英文の秘密保持契約の解説⑦~「目的外使用の禁止」について~

      2018/05/06

 

今回は、「情報受領者による秘密情報の目的外の使用を禁止する条文」について解説します。

 

具体的には、日本語で次のような条文です。

 

「情報受領者は、秘密情報を、本契約に定められた目的以外の目的で使用してはならない」

 

禁止

まず、この条文は、「禁止」を表しています。

 

よって、shall notが使われます。

 

使用する

次に、shall notに続くのは、「使用する」です。

 

この「使用する」は、誰もが知っている単語、useが使われるのが一般的です。

 

ここでuse以外の単語が使われているのを私は見たことがないように思います。

 

目的

次に、「本契約で定められた目的」ですが、これは、「目的」を意味する単語であるpurposeを定義して、Purposeと書くのが一般的です(最初が大文字)。

 

そして、本契約で定められた目的「以外の目的」ですが、この「以外」という表現は、次の2種類がよく使われています。

 

other than A

except for A

 

つまり、「本契約で定められた目的以外の目的」は、次のように定められます。

 

for any purpose other than the Purpose

for any purpose except for the Purpose

 

すると、「情報受領者は、秘密情報を、本契約に定められた目的以外の目的で使用してはならない」という条文は、次のようになります。

 

The Receiving Party shall not use the Confidential Information for any purpose other than the Purpose.

 

ここでも、前回と同じく、「相手方の事前の書面による同意なくして」という表現を加えて、

 

The Receiving Party shall not use the Confidential Information for any purpose other than the Purpose without the Disclosing Party’s prior written consent.

 

と定めているものもあります。

 

秘密の保持、第三者の開示の禁止、目的外使用の禁止のまとめ

なお、前回解説した、「秘密情報を秘密として保持し、第三者に開示することを禁止する」という意味の条文と、今回解説した、「秘密情報の目的外使用を禁止する」という意味の条文を一文で定めている契約書も割と多く見かけます。

 

日本語では、以下のような条文です。

 

「情報受領者は、秘密情報を秘密として保持し、情報開示者の事前の書面による同意なくして、第三者に秘密情報を開示してはならず、本契約に定められた目的外で使用してはならない」

 

これは英文では、次のように定められます。

 

The Receiving Party shall keep the Confidential Information in strict confidence and it shall not, without the Disclosing Party’s prior written consent, (i) disclose the Confidential Information to any third party and (ii) use the Confidential Information for any purpose other than the Purpose.

 

秘密保持契約では、秘密情報を第三者に開示してはならない点と、目的外使用は両方とも重要事項であることから、一緒にまとめて定められることが多いのかもしれません。

 

 穴埋め式で練習

最後に、秘密の保持、第三者への開示の禁止、そして目的外使用の禁止について、以下のような穴埋め練習をしていただきたいと思います。

 

下の空欄がある英文中の空欄を、埋める練習です。

 

答えはさらにその下の英文にあります。

 

これを何度か繰り返すだけで、この種の条文で使われる表現を覚え、かつ、使いこなせるようになると思いますのでお勧めです。

 

問題

The Receiving Party shall [    ] the Confidential Information in strict [          ] and it [     ] not, without the Disclosing Party’s prior written [      ], (i) [      ] the Confidential Information to any third party and (ii) [   ] the Confidential Information for any purpose [    ] [than] the Purpose.

 

情報受領者は、秘密情報を秘密として保持し、情報開示者の事前の書面による同意なくして、第三者に秘密情報を開示してはならず、本契約に定められた目的外で使用してはならない

 

回答

The Receiving Party shall [keep] the Confidential Information in strict [confidence] and it [shall] not, without the Disclosing Party’s prior written [consent], (i) [disclose] the Confidential Information to any third party and (ii) [use] the Confidential Information for any purpose [other] [than] the Purpose.

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英文の秘密保持契約の解説の目次

英文の秘密保持契約の解説①~サクッと全体像をつかむ!~

英文の秘密保持契約の解説②~秘密情報の秘密の保護と管理について~

英文の秘密保持契約の解説③~秘密情報に関する保証・権利・返還について~

英文の秘密保持契約の解説④~秘密保持契約の有効期間について~

英文の秘密保持契約の解説⑤~「秘密の保持」について~

英文の秘密保持契約の解説⑥~「第三者への開示の禁止」について~

英文の秘密保持契約の解説⑦~「目的外使用の禁止」について~

英文の秘密保持契約の解説⑧~受領した秘密情報を開示してよい範囲はどこまで?(その①)~

英文の秘密保持契約の解説⑨~受領した秘密情報を開示してよい範囲はどこまで?(その②)~

英文の秘密保持契約の解説⑩ 情報受領者の情報管理義務について

英文の秘密保持契約の解説⑪ 情報開示者による差止請求

英文の秘密保持契約の解説⑫ 秘密情報の「現状渡し」と「無保証」について

英文の秘密保持契約の解説⑬ 秘密情報に関する権利の留保について

英文の秘密保持契約の解説⑭ 秘密情報の返却・破棄について

英文の秘密保持契約の解説⑮ 秘密保持契約における定義条項について

 

 

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