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仕事における完璧主義のもたらす弊害について

      2017/03/04

 

仕事は完璧じゃなきゃいかん!

 

と思っている人は、意外と多かったりします。

 

確かに、普通に考えると、完璧じゃないものと完璧なものを比較すると、完璧なものの方が優れているようにも思えます。

 

でも、歴史は、完璧主義が弊害をもたらすことを教えてくれています。

 

今日はそんなエピソードをご紹介したいと思います。

 

 

解体新書の出版事業

 

1774年、オランダの医学書であるターヘル・アナトミアを日本語に翻訳した「解体新書」が日本で出版されました。

 

この翻訳事業を行ったのは、以下の4名です(カッコの中は翻訳事業開始時の年齢です)。

 

前野良沢(49歳)

杉田玄白(39歳)

中川淳庵(33歳)

桂川甫周(21歳)

 

もっとも、この4名の中で本当に翻訳を担当したのは、前野良沢です。彼がいなければ、ターヘル・アナトミアの翻訳はまず完成しなかったことでしょう。

 

ターヘル・アナトミアの翻訳作業は、前野良沢の自宅に集まって行われましたが、開始から1年半後、ようやく翻訳が終了しました。

 

翻訳事業のメンバーである杉田玄白は、早速、解体新書を世に出版したいと思いました。

 

その理由は、杉田玄白は、日本の医者達に、ターヘル・アナトミアに書かれている本当の人体の内部構造を示すことで、日本の医学を進歩させたいと考えていたためです。

 

この解体新書が日本で出版されるまで、日本では、中国から伝わった情報に基づいて人体の内部を理解していました。

 

しかし、前野良沢、杉田玄白、中川淳庵は、実際に罪人の腑分けに立ち会った際に、これまで自分たちが正しいと信じてきた人体の内部構造に関する知識が間違っていたこと、一方で、ターヘル・アナトミアに記載されている人体内部の図の方が正しいことを知りました。

 

府明け見学の帰り道にて、医者である杉田玄白は、正しい人体の内部構造を日本の医者達に示すことを使命と考え、ターヘル・アナトミアを翻訳しようと決意し、前野良沢と中川淳庵に提案し、翌日から翻訳事業が始まりました。

 

その熱意の結果、1年半後に、ようやくターヘル・アナトミアの翻訳を完成させ、解体新書を世に出版しようとしたとき、前野良沢はこう言いました。

 

 

「私の氏名は、翻訳書(解体新書)に一字たりとも記載していただきたくないのでござる」

 

「・・・なぬ!?」(杉田玄白)

 

杉田玄白は、このとき、自分の耳を疑ったことでしょう。

 

前野良沢は、解体新書の刊行に賛成していなかったのです。

 

その理由は、次のようなものでした。

 

「翻訳が完璧ではない」

 

前野良沢は、もっと長い年月をかけて訳を練り、完璧な翻訳をできたときに初めて刊行するべきだと考えていたのです。

 

とはいえ、杉田玄白が解体新書を出版することまでは止めませんでした。

 

それでも「そんな不完全なものに、自分の名前を載せたくない」と考え、上記のように杉田玄白に言ったのです。

 

一方、杉田玄白は、前野良沢が満足するような完璧な訳ができるのを待っていたら、出版がいつになるかわからない思っていました。

 

まともなオランダ語の辞書すら日本にない時代です。そんな時代に完璧な日本語訳を目指す必要などどこにあるのか!という気持ちだったでしょう。

 

例え少々の不備があっても、解体新書を世に出して、人体内部の構造について間違った理解をしている日本の医者達に本当の人体内部を示すことができれば、どんなに日本の医学の進歩に資するだろう!

 

 

杉田玄白と前野良沢の考え方の違いはどこから来ているのか?

 

杉田玄白は、オランダ語の知識はほとんどありませんでした

 

杉田玄白にとって、オランダ語は、西洋の文明を理解するためのツールに過ぎなかったのです。

 

そのため、ある程度の翻訳がなされた時点、つまり、人体内部の構造を示すことができる程度に翻訳がなされたのだから、それを世の中の人に知らせるべきだ、と考えたのでした。

 

 

一方、前野良沢は、オランダ語そのものの研究を重視したのです。

 

そのため、完璧ではない翻訳を世に出したくない、仮に出すにしても、自分の名前は出してくれるな、と思ったのです。

 

 

杉田玄白と前野良沢のその後

 

その後、ターヘル・アナトミアを翻訳した解体新書は、日本国内で出版されました。

 

そして、杉田玄白は大きく評価されます。

 

江戸のみならず、全国に名を知られた大蘭方医と称されるに至ります。

 

多くの学徒を指導し、日本における蘭学の進歩を促しました

 

杉田玄白の塾は日本の蘭学の中心になりました。

 

蘭方医としては初めて、将軍の拝謁を受けるまでになりました。

 

さらに、杉田玄白の関心は医学に止まらず、政治、経済に対しても及び、その発言も鋭く、彼の洞察力は広く影響力を持ちました。杉田玄白は、単なる医者ではなく、優れた文明批評家として世に知られることになり、85年の長寿を全うします。

 

一方、前野良沢は、その一生を一般人には無名の一老人で終えます。

 

晩年は小屋のような家で侘しい暮らしとなります。もちろん、弟子などいません。富とも名声とも縁がありませんでした

 

 

完璧主義とは、逃げである

 

こういう見方もできるでしょう。

 

杉田玄白は富と名声を求めた世俗人

 

前野良沢の人生こそ、人として生きる道だ。

 

確かに、ひたすらオランダ語の翻訳に一生をささげた前野良沢の人生も、きっと、本人的には充実したものだったことでしょう。何かに一生懸命になれる人生はそれだけで最高なはずです。

 

もしかすると、前野良沢は、富とか名声を求める行為は卑しい、と見ていたのかもしれません。

 

しかし、杉田玄白と前野良沢は、どちらが世の中の役に立ったのでしょうか?

 

どちらが、世の中を前進させたのでしょうか?

 

世の中に貢献したその報酬として富と名声を得ることは、何ら卑しい行為ではありません。

 

富と名声を得ていることは、世の中に貢献できていることの証です。

 

一方、前野良沢のように、できもしない完璧を求めること、過剰に質を求めることは、「逃げ」だとも思います。

 

完璧でないものを世に出せば、もちろん、多くの批判を受けるかもしれません。

 

しかし、それでも、「世の中に貢献することになるのはどっちなのか?」という問いを、杉田玄白も出版前に自らに質したはずです。

 

その結果、「不完全であるために批判を受けようとも、日本の医学を進歩させたい!」と思ったのだと思います。つまり、批判されるリスクを受け入れたわけです(もっとも、オランダ語に詳しい人が日本に他にいないので、オランダ語の間違いを批判されようがないと考えていた可能性の方が高いですが・・・。それでも、解体新書出版後は、従来の人体内部の構造についての考え方を否定するとして、杉田玄白は大いにバッシングを受けましたが、それにも耐えました)。

 

 

もしもあなたが、ターヘル・アナトミアの翻訳事業に加わっていたのなら、前野良沢と杉田玄白、どちらの立場をとりますか?そして、それはどうしてですか?

 

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