしょうか。

 

「拷問するなんて、日本はなんて未開な国なんだ!そんな国と平等な条約なんて結んだら、我々が日本に行ったときに日本で被疑者になったら拷問されることになるし、その結果、本当は無罪なのに、有罪にされてしまうかもしれない!」

 

こんなことも思ったのではないでしょうか。

 

その結果、「俺たちと同じように、ちゃんとした国になるまで、不平等条約を撤廃しない!」

 

私たち日本人が、準拠法を発展途上国の法律にしたくないとなんとなく感じることに鑑みると、当時の欧米列強の気持ちもうなずけます。

 

やっぱり、自分たちと同等レベルに成熟しており、かつ、同等レベルの制度を持っている国でないと、その国の法律の内容に不安を感じてしまうんですよね。

 

「突拍子もないことが法律に書いてあるかもしれない・・・」

 

なんて思ってしまうわけです。

 

そう考えると、不平等条約を撤廃するために、鹿鳴館を立てたり、西洋の真似を徹底的に行った明治時代の人々の努力を馬鹿にしたり、笑う気にはなれません。むしろ、よく頑張ってくれたな~と思い、頭が下がる思いにもなりますね。

 

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英文契約の一般条項に関する目次

英文契約書における一般条項の解説

英文契約における一般条項~定義条項(Definitions)その1 定義条項の必要性~

英文契約書における一般条項~定義条項(Definitions)その2 定義条項を定める際に注意したいこと~

英文契約書における一般条項~準拠法 (Governing Law)~

英文契約書における一般条項~紛争解決条項 Dispute Resolution~

英文契約書における一般条項~通知条項 (Notice)~

英文契約書における一般条項~契約期間 (Term)~

英文契約書における一般条項~譲渡制限条項 (Assignment)~

英文契約書における一般条項~完全合意条項(Entire Agreement)と修正条項(Amendment)~

英文契約書における一般条項~分離条項 Severability~

英文契約書における一般条項~権利放棄条項 (Waiver)~

英文契約書における一般条項~見出し条項 (Headings)~

英文契約書における一般条項~一般条項がわかるようになるとどんなメリットがあるのか?~

英文契約書における一般条項~常に全ての一般条項を契約書に定めなければならないのか?~

 

 

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